ビタミンの種類別の特徴の違いとは?摂り方のコツも違うの?

2017/8/14 記事改定日: 2019/5/15
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ビタミンは、身体がきちんと働くために必要な必須栄養素です。 ほとんどの人は、バランスの取れた食事から必要な栄養素をすべて得る必要があります。 今回は、健康に必要なビタミンについて解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ビタミンにはどんな種類があるの?

ビタミンには、脂溶性と水溶性の2種類があります。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは、植物油のような脂肪分が多い食品や、牛乳や乳製品、卵、肝臓、油性魚、バターのような動物性食品に主に見られます。

脂溶性ビタミンは体の正常な活動のために毎日消費されるビタミンですが、必ず毎日食べなければいけないわけではありません。これは肝臓や脂肪組織に脂溶性ビタミンが貯蔵されているからです。

ただ、必要以上に脂溶性ビタミンを貯蔵していると、悪影響が出ることもあるので注意しましょう。

脂溶性ビタミンにはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあります。

ビタミンA

ビタミンAは、視力の発達、細胞の成長および維持に関連した栄養素です。
以下の食品はビタミンAの供給源です。

  • 肝臓などの臓物
  • サツマイモ、カボチャ、ニンジン、ホウレンソウ、マスクメロン、

ビタミンD

ビタミンDは、骨、歯、筋肉を健康に保つために必要な栄養素で、体内のカルシウム量の調節と、体内のリン酸処理を助けます。ビタミンDが不足すると、骨のさまざまな異常を引き起こす可能性があります。

子供はくる病、大人は骨軟化症により、骨に痛みが現れ脆くなる危険性があるので注意しましょう。

ビタミンDは、太陽の光が皮膚に当たると、皮膚の下でビタミンDが生成されます。このため、太陽の光を浴びやすい4月上旬から9月下旬にかけては、ビタミンDが生成しやすい時期ということです。
ただ、10月から3月は太陽光からビタミンDを得ることが難しくなります。種類は少ないですが、ビタミンDは食べ物から摂ることもできますので、積極的に食べるようにしましょう。

  • 油分の多い魚(鮭、イワシ、ニシン、サバなど)
  • 赤身の肉
  • レバー
  • 卵の黄身

また、ビタミンDは栄養補助食品(サプリメント)からも摂取できます。
妊娠中、授乳中の女性を含む全ての人が、一日に10mcgのビタミンDを摂取できるようなサプリメントを飲むことが推奨されます。

ビタミンE

ビタミンEは、肌と目の健康維持に役立ち、病気や感染に対する身体の自然防御力(免疫システム)を高めます。ビタミンEは、上記の食物に多く含まれます。

  • 大豆やオリーブオイルなどの植物油
  • ナッツとシード
  • シリアルやシリアル製品に含まれている小麦胚芽

1日に必要とされるビタミンEの量は、男性は4mg、女性は3mgです。 ビタミンEは食事だけで必要量を摂取することができます。 また、今すぐ必要でないビタミンEは、将来使えるように体内に蓄積されるので、毎日摂取する必要はありません。

ビタミンK

ビタミンKには、血液を固まらせる働きをサポートし、カルシウムの骨への沈着を促す作用があります。ビタミンDは以下の食品に多く含まれます。

  • 緑色野菜
  • 海藻
  • 納豆などの発酵食品
  • 肉類
  • 乳製品

1日に必要とされるビタミンKの量は、成人で150㎍です。ただし、脳梗塞や心房細動などの治療に用いられるワーファリンはビタミンK摂取すると効果が低下するため、ビタミンKの摂取が制限されます。ワーファリンを内服中の人は医師の指示通り、食事に注意するようにしましょう。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンは体内に保存できないので、頻繁に摂取する必要があります。不要な水溶性ビタミンは、排尿時に体外に排出されます。水溶性ビタミンは身体に貯蔵できず、一般的に有害にはなりません。だからといって、大量に摂取しても絶対に安全だという確証があるわけではないので注意しましょう。

水溶性ビタミンは、果物、野菜、ジャガイモ、穀類、牛乳、乳製品など、多くの食品に含まれています。脂溶性ビタミンとは異なり、熱や空気にさらされると破壊される可能性があり、調理で使う水に溶け出すこともあります。

つまり、食品を料理する、特に茹でると、水溶性ビタミンが失われるということです。水溶性ビタミンを効率よく摂取するには、食品を茹でるのではなく、蒸すか焼く、またはスープやシチューにすることをおすすめします。
水溶性ビタミンにはビタミンC、ビタミンB群、葉酸があります。

ビタミンC

ビタミンCは、アスコルビン酸としても知られています。細胞を保護し、肌、血管、骨、軟骨などの健康を保ち、創傷治癒に作用するなど、重要な役割を担っています。ビタミンCが多く含まれているものは、以下のとおりです。

  • オレンジとオレンジ・ジュース
  • ピーマンと赤ピーマン 、ストロベリー、ブロッコリー、芽キャベツ、じゃがいも

また、成人(19-64歳)は1日あたりビタミンC40mgが必要です。
ビタミンCは多くの食材に含まれているので、毎日の食事から必要な量のビタミンCを摂取することができます。

ビタミンB群

ビタミンB群のほとんどが、食事から摂取することができます。ビタミンB群には以下のような種類があります。

  • チアミン(ビタミンB1)
  • リボフラビン(ビタミンB2)
  • ナイアシン(ビタミンB3)
  • パントテン酸
  • ビタミンB6
  • ビオチン(ビタミンB7)
  • ビタミンB12

葉酸

葉酸は、天然の形態では葉酸塩として存在しています。健康な赤血球の生成や、胎児の二分脊椎などの中央神経管の異常のリスクを減らすことに役立ちます。また、葉酸不足は、葉酸欠乏性貧血の原因となります。
葉酸は以下のように多くの食べ物に少量に含まれています。

  • ブロッコリー、スプラウト、アスパラガス、
  • 豆類
  • レバー(妊娠中は避けたほうがよい)

毎日の食事から必要な量を摂取できるので、食事から摂取するのがよいでしょう。 妊婦や妊娠しようとしている女性は、避妊をやめたときから妊娠第12週目まで、葉酸サプリメントを毎日摂ることが推奨されています。

おわりに:ビタミンはできるだけ食事から摂取しよう

ビタミンは身体を健康に保つために必須の栄養素です。そして、そのほとんどが食事から摂取できます。バランスの取れた食事を心がけ、足りない分はサプリメントで補うようにすると良いでしょう。

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