記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
引越し、保育園・幼稚園・学校へ行く、新しい家族の誕生など・・・環境の変化によって、大人と同様に子供にもストレスは溜まります。
そして、ときにはそれによって病んでしまう場合もあります。
そんな状況を防ぐためには、以下にあげたようなストレスの原因やストレスで現れるサインを知っておくことが大切です。子供をストレスから守るためにも、きちんと理解しておきましょう。
学校生活が要因となって現れる症状には、以下のようなものがあります。
集団心因性疾患は、物理的または環境的な病気の原因がないにもかかわらず、人が集まるグループ(学校のクラスまたは職場の労働者など)が同時に病気になり始めることで、何らかの不安と心配があるときに発生するといわれています。
集団心因性疾患による頭痛や目眩は、毒または細菌のために引き起こされるものではなく、ストレスや不安、何か有害なものに曝されているという思い込みによるものと考えられるのです。
気分変調障害はうつ病の一種です。
少なくとも2年間は続き、中には何年も苦しむ人もいます。
気分変調障害の症状には、食欲不振または過食、睡眠不足または睡眠過多、活力不足、疲労および絶望感などがあります。
うつの程度は通常軽度のため、いつ発症したのか自覚することが難しく、2カ月程度で普通にみえる状態に戻るため、家族や友人に気づかれないことがあります。
軽度のうつですが、家庭、学校、就業生活を送ることが難しくなることもある障害です。
学校生活の中でも、試験は子供・保護者の両方にとって大きな問題となることが多く、ストレスの要因となっている可能性も高いといえるでしょう。
対処するには、子供のストレスの兆候(頭痛や腹痛、苛立ちがある、よく眠れない、食欲がない、心配が増える、うつ状態になる、ネガティブになりがちなど)を見つけ、それについて話し合うことが大切です。
また、ストレスを受けた子供たちにとって、相談できる相手がいることは大きな助けになります。
家族はもちろん、家庭教師、勉強仲間などの存在は、子供たちが心配事を減らして毎日を過ごすための強力なサポーターです。
また、子供がストレスに対処できていないと感じたら、学校の先生に相談するのも良いでしょう。
子供が興奮状態にならないよう、就寝時刻を固定する・夕食後に甘いお菓子を与えない・寝る前にテレビを見ないようにするなど、脳や体をクールダウンさせてあげましょう。
おもらしや指しゃぶりなど、子供が未発達の時期の行動をとることを指します。
たとえば、弟や妹が誕生したために、周囲の関心を自分に向けさせるために指しゃぶりをするなどが挙げられます。
対処法としては、子守唄を歌う、おもちゃで一緒に遊ぶなど、兄や姉としての仕事を与えてあげると順応しやすくる可能性が高いでしょう。
これらの行動は、子供が自身を落ち着かせるために行っている可能性が高いです。
子供も学校生活や家庭生活の中でストレスを感じたり、ストレスによって体調を崩すこともあります。しかし、子供は自分の症状や悩みを言葉に表すことができないことも多く、親や周囲の大人がしっかりと見守って対処していく必要があります。
具体的な対処法としては、以下のようなものがおすすめです。
生活していれば、誰しも多かれ少なかれストレスを抱えているものです。
それは、子供にも当てはまります。
ストレスが重い心の病気などに発展しないように、普段から子供のを観察しましょう。
もしストレスを抱えているようなら、無理に理由を聞き出したり叱ったりせず、リラックスさせて話し合う、医師や学校の先生に相談するなどをしてストレスの緩和に努めてください。