閉経の症状と前兆にはどんなものがある?病気との見分け方は?

2017/7/2 記事改定日: 2018/6/25
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

更年期が何歳から始まり、どのくらいの期間続くのかというのは決まっているわけではありません。しかし、すべての女性に閉経は訪れ、そして身体や精神に起こるさまざまな症状を経験することになります。
ここでは閉経の前兆や症状、間違えやすい病気についてわかりやすくまとめています。

閉経の症状にはどんなものがある?

閉経をむかえた女性の多くは以下のような症状を経験します。

月経周期の変化

これは閉経の最初の徴候のひとつです。月経のない月があったり、間隔が狭くなることがあります。月経量はいつもよりも軽いか、重い場合もあります。

ほてり

ほてりは、閉経の最も一般的な症状です。ほてりがあると、胸から頭まで温かく、波をうけるような感覚の場合があります。肌は赤くなり、汗をかくことがあります。胃の不快感やめまいを感じるかもしれませんし、頭痛があり、心臓の鼓動が非常に速くて激しいように感じるかもしれません。
また、アルコールが顔面紅潮を引き起こす可能性がありますから、閉経が進行している女性はアルコールを避けるか制限したほうがよいでしょう。

腟の乾燥

閉経中および閉経後に、腟および外陰部の皮膚(腟周囲の領域)が薄くなります。 腟も、性的興奮の間に潤い(濡れ)を生み出す能力を失います。これらの変化は性交中の痛みにつながる可能性があります。性的苦痛を少なくするために、腟領域のための市販の性的潤滑油(KYゼリーなど)、または保湿剤を使用しましょう。

排尿のトラブル

閉経中および閉経後に、膀胱および尿路感染症を発症する可能性がより高くなります。頻繁にトイレに行ったり、急な尿意や排尿時に灼熱感がある、尿を出すことができなくなったなどの場合は、医師に相談してください。

頭痛、夜間の汗、睡眠障害、疲労などの症状

閉経を経験している時、眠りに落ちるのに苦労したり、レム(REM)睡眠(夢を見ている睡眠の段階)を十分に得られないことがあります。このことで疲れやストレスを感じるかもしれません。また、夜の汗で目を覚ましてしまうこともあります。

体重の増加

多くの女性が閉経時に体重を増やします。健康的な食事と週の何日かの運動は、健康を保つのに役立ちます。

感情面の症状

多くの女性が感情的な面での症状を経験します。これらの症状には悲しみ、不安、気分の変化が含まれます。症状が重篤になることもありますから、感情的な問題を抱えていることがわかったら、かかりつけ医に相談しましょう。

閉経の兆候リスト ― チェックしてみよう

閉経の時期はおおよそ50歳前後と言われていますが、個人差があり前もって予測することは困難です。このため、閉経の兆候を見逃さないようにしましょう。
閉経の兆候としては次のようなものが現れます。

  • 月経の間隔が徐々に長くなる
  • 月経の日数が短くなる
  • 経血の色に変化が生じる
  • 経血量が少ない時や多い時があり、不規則である
  • 月経前症候群による症状が軽くなった

閉経後に注意した方がいい病気などのリスクとは

以下の症状がある場合は、医師に相談してください。

  • 重い出血
  • いつもより長く続く出血
  • 3週間ごとより頻繁に出血
  • 性交後の出血
  • 月経の間での任意の出血

また、閉経をむかえると、下記の病気のリスクが上がります。

骨粗鬆症

年齢を重ねるごとに、女性の骨粗しょう症リスクは高まります。閉経を迎えると、リスクはさらに大きくなり、同時に骨折リスクも高くなります。
閉経中にエストロゲンレベルが低下すると、体が再生するよりも多くの骨が失われます。 これが骨を弱くし、壊す可能性を高めます。骨を強く保つためには、体に十分なカルシウムとビタミンDを摂取することが重要です。
サケやマグロのような脂肪の多い魚は、ビタミンDの良い供給源です。

心臓病

閉経後に心臓病を発症する可能性が高くなります。エストロゲン値の低下は、女性が年齢を重ねるにつれて、より一般的である他の健康問題に加えて、心臓病発症の原因になりえます。
また、体重が増えて活動量が少なくなると、高血圧や糖尿病を発症するようになります。これらの健康問題のリスクを軽減するには、さまざまな健康的な食品、栄養豊富な食品を食べ、積極的に適切な体重を維持してください。

閉経の症状と間違えやすい病気とは

閉経によって女性ホルモンのバランスが大きく変化すると、様々な症状が現れます。
このため、50歳前後で何らかの不調がある人は「更年期によるもの」と自己判断し、隠された重大な病気に気づかないことも少なくありません。

閉経による症状と間違えやすい病気で最も注意したいのは子宮がんです。子宮がんでは不正出血が生じますが、ダラダラと少量の出血が生じるため、女性ホルモンバランスの変化による不正出血と間違われることがあります。
また、脳下垂体の腫瘍などによって正常に卵巣刺激ホルモンが分泌されないと女性ホルモンの分泌量が減少し、閉経に似た症状を引き起こすことがあります。
長く続く不正出血や突然閉経が生じた場合には、婦人科での検査を受けるようにしましょう。
また、中には閉経だと思っていたところ、妊娠していたというケースもあるので注意が必要です。

おわりに:誰もが経験することですが、自分の症状には注意しておきましょう

閉経をむかえる間に、女性はさまざまな体や感情の変化を経験します。
すべての女性が経験することですし、不安に感じることはないですが、どのような症状が出ることがあると知っておくに越したことはありません。
あまり不安になる必要はありませんが、病気を見逃さないために医師に相談した方がいい状態についても、念のため理解しておきましょう。

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