腰痛の治し方 〜 ストレッチや筋トレ、ツボ押しなど効果的な方法を紹介 〜

2017/6/30 記事改定日: 2018/3/28
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

長時間のデスクワークや力仕事など、さまざまなきっかけで多くの人が発症している「腰痛」。だるくて重い痛みが毎日続き、憂鬱な日々をお過ごしな方もかなり多いでしょうが、実はほとんどの腰痛が自分で治療可能ってご存知でしたか?ということで今回は、腰痛の効果的な治し方についてご紹介していきます!

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腰痛の治し方:①温めるor冷やす

腰痛の経過は、「急性期」と「慢性期」に分けられます。大まかに言えば、腰痛が起こってから2〜3日までは急性期、それ以降は慢性期と定義されます。

急性期か慢性期かによって、温めるべきか冷やすべきかは違っていきます。急性期の間は痛みや熱感などの炎症を極力抑えることが大切なため、患部を冷やす処置が有効です。しかし、慢性期になると炎症反応自体はおさまってきているため、冷やして血行を抑制する必要はありません。むしろ、患部の血行を促進させて代謝を良くすることで、組織の回復を早めることが重要なのです。つまり、慢性期には温める処置が有効となります。

腰痛の治し方:②ストレッチ

腰痛の最も効果的な治療法は「できる限り普段どおり体を動かすこと」です。以前は、ベッドで横になるのが腰痛には効果的と考えられていましたが、今では体を動かしたほうが早い状態の回復が見込めるとされています。腰痛を悪化させるような激しい動きは控えるべきですが、「腰痛が恐いから体を動さない」というのはやめましょう。最初は難しいかもしれませんが、体を動かすのに慣れていくうちに、痛みが改善し始めます。

そこでまずおすすめなのが、ストレッチです。自宅でも職場でも手軽に行える、簡単なストレッチをご紹介します。

1.立った状態で足を肩幅より少し広めに開く(肩の力は抜き、膝を伸ばした状態で)
2.両手をお尻にあて、指は下向きに揃える
3.上半身をゆっくりと反らしながら息を吐く。反らしたところで3秒ほどキープし、ゆっくり戻す
(このストレッチを1日10回程度行ってください)

腰痛の治し方:③筋トレ

腹筋や背中など、腰周辺の筋肉がうまく使えていないと腰痛が起こりやすくなります。日頃から下記の筋トレを実践しておくのもおすすめです。

腹筋

1.仰向けに寝て、頭の後ろで手を組む。足は上げ、膝と股関節を90°に曲げる
2.肩を床につけたままの状態で腰をひねり、両足を右の床の方へ倒す
3.1のポーズに戻り、今度は反対側へ足を倒す
(1日10回を2〜3セットを目標に行ってください)

体幹の筋トレ

1.床に四つん這いになり、両足を腰幅に開き、両手は肩の真下におく
2.足と背中と腕が一直線になるように意識しながら、右手を前に伸ばし、左足を後方へ伸ばす。そのまま30秒キープする
3.次は左手を前に伸ばし、右足を後方へ伸ばす
(1日3セットを目標に行ってください)

腰痛の治し方:④薬

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、腰痛を和らげるのに効果的な鎮痛薬です。ドラッグストアでも、さまざまな種類のNSAIDsを購入できます。

ただし、NSAIDsは誰にでも適合するわけではありません。初めて服用するときは必ず説明書きをよく読み、不明点は薬剤師に相談してください。

NSAIDsを服用できない場合は、コデインの服用でも腰痛を緩和することができます。ただし、コデインは強力な鎮痛作用があり、長期間使用すると中毒を引き起こす可能性があるため、服用は数日間のみが望ましいです。

なお、パラセタモールは単独では腰痛にはおすすめしませんが、コデインなどのより強力な鎮痛薬との併用で、腰痛治療に用いられることがあります。

腰痛の治し方:⑤湿布、風呂

熱いお風呂に浸かったり、温湿布や湯たんぽで温めたりすると、腰痛が改善することがあります。

また、冷湿布や保冷剤を腰に当てて冷やすのも、短期的に効果が得られる治療法です。ただし、冷やす際は風邪を予防するために、氷が直接肌につかないようにしてください。保冷剤はタオルで包んで使用するようにしましょう。

別の腰痛治療法として、保冷剤と温湿布両方を使って、温めと冷やす作業を交互に行うのもおすすめです。温湿布と冷湿布はドラッグストアで購入できます。

腰痛の治し方:⑥リラックス

腰痛の心配をしすぎるとストレスで筋肉が緊張し、腰痛が悪化してしまうことがあります。腰痛を緩和するには、リラックスすることがとても大切です。症状に関して楽観的でいたほうが痛みは和らぐはずです。

腰痛の治し方:⑦ツボ押し

腰痛には、下記のツボが効くと考えられています。

腎兪(じんゆ)・志室(ししつ)・命門(めいもん)

いずれも腰にあるツボです。腎機能を活発化させ、体力を向上させる効果があるとされます。命門はおへその真後ろ、腎兪は命門から左右へ指2本分離れたところ、志室は命門から左右へ指4本分離れたところにあります。

まず腎兪に親指を当て、20〜30回程度揉み、志室も同じふうに揉みます。命門は、両手を重ねて中指の先を当て、20〜30回程度揉んでください。

腰腿点(ようたいてん)

手の甲の人差し指と中指、薬指と小指の骨の分かれ目の中央にあるツボです。親指と人差し指を当て、押し揉むようにして1日に何回か刺激してみてください。

おわりに:「腰痛だから動かない」はNG!

一昔前の腰痛治療では、家で安静にするように指示されていたそうですが、現在は一転、適度な運動が腰痛治療には効果的とされています。ご紹介したセルフケアはいずれも腰痛に有効なものばかりなので、組み合わせて実践することで驚くほど痛みが楽になるかもしれません。ぜひお試しを!

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