記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/6/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ビタミンとは、人体の機能を正常に保つために必要な有機化合物です。ビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに大きく分類することができ、そこからさらに種類が分かれ、それぞれ共通した特徴と違った特徴があります。この記事では、ビタミンの種類別の特徴について解説していきます。
脂溶性ビタミンは、生命活動に必要な毎日消費されるビタミンですが、肝臓や脂肪組織に貯蔵されるため毎日摂取しなければいけないわけではありません。また、過剰摂取すると体内に蓄積され、過剰症を引き起こすことがあります。脂溶性ビタミンには、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKがあります。熱に強く、空気にさらされても劣化しにくい特徴があり、油を使った料理をすることで効率よく摂取できます。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保ち、目の機能保持・抵抗力の保持にも関わるビタミンです。細胞の成長・維持にも関わり、体の成長や胎児の成長にも関わっています。なお、ビタミンAは、前駆体であるプロビタミンA(主にβカロテン。その他αカロテン・βクリプトキサンチンなど)を摂取することでも補うことができます。
ビタミンDは、カルシウム吸収を促進させることで、骨・歯・筋肉を健康に保ちます。また、体内のカルシウム量を調整することで、神経伝達・筋肉収縮などを正常に行うことを助ける作用があります。なお、ビタミンDは、日光(紫外線)を浴びることで体内生成が可能です。ビタミンDは、適度に日光を浴びることで不足しにくくなるため、日照時間の少ない冬には、食品からのビタミンD摂取を意識することをおすすめします。
ビタミンEには抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を防ぎ、細胞膜の機能を正常に保つ作用があるといわれています。また、老化防止・代謝促進・免疫機能の維持にも関わり、動脈硬化などの生活習慣病の予防や肌トラブルの予防にも役立つといわれています。
ビタミンKは、血液凝固に関わるビタミンであり、カルシウムを骨に沈着させ骨の形成を促す作用もあります。骨密度の向上など、骨粗しょう症の予防のために積極的にとりたいビタミンですが、血液凝固薬の作用を阻害することがあるため、服薬している人は注意が必要です。
水溶性ビタミンは体内に保存できないため、頻繁に摂取する必要があります。なお、水溶性ビタミンは、脂溶性ビタミンのように体内に蓄積されず、不要な分は排尿時に体外に排出されます。水溶性ビタミンは、ビタミンCとビタミンB群に大きく分けられ、脂溶性ビタミンとは異なり、熱に弱く、空気にさらされると劣化しやすく、水に溶けて流出することもあります。そのため、料理するときは手早く洗い、なるべく加熱せず食べることで効率よく摂取できます。加熱調理するときは、スープのように茹で汁ごと食べる料理がおすすめです。
ビタミンCは、アスコルビン酸とも呼ばれる抗酸化作用があるビタミンです。骨・皮膚・血管などの健康を維持することに役立ち、傷の再生・免疫機能の維持・疲労回復・ストレス緩和・シミ予防・日焼け防止にも関わっていると考えられています。不安定な成分のため劣化しやすく、積極的に摂取しないと失われやすいともいわれています。喫煙者やストレスが多い人、妊娠中・授乳中の人は特に不足しやすいため、積極的な摂取が推奨されます。
ビタミンB群には、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンがあり、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わり、エネルギー代謝の補酵素として使われます。
ビタミンB1はチアミンともいい、糖質をエネルギーに変えるときに解糖系・クエン酸回路の一部として作用します。また、体の機能が円滑に働くように作用したり、細胞や血液の材料になることもあります。疲労の回復や神経の機能維持を助ける作用があるといわれています。
ビタミンB2はリボフラビンともいい、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わり、エネルギー生成の補酵素として作用します。ビタミンB2は、特に脂質代謝に深く関わり、発育の促進や皮膚・粘膜・髪・爪などの再生を促すことに役立ちます。
ビタミンB6は、たんぱく質の分解を助ける役割があり、アミノ酸を代謝するときに補酵素として働きます。その他にも、ヘモグロビンの合成・免疫機能の維持・神経伝達物質の合成・脂質代謝・エストロゲンの代謝など、さまざまな作用に関わっています。
ビタミンB12はコバラミンともいい、アミノ酸・核酸・葉酸の代謝に補酵素として関わっています。また、赤血球の産生・神経の機能維持をはじめ、体内のさまざま機能にも関係していて、不足すると貧血・神経障害など、さまざまな不調を引き起こすことがあります。なお、ビタミンB12は植物性食品からほとんど摂取できないとされていることから菜食主義者の人は不足しやすく、慢性胃炎・萎縮性胃炎・高齢者の人は、吸収率が低下するため不足しやすくなります。
ナイアシンは脱水素酵素の補酵素として働き、糖質・脂質・タンパク質の代謝やアルコールの代謝、エネルギーの産生に関わっています。また、皮膚や粘膜の健康を保ち、脳神経の機能を維持することにも関係しています。ナイアシンは、動物性食品ではニコチンアミド、植物性食品ではニコチン酸のかたちで存在し小腸で吸収され、体内でトリプトファンから合成することもできます。
パントテン酸は脂質・糖質の代謝に深く関わっている、エネルギー代謝に必要不可欠なビタミンです。また、HDLコレステロールの増加や副腎皮質ホルモンの合成、免疫抗体の合成にも関わっています。
葉酸には、赤血球の生成を助け、核酸(DNA・RNAなど)やたんぱく質の合成を促進する作用があります。細胞の生産・再生や体の発育に関わるため、妊娠中には特に摂取がすすめられるビタミンです。また、動脈硬化の予防や、貧血・神経症状(しびれ・味覚異常・腱反射など)の回復に関わっているとも考えられています。
ビオチンは糖代謝・アミノ酸代謝・脂肪酸の生合成の補酵素として働き、エネルギー代謝に関わっています。免疫機能の維持やコラーゲンの生成にも関わっていて、皮膚・粘膜・爪・髪の健康の維持に役立つといわれています。
ビタミンは生命活動に必要な栄養で、中には重要な働きを担うものもあります。例えば、疲労回復に役立つビタミンB群や妊娠中にすすめられる葉酸、美容に役立つビタミンCなど、個人個人で意識して摂るようにしているビタミンがかもしれません。しかし、さまざまな栄養はそれぞれ相互に関わりながら作用しているため、不足しないように補うことは問題ありませんが、特定の栄養・特定の食品を極端に偏って摂ることはおすすめできません。たくさんの食品をバランスよく摂ることを心がけるようにし、不安がある場合は医師・栄養士などに相談することをおすすめします。