適切な血糖値を維持するためにすべきこと

2017/2/10

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

糖尿病のように、血糖値の上昇/下降で体調が悪くなる症状があります。こうした症状がある場合、食事や運動などで血糖値の上昇を抑えるとともに、定期的に血糖値を測って自分自身で数値を把握することも大切です。ここでは血糖値の検査が必要な場合や、検査方法についてご紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

血糖値の検査が必要な場合

 
・低血糖の症状(めまい、ふるえ、発汗、悪寒、錯乱など)がある
・高血圧(高血糖)の症状(眠気、視界がぼやける、頻尿、のどの渇き)
・食事、運動、および治療薬が血糖値に与える影響を知る必要がある
・血糖値のコントロールがうまくいかず、健康上の問題が生じるリスクがある
・インスリンを服用している、または過去に低血糖の症状があり、集中力を要する作業(運転など)を行っても安全かどうかを判断する必要がある場合

血糖値の検査方法

糖尿病の管理に役立つ血液検査として、「HbA1c(グリコヘモグロビン)検査」と「血糖自己測定(SMBG: Self Monitoring of Blood Glucose)検査」の2種類があります。この検査をすると血糖値の状態がわかり、治療に活かすことができます。
 

Hb1c検査

過去2~3カ月間の血糖(または血中グルコース)状態を把握するための検査です。3カ月ごとにHbA1Cの値を検査し、血糖値のコントロールがうまくいっているかを確認します。HbA1Cの目標数値は7%未満にするのが一般的です。

血糖自己測定検査

血糖自己測定検査はSMBG検査と呼ばれるもので、自分自身で血糖値の検査をすることです。検査は血糖値モニター(血糖値測定装置またはグルコメーター、グルコースメーターとも呼ばれます)を使います。医師は使い方を説明したり、1日あたりの検査回数や検査期間をアドバイスしたりします。SMBG検査を行うと、血糖値をコントロールしやすくなるだけでなく、薬や食事、運動のレベルを調整することにも役立ちます。

測定結果はノートなどに記録します。食べたものはもちろん、どんな薬を服用したかや、インスリンを投与したとき、日中どんな活動したかを記録しておきましょう。記録に残しておくと、医師がこれらが血糖にどんな影響を与えるのかを確認するのに役立ちます。

血糖自己測定検査を行うとき、医師のアドバイスのほかに以下の点に気をつけてください。

・検査紙の消費期限に注意する 
・使用前に、血糖値モニターが正しく設定されていることを確認する 
・血糖値モニターを清潔に保つ 
・血糖値モニターの電池を確認する 

また、以下の状況にある場合、血糖値の検査を頻繁に行ったほうがよいとされています。

・糖尿病の薬が変わった 
・ほかの種類の薬を服用し始めた 
・食事を変更した 
・普段行っている運動または活動レベルを変更した 
・ストレスレベルが上がる
・病気

病気になって何も食べなくなったとしても、血糖値が高くなる可能性があるため、検査は行う必要があります。頻繁な検査は、少なくとも1週間はSMBGの目標値を維持できること、あるいは医師から今後頻繁な検査は必要ないことを伝えられるまでは続けてください。

おわりに

血糖値を測定する方法として、病院に通って検査する方法と、自宅などで使える検査キットを購入して自分でチェックする方法とがあります。どちらの方法で血糖値を測定するかや、どのくらいの期間取り組むかなど、わからないことや懸念点などがあれば、かかりつけの医師に相談してみてください。

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