出産後も続く背中の痛み、何とかしたい

2017/3/15 記事改定日: 2019/4/25
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

妊娠中や出産後に背中が痛くなるのは、特別なことではありません。最も一般的な妊娠症状のひとつです。妊娠初期に始まる人もいれば、5カ月頃になって痛くなる人もいます。出産後まで続く方もいますし、産後のほうが痛みがひどくなる方もいます。この記事では、産後の背中の痛みをどうすれば和らげることができるかを紹介します。

原因は何ですか

妊娠すると、リラキシンと呼ばれるホルモンが産出されます。これは骨盤内のがっしりと安定した関節をゆるめて、赤ちゃんが出産中に通過しやすくする働きをします。これは出産に必要なホルモンの重要な働きです。

お腹が大きくなり、子宮の重さで重心が前に移動していくと、これらが原因で背中に大きな負荷が加わり、通常より背中が曲がって筋肉が疲れてしまいます。これがヒリヒリしたり、コリや痛みを感じる原因です。

知っておくべきこと

背中だけでなく、お尻から足まで通した痛みを感じるなら、坐骨神経痛の恐れがあります。そのような時は医師や理学療法士の診断を受けてください。妊娠による背中の痛みを軽減する方法があります。激しいエクササイズで直そうとしたり、胎児に影響する鎮痛薬などは飲まないでください

痛み軽減にできるいくつかのこと

ゆっくりと動く
どんな動作も背中を使っています。背中に神経を使って、動くときはゆっくりと動いてください。
腰の曲げ方に注意
腰を曲げて行う動作、たとえば床のものを拾おうとしたり、子どもを抱き上げようとするときは、必ず片膝を曲げてから動作を始めるようにしてください。朝起きて洗面台で顔を洗うときも必ず片膝を折って腰を曲げて、洗面台に顔を近づけてください。そうすれば、背中と腰への負担が小さくなります。
背中を丸めない
座っているときや授乳中などに、背中を丸めないで、背骨を意識して真っ直ぐ伸ばすようにしてください。
長時間同じ姿勢でいない
少なくとも1時間に1回は立ち上がって歩いたり、ストレッチをしたりしてください。長時間座り続けるのも、立ち続けるのも背中を痛めます。座る時は、背中の安定した肘かけ付きの椅子に深く背中を伸ばして座ります。足はフットレストなどで少し持ち上げていた方が疲れにくいです。立っているときは、片足を何かの上にのせると、背中の緊張が減ります。
温かい風呂に入る
きれいに洗った浴槽で、温かいお風呂につかりましょう。ただし、帝王切開で出産した場合は、いつからお風呂につかってもよいか医師にたずねてください。そして背中がマッサージできるように、マッサージシャワーヘッドを使ったり、強いシャワーを当てたりします。
靴に気をつける
フラットシューズはかえって疲れます。3~4cmまでの低めの靴で、腰と上半身を適切な位置に保ちながら歩いてください。

急に無理な姿勢をしたり、力を入れすぎたりすると症状の悪化につながります。しばらくは動作をゆっくり行うことが大切です。

おわりに:赤ちゃんを育てるのは体に負担がかかります。産後のケアも大切にしましょう。

出産まで大事にいたわって過ごしてきた自分の体ですが、お腹が大きくなることで、通常なら使わない筋肉や骨に負担がかかっています。それに加えて、どうしても運動不足になっています。生まれたばかりの赤ちゃんを扱うのは予想外に重労働です。徐々に運動やストレッチを始めて、産後の体のケアに心がけてください。

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