不妊症の原因は男女両方にある!?不妊解消のために心がけることとは

2017/9/10 記事改定日: 2018/7/25
記事改定回数:2回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

子供をさずかるために妊娠活動に取り組んでいるにもかかわらず、1年以上妊娠が起きないことを不妊症といいます。ここでは女性の不妊原因の主だったものを取り上げながら、妊娠確率を上げるための対策を解説していきます。

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女性の不妊症の原因にはどんなものがあるの?

妊娠を妨げる要因は様々あります。そのひとつが当てはまるからといって、不妊症の原因に直接結びつくとは限りませんが、考えうる要因を把握し、必要に応じて改善していくことはとても重要です。
なかでも、月経困難(月経痛がひどく生活に支障をきたす場合)、不規則な月経、35歳以上の妊娠・出産、子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患、癌治療後のいずれかが該当する場合は、不妊症検査を受けるようにしましょう。

また、生活習慣が不規則になっていないか今一度見直してみてください。喫煙や飲酒、ストレス、薬の過剰な服用などが悪影響をおよぼす場合があります。痩せすぎ・太りすぎも妊娠においては好ましくありません。適度な食事や運動を行い、バランスのとれた健康的なライフスタイルを実現させましょう。

上述以外にも、女性の不妊の要因として次のようなものがあげられます。

排卵

卵子が精子と結合するために卵巣から移動し、妊娠が始まる過程です。女性の中には毎月排卵しない人もいるので、その場合、妊娠は難しくなる傾向があります。

生殖器系(卵管、子宮頸部、子宮、卵巣)の問題

卵管の閉塞、腫瘍による卵管や子宮の強い圧迫、子宮内術後の瘢痕化、チョコレート嚢腫(子宮内膜症による卵巣腫瘍)などの卵巣腫瘍などが含まれます。
また、子宮内膜症(子宮組織が子宮の外側で増殖、炎症と癒着を引き起こす)および多囊胞性卵巣症候群(ホルモンの乱れを引き起こす)などが原因になることもあります。

早期閉経発症

これは40歳までに起こるもので、免疫系疾患、がん治療、または遺伝に関係している可能性があります。

二次性徴の遅れまたは月経不順

月経の乱れは不妊症に影響します。

年齢

年齢が上昇するごとに、自然妊娠する確率は低下することがわかっています。不妊の頻度は20代では10%未満ですが、30歳から不妊症は増加し、35歳以上では20%以上の人が不妊症であるとの報告もあります。
女性は年齢が上がると、子宮や卵巣の病気が起こりやすくなり、卵管の狭窄や子宮筋腫など、妊娠の妨げになる器質的な変化が起こります。
また、正常な排卵や卵子の成熟を行う卵巣の機能は年齢が上がるごとに悪くなり、子宮や卵巣に器質的な異常がなくても妊娠しづらくなるのです。

持病

糖尿病、自己免疫疾患などは、妊娠を困難にする可能性があります。

性感染症が不妊の原因になるの?

クラミジアや淋病などの性感染症は、腟や外陰部だけでなく、子宮や卵巣、卵管にも波及し、炎症が生じます。適切な治療を行わずに放置してしまうと、慢性的な炎症が続き、卵管の癒着や子宮内膜症を引き起こします。これらは、正常な排卵や卵子の移動を妨げ、不妊の原因になることがあります。

男性不妊の原因 ― 男性側や男女両方に不妊の原因があることも!?

不妊は女性だけが原因ではなく、男性側のみに原因がある場合や男女ともに原因がある場合もあります。
女性側のみに原因があるのは全体の約40%で、男性のみは25%、男女両方の場合も25%といわれています。このように、男性も原因となる不妊は全体の半数を占めるのです。

ですから、女性だけが不妊の検査や治療をしてもうまくいかないことが多いといわれています。不妊症の解決には夫婦両方が検査を受けて、適切な治療につなげることが必要です。

男性不妊の原因

男性不妊には多岐にわたる原因がありますが、多くは精子を作る機能が低下し、精子の数が少なかったり、正常な運動をする精子が作られないことが原因となります。腟内で射精された精子は、子宮内を泳ぐように移動して卵管に到達し、そこで卵子と受精します。このため、精子の数が少なく、運動能力が低下している状態では卵子まで到達できる精子が少なくなり、結果として不妊につながるのです。
また、その他には精子の通り道である精管が詰まっていたり、精索静脈瘤が原因で精子が正常に形成されないなど、器質的な病気が背景にあることもあります。

セックスレスではありませんか?

自然な妊娠は性交渉(セックス)をもって、女性の腟内で射精が行われることが必要です。卵子は月に一度しか排卵されず、寿命は約24時間といわれています。このため、排卵した前後の短い時間に精子が到達しなければ妊娠することはありません。
女性の性周期は機械のように正確ではなく、数日の範囲でズレることもあります。ですから、排卵日を自分で予想してその日だけセックスをしても上手く受精できるとは限らないのです。
妊娠するためには定期的なセックスが必要であり、セックスレスは不妊の重大な原因の一つとなります。

不妊治療ではどんな治療をするの?

必要な応じて、排卵を促したり卵を増やすために卵巣を刺激する薬を服用する場合があります。
この薬は、排卵障害のある場合や月経周期に乱れがあってタイミングが取りづらい場合、体外受精のために多くの卵を育てる必要のある場合などに用いられます。
また、女性に対する非外科的治療のひとつに、人工授精(AIH)と呼ばれ、排卵の時期に女性の子宮に健康な精子を注入する治療法があります。

人工授精でも妊娠しない場合は体外授精などの高度生殖医療(ART)を行います。ただし、この治療は卵子を女性から取り出し精子と受精させ子宮に戻すため、高い技術力が必要です。

検査で異常なしの場合は「タイミング療法」から始めることも

不妊の約10%は原因不明といわれており、夫婦で不妊検査を行っても、双方ともに異常がないことがあります
このような場合には、不妊治療としてまず初めにタイミング療法が行われます。
タイミング療法とは、基礎体温と卵巣のエコー検査で排卵の日を予測し、その日の前後にセックスをするように指導する方法です。
妊娠には、受精のために適したタイミングでセックスをする必要がありますので、そのタイミングを医学的に判断して自然妊娠を促していきます。

ブライダルチェックは必要?

ブライダルチェックとは、結婚前に夫婦となる男女に不妊の原因がないかを調べる検査のことです。女性では、卵巣や子宮の状態をチェックし、クラミジアなどの性感染症に感染していないかを調べ、男性では精液検査で精子の状態や性感染症をチェックするのが一般的です。
ブライダルチェックは必ずしも必要なものではありませんが、不妊治療は早く始めるほど高い妊娠率が期待できます。晩婚化が進む現在では、結婚後に妊娠を望む場合、速やかに治療を行えるようにブライダルチェックを行うことが推奨されています。

生活習慣の改善で不妊を解消できる?

肥満は男女ともに不妊症のリスクを高めることがわかっています。
不妊症を改善するためには、適度な運動習慣や食事の改善などを行うことが必要です。特に食生活では、良質なタンパク質やビタミン類、鉄、亜鉛、葉酸、カルシウムなどの栄養素を十分に取り入れたメニューを選ぶようにしましょう。
また、喫煙や過度なアルコール摂取が不妊の原因となることもあるので、禁煙や適量の飲酒を心がけるようにしましょう。

おわりに:不妊の原因は男女ともにある場合も。原因を調べるとともに気長な取り組みも大切

不妊治療は感情を疲弊させ、ときには夫婦の関係、個人の感情にストレスをあたえます。また、ホルモンと卵刺激薬による不妊治療は、身心ともに影響を与えることも少なくありません。悩みを抱え込んでしまうと夫婦の間に亀裂が入ることになりかねません。少しでも不安がある場合はすぐに医師に相談し、アドバイスをもらいましょう。
妊娠活動は夫婦共同で行うものです。
そして、不妊の原因は女性だけでなく男性にある可能性もあります。生活習慣を改善しながら、自分や相手を責めたりせず気長に取り組むように心がけてくださいね。

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