出産後も続く背中の痛み、何とかしたい

2017/3/15

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

妊娠中や出産後に背中が痛くなるのは、特別なことではありません。最も一般的な妊娠症状のひとつです。妊娠初期に始まる人もいれば、5カ月頃になって痛くなる人もいます。出産後まで続く人もいれば、さらに痛みが大きくなる人もいます。

原因は何ですか

妊娠すると、リラキシンと呼ばれるホルモンが産出されます。これは骨盤内のがっしりと安定した関節をゆるめて、赤ちゃんが出産中に通過しやすくする働きをします。これは出産に必要なホルモンの重要な作用です。お腹が大きくなり、子宮の重さで重心が前に移動していくと、これらが原因で、背中に大きな負荷が加わり、通常より背中が曲がって筋肉が疲れてしまいます。これがヒリヒリしたり、コリや痛みを感じる原因です。

知っておくべきこと

背中だけでなく、お尻から足まで通した痛みを感じるなら、坐骨神経痛の恐れがあります。そのような時は医師や理学療法士の診断を受けてください。妊娠による背中の痛みを軽減する方法がいくつかあります。強いエクササイズで直そうとしたり、胎児に影響する鎮痛薬などは飲まないでください。

痛み軽減にできるいくつかのこと

・ゆっくりと動く
どんな動作も背中を使っています。背中に神経を使って、動くときはゆっくりと動いてください。
・腰の曲げ方に注意
腰を曲げてする動作、床のものを拾おうとしたり、子どもを抱き上げようとする時は、必ず片膝を曲げてから動作を始めるようにしてください。朝起きて洗面台で顔を洗う時なども、必ず片膝を折って腰を曲げて、洗面台に顔を近づけてください。こうしないと背中と腰に負担がかかります。
・背中を丸めない
座っているときや授乳中などに、背中を丸めないで、背骨を意識して真っ直ぐ伸ばすようにしてください。
・長時間同じ姿勢でいない
少なくとも1時間に1回は立ち上がって歩いたり、ストレッチをしたりしてください。長時間座り続けるのも、立ち続けるのも背中を痛めます。座る時は、背中の安定した肘かけ付きの椅子に深く背中を伸ばして座ります。足はフッドレストなどで少し持ち上げていた方が疲れにくいです。立っている時は、片足を何かの上にのせると、背中の緊張が減ります。
・温かい風呂に入る
きれいに洗った浴槽で、温かいお風呂につかりましょう。ただし、帝王切開で出産した場合は、いつからお風呂につかってもよいか医師にたずねてください。そして背中がマッサージできるように、マッサージシャワーヘッドを使ったり、強いシャワーを当てたりします。
・靴に気をつける
まったく平らなヒールの靴はかえって疲れます。3~4cmまでの低めの靴で、腰と上半身を適切な位置に保ちながら歩いてください。

これらの他にも痛みを軽減する方法はいくつもあります。急に無理な姿勢をしたり力を入れすぎると、さらに悪化につながります。しばらくは動作をゆっくり行うことが大切です。。

おわりに:赤ちゃんを育てるのは重労働

出産まで大事にいたわって過ごしてきた自分の体ですが、お腹が大きくなることで、通常なら使わない筋肉や骨に負担がかかっています。それに加えて、どうしても運動不足になっています。生まれたばかりの赤ちゃんを扱うのは予想外に重労働です。徐々に運動やストレッチを始めて、産後の体のケアに心がけてください。

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