がんになる原因と発がんリスクを下げるために気をつけること

2017/3/17

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

がんを予防するための確実な方法はありませんが、原因を知ってそのリスクを軽減することはできます。

ここではがんになるといわれている原因について解説します。原因を知ってがんのリスクを下げるましょう。

がんのリスクを下げる生活をすると、同時に健康な生活も送れます。日ごろからがんに気をつけて生活してみましょう。

がんになる原因その①:食生活

特定の食品ががんを予防するはっきりした証拠はありません。でも、がんになるリスクを高くする可能性があり食品があることは研究でわかっています。 これには次のようなものがあります。

・ハム、ベーコン、ソーセージ、サラミ、ボローニャなどの加工肉は、頻繁に食べると結腸癌・直腸癌のリスクが高くなる
・飽和脂肪酸が多い食品は体重を増加させることがある
太りすぎると、多くの種類のがんのリスクが高まる。
・アルコールは、口、喉、食道、肝臓、乳房、結腸直腸の癌のリスクを増加させる
アルコールを飲む場合は、男性の場合は1日2杯、女性の場合は1日1杯までにしてください。 1杯というのは、12オンスのビール(4.5%アルコール)、5オンスのワイン(12.9%アルコール)、または1.5オンスの80-プルーフ(アルコール度数40度)蒸留酒です。

健康な食事により予防可能性が見込める病気にはどんなものがありますか?

研究によると、健康な食事は、特定のがん、 2型糖尿病 、 骨粗鬆症および心臓 病の発症リスクを低下させるといわれています。さらに、栄養が高いことのもう1つのメリットは、健康的な体重を維持できるということです。

あまりにも体重が増えすぎてしまうと、特定のがん、心臓病、 高血圧および他の多くの健康問題のリスクが高くなってしまいます。
高繊維 、低脂肪の食事と定期的な運動は、体重を減らし、それを維持してくれるので、ぜひとも心がけてください!

砂糖代用品ががんの原因!?

アメリカでは、使用が承認された砂糖代用品(アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース)が、がんやその他の重大な健康上の問題を引き起こすという証拠はないということがわかっています。

研究の結果、これらの甘味料を正しく使った場合、ほとんどの人にとって安全なことがわかっています。コーヒーや紅茶に使っても大丈夫ですね。

健康的な食生活とは?

がん予防に関する食べ物や食生活の話題は、よくニュースで取り上げられているのを見かけます。これは、多くの研究が食生活とがんの関係に集中しているからです。でも、食生活とがんとの関連性を研究することは簡単ではありません。

というのも、さまざまな要因が関係していることや、がんの進行に数年かかるからです。がんの発症を防ぐことができる食べ物やサプリメントもいまのところつくられていません。ですが、特定の食品(ビタミンまたは栄養素ではないもの)を食べることとがんのリスクを低下させることに関連があることが研究によって判明しています。

健康でバランスの取れた食生活を心がけると、がんになるのリスクを下げることができます。以下のような食事を摂るようにしてみてください。

・1日あたり5単位分の果物や野菜
・パン、米、ジャガイモ、パスタ、そのほかのでんぷん質の食べ物を多く
食物繊維が多く含まれるので、全粒の食品を選びましょう
・肉、魚、卵、豆、そのほかの乳製品以外のタンパク質
・牛乳や乳製品
・ケーキやチップス、ビスケットなど、脂肪分や糖分が多い食べ物や飲み物は控えめに
健康でバランスの取れた食事を食べることで、体が必要とする栄養素をすべて摂ることができます。

食物繊維とがん

十分な食物繊維を摂ると、結腸癌・直腸癌にかかるリスクが低下することがはっきりわかっています。繊維が多い食事は、腸の健康を保ち、便秘の予防にも役立ちますよ。食物繊維が豊富なのは、全粒粉のパスタ、パン、朝食用シリアル、米などです。

豆、果物、野菜も、繊維質を摂りやすい食べ物です。

赤肉or加工肉とがん

肉はタンパク質、ビタミン、鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含んでいます。ですが、赤身の肉や加工肉は、結腸癌・直腸癌にかかるリスクと関連があるかもしれない…ということもだんだんわかってきています。こうした肉をたくさん食べる人は、あまり食べない人よりも結腸癌・直腸癌にかかるリスクが高くなってしまいます。

ちなみに、ここで言う赤身は牛肉、豚肉、ラム肉です。加工肉にはベーコン、ソーセージ、サラミ、ハムなどがあります。

もし、1日あたり90グラム以上の赤身または加工肉(ローストビーフ、ラム肉、または豚肉の薄切りを3枚[1枚分はスライスされたパン半分ぐらいの大きさ]分に相当)食べているとしたら、だいたい70グラムまで減らすことをお勧めします。

ベータカロテンサプリメント

抗酸化物質サプリメントでよくみられるベータカロテンは、喫煙者や職場でアスベストにさらされている人の肺がんリスクを高めることが判明しています。もしあてはまる場合は摂らないように気をつけましょう。

また、大量のベータカロテンサプリメントを服用すると、ほかの人のがんのリスクも高める可能性がありますので、ご注意ください。

がんになる原因その②:喫煙

喫煙とタバコの使用はがんだけじゃなくてほかの病気の原因にもなる、とても危険な習慣です。

予防可能な病気(気腫、口、喉および肺がん、心臓病など)は、何よりもたばこの使用によって引き起こされます。 すぐにやめるほど良いことだらけです。

間接喫煙の危険性

間接喫煙とは、喫煙者が吐き出した煙やタバコから出る煙を通じて煙を吸ってしまうことです。子どもは間接喫煙で、7,000種類以上の化学物質を吸い込んでいます。このほとんどは有害で毒性があり、子どもの健康と発達に影響を与えます。また、これらの化学物質のうち約70種類はがんを引き起こす可能性があり、依然として間接喫煙が健康に及ぼす悪影響についていたるところで叫ばれています。

また、煙は家の空気、カーテン、寝具、カーペット、家具などに染み付くため、子どもはしばらく間接喫煙の悪影響にさらされ続ける可能性もあります。

このように間接喫煙はすべての人にとって有毒なものなんですが、脳や身体の発達途中の赤ちゃん、幼児、10代の子どもにとってはさらに危険です!不幸なことに、乳児や幼い子どもは誰かが喫煙している家や車から離れられないので、大人よりも間接喫煙をしてしまうんです。気をつけましょう。

タバコに関連するものとしては、ビタミンEとベータカロテンがあります。これが豊富な食品は健康的であり、がんリスクを軽減させるのに有効ですが、喫煙や肺がんのリスクが高い人は、肺がんの危険性を高める可能性があるため、ベータカロテンを使用しないことが推奨されています。

禁煙してがんになるリスクを下げましょう

禁煙すると、がんの発症リスクが大幅に軽減されます。禁煙が早ければ早いほど効果は大きく、禁煙が遅すぎるということはまったくありません。

30歳で禁煙する人は、タバコを吸わない人と同じくらい長生きしますが、50歳で禁煙する人でさえ、タバコによるダメージを半減させることができるのです。

がんになる原因その③:アルコール

アルコールが多すぎると肝臓に損傷を与え、咽喉癌や肝臓癌などのがんの原因となることがあります。
また、飲酒は、以下のようながんのリスクを高めることがわかっています。

・口(こう)がん
・咽頭がんおよび喉頭がん
・食道がん
・男性の結腸直腸がん(結腸または直結腸癌・直腸癌)
・乳がん
女性の結腸直腸がんや肝臓がんといったがんは、おそらくほかの要因が原因であると思われます。

飲酒量を減らしましょう

男性は1日2杯、女性は1日1杯以上はお酒を飲まないようにしましょう。ここでは1杯の飲み物は1缶のビール、120mlのワイン、またはジガー(30ml)の酒量に相当します。

実際に、喫煙するアルコール依存症患者は、心臓病、肺疾患、頭部、口および喉のがんを起こす可能性が高まります。週のほとんどで酒を飲んでいるなら、健康へのリスクを減らすために以下のことをお勧めします。

・男女とも、1週間あたり14単位以上の定期的な飲酒をしない
・1週間あたり14単位以上飲む場合は、3日以上間隔を空ける

ドリンクチェッカーを使用すると、さまざまなアルコール飲料が何単位かを調べることができます。

がんになる原因その④:肥満(運動不足)

肥満だと、たとえば以下のようながんのリスクが高まる可能性があります。

・結腸癌・直腸癌
・膵臓がん
・食道がん
・乳がん(閉経後の女性の場合)
・子宮がん
・腎臓がん

健康的な体重になると、がんを発症するリスクを減らすことができます。 BMI(要解説)に基づく計算をすることで、健康的な体重かどうかを知ることができます。

体をよく動かす

体をよく動かしていると、腸や乳房のがん、子宮内膜がん(子宮の内側面にできるがん)のリスクを減らすことができることが証明されています。体を動かすことがこれらのがんのリスクをどのように減少させるかははっきりとわかっていないものの、定期的な運動がホルモンのレベルを正常に保つのに役立つことが研究で明らかになっています。ホルモンのレベルが高いと、がんのリスクが高まる可能性があります。
また、体を動かすことは健康的な体重維持にも役立つため、がんのリスクを軽減することにもつながるので一石二鳥です。

がんになる原因その⑤:日焼けや日焼けマシーンの使用

日光にあたることは、皮膚がんに関連があります。 日光露出を制限し、外出しているときは保護服や帽子を着用するのが最善です。 日焼け止めもとても重要で、肌を保護し、皮膚がんを防ぐのに役立ってくれます。夏だけじゃなく露出した皮膚(顔や手など)に日焼け止めを1年中使用するようにしてください。 少なくともSPF 15とUVAとUVBの両方の光を遮る広スペクトルの日焼け止めを選ぶのがおすすめです。

日焼けマシーンの危険性

日焼けした肌は、年齢や人種問わず傷ついてしまって、健康的ではないです(見た目とは違って)。日光ではなくマシーンで日焼けしても、肌はダメージを受け、皮膚がんのリスクが増えます。

2009年、WHOの国際がん研究機関は、クラス1のヒト発がん性物質として日焼けマシーンを認めました。クラス1は最もリスクの高いカテゴリーです。それ以前はは「おそらく人に発がん性がある」という分類でしたが、クラス1になり「おそらく」という文言が削除され、「発がん性がある」という表現になってしまいました。気をつけましょう。

日焼けから肌を守る

日焼けしないよう日光に気をつけることは、皮膚がんを予防する上で重要です。以下のことに気をつけましょう。

・午前11時から午後3時までは日陰で過ごす
・絶対に日焼けしないようにする
・Tシャツ、帽子、サングラスで体を覆う
・子どもが日焼けしないよう気をつける
・SPF(紫外線防御指数)15以上の日焼け止めを使う

また、ほくろやそばかすにも気をつけてください。少しでも変わった場合(たとえば、今までより大きくなったり、出血したりする場合)は、がんの初期症状である可能性があります。皮膚がんは早期に発見されればされるほど治療が容易になるので、病院で診てもらいましょう。

ですが、健康な骨の形成に欠かせないビタミンDを作り出すためには、肌に日光をあてることが必要なことも覚えておいてください。

がんになる原因その⑤:その他

HPVとは?

ヒトパピローマウイルス(HPV)というのは、ウイルスの総称です。

HPVにはさまざまなタイプがあり、それらが引き起こす症状に応じて、危険性の高いウィルスもしくは低いウィルスのどちられかに分けられています。たとえば、HPVの中には、イボやタコができるものがあります。そのほか、子宮頸がんと関わりがあるものもあります。

99%の症例において、子宮頸がんは、危険性の高いHPVに感染した結果、子宮頸がんを発症しています。多くの場合、HPVへの感染には自覚症状がないので女性は特に気をつけておきましょう。

HPVには100種類以上あり、そのうち約40種類が陰部に感染します。

リスクの高いタイプのHPVに感染すると、異常組織の増殖だけでなく、子宮頸がんの発症につながるほかの細胞変異を引き起こすことがあります。
そのほかのタイプのHPVに感染すると以下のリスクがあります。

・生殖器疣贅(要解説):生殖器や肛門部、あるいはその周辺にできる腫瘍もしくは皮膚の変化
・皮膚のいぼもしくはたこ
・膣がんもしくは外陰部がん(ただし、これらはあまりないタイプのがんです)
・肛門がんまたは陰茎のがん
・頭部や頸部のがんの一部
・喉頭乳頭腫(喉頭もしくは声帯のいぼ)

性行為

性行為の健康上のリスクには、妊娠、ヘルペス、クラミジア、性器疣贅(せいきゆうぜい)、淋病(りんびょう)、梅毒(ばいどく)、 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの性感染症 (STI)が含まれます。 肉体的に発達する前に性交をすると、痛いこともあります。

10代のときに性行為を始める女性は、子宮頸がんのリスクが高いなど、健康上の問題が多い傾向があります。

おわりに:がんのリスクを減らしましょう

がんを予防するための確実な方法はありませんが、原因を知ってそのリスクを軽減することはできます。

以下のようなものは、がんのリスクを下げるのに役立ちます。日ごろから気をつけて生活してみましょう。

・健康でバランスの取れた食事を食べる
・健康的な体重を維持する
・体をよく動かす
・飲酒量を減らす
・禁煙する
・日焼けから肌を守る
・自分の体を知る

<ガン検診

この記事に含まれるキーワード

ストレス(359) 痛み(147) 癌(41) 原因(611) がん(94)