記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
急に腕が上がらなくなった! 腕を動かすだけで痛い! 理由を考えても思い当たる節がない……。
これは、男性よりも女性に多いといわれている五十肩の症状です。通常、突然腕が動かなくなったりします。
ここでは、2回に分けて、五十肩について原因や症状をまとめました。
今回の記事では、五十肩とは何かについてまとめています。
五十肩(癒着性関節包炎)は、肩の強いこりや痛みで、動きの範囲が制限されることをいいます。これは、体の負傷や肩や背中への継続的な負荷のほかに、糖尿病や発作、病気の影響などが原因で起こる可能性もあります。
病名としては、癒着性関節包炎または肩拘縮とも呼ばれます。
五十肩の症状は、関節の周りの組織がこわばることで、肩を動かすことが困難になり痛みを伴うようになることです。
この症状は、何か月または何年もかけてだんだんと悪化する傾向にあり、はじめの2~9か月の間に(ときに深刻な)肩の痛みを感じ、その後肩こりが進んでいくのが一般的とされます。
肩のこりと痛みは、日常活動に大きな支障をきたすことがあります。ひどい場合は、肩をまったく動かせないような状態に陥るケースも少なくありません。
肩の状態は、通常は時間の経過とともによくなりますが、これには何年もかかることがあります。
症状はたいていゆっくりと発生し、1年またはそれ以上の時間をかけてゆっくりとなくなっていきます。
五十肩は、痛みや負傷、糖尿病や発作などの慢性の健康障害のために、普通に関節を使わなくなった結果起こります。
この症状は、被膜と呼ばれている、肩関節をとりまく柔軟な組織が炎症を起こし、腫れることによって起こります。なぜこのようなことが起こるのかは、まだ完全に解明されていません。
また、次のようなことがあると、五十肩になる危険性が高まるといわれています。
・過去にあった肩の負傷や肩の手術
・糖尿病
・腫れた組織の小さな塊が手や指で生成される症状
・心臓病や心臓発作など、その他の健康状態の悪化
五十肩になる人の大半は40~60歳で、男性よりも女性に多く見受けられ、肩のこりや痛みなどの問題を放置し、関節の全可動域を使わないでいると、五十肩へとつながる可能性が高まるとされます。
日常生活で、動きが制限されるようなしつこい肩の痛みがあれば、医師のもとへ行くことをおすすめします。
五十肩は、早く診断されればされるほど、痛みやこりなどの症状の進行を防ぎ、症状が改善されやすくなります。
優しく連続的に行う肩関節の可動域の訓練やストレッチや肩の運動は、手術や負傷後の五十肩を防止が期待できる方法として取り入れられることが多いです。
しかし、一部の五十肩の原因はまだ専門家によって明らかにされていない部分も多く、これらの方法では防ぐことはできない可能性があります。
五十肩になったら、辛抱強く医師の指示に従いましょう。適切な治療を施すことで、ほとんどの五十肩は時間とともによくなっていきます。
次の記事では、五十肩の診断、治療や検査について詳しくみていきます。
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五十肩の治療ってどうするの?