心配や不安との付き合い方―プレッシャーをうまく利用しよう

2017/3/8

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

大学受験や資格試験、あるいはこれから重要なクライアントとの最終交渉に臨むときなど、プレッシャーや不安からお腹が痛くなったり、手のひらにたくさん汗をかいたり、胸のあたりが苦しくなったりしたことはありませんか?こうした状況が試験や交渉に悪影響を及ぼすんじゃないかと、さらに不安になってしまいがちですが、実はこの心配や不安を利用して望む成果をつかむことができるのです。

心配症とは

人生の中で、誰にでも心配なことが増える時期があると思います。たとえば、試験前に「勉強していないところが出たらどうしよう」と心配したり、就職面接の前に「怖い面接官だったらどうしよう」と不安になったりすることがあります。

心配症の症状

心配や不安を抱え続ける人には、以下のような肉体面、精神面での症状が現れます。

肉体面

心配や不安を感じているとき、体内でアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌されます。そのため、心拍数の上昇や発汗量の増加といった症状に現れます。

そのほかに現れる症状として、以下のようなものがあります。

・過呼吸
・動悸
・胸部の痛み
・頭痛
・食欲の喪失
・めまいを感じる
・トイレが近くなる

精神面

・ときどき不安になったり、落ち着かなくなったりする
・眠れなくて疲労感をおぼえている
・集中できない、そわそわする
・短気になる
・必要以上に警戒心が強くなる
・神経過敏になってリラックスできない
・まわりの人に、頻繁に励ましの言葉を求めようとする
・涙が出る

対処法

こうした心配や不安を感じているときは確かに辛いものです。ただ、このようなプレッシャーのおかげで集中力を高め、パフォーマンスを上げることができます。また、その出来事が終われば心配や不安が消えることがほとんどですので、ほとんどの場合心配には及びません。

ただ、心配症の症状がほかの要因、たとえばパニック障害(突然、激しい恐怖や不安に襲われる)や外傷後ストレス障害(非常に強いストレス、恐怖または悲惨な出来事が原因で引き起こされる不安障害)によって起きている場合は、医師の診察が必要な場合があります。

パニック障害

パニック障害では、激しい恐怖や不安に襲われることのほかに、吐き気や発汗、震え、動悸や激しい鼓動などの発作(パニック発作)に襲われることがあります。パニック発作自体はそれほど危険なものではありませんが、発作が起きた後に以下のような症状がみられたときは、医師の診察を受けてください。

・20分間ゆっくりと呼吸するよう心がけても発作がとまらない
・呼吸が元通りになっても気分が回復しない
・発作の後に、激しい鼓動や動悸、胸部の痛みが残る
・定期的に発作が出る

パニック障害の治療は、心理療法と薬の服用によって行われます。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

PTSDになると、悪夢やフラッシュバックなどでトラウマになった出来事(地震などの自然災害に遭った、性的暴力を受けた、長期間虐待を受けたなど)を何度も思い出し、孤立感や罪悪感を感じたり、神経過敏になったりします。また、不眠症といった睡眠障害があったり、集中しづらくなったりすることもあります。

PTSDはつらい出来事を体験した直後、あるいは数週間から数カ月経ってから発症することがあります。中には、数年後に発生することもあります。PTSDは、つらい出来事を体験した人のうち、3人に1人が発症すると推定されていますが、なぜ残りの2人が発症しないのか、という理由は明らかになっていません。

トラウマになった出来事に遭ってからしばらくの間は、情緒不安定になるのが自然だと思います。ただ、約4週間経ってもこの症状が続いている場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。必要に応じて、医師はメンタルケアの専門医を紹介し、適切な診察と治療をしてもらうよう勧めることがあります。

おわりに

いかがでしたか?心配や不安があるときはなかなか気持ちが落ち着きませんが、結果を出すために、こうした気持ちをうまく利用していきましょう。ただ、心配や不安があまりにも長く続いたり、パニック障害やPTSDといった症状になっているように感じたら、医師の診察を受けてください。

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