肺炎球菌感染症のリスクが高い「免疫力」が低い人のための予防方法

2017/7/13

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

肺炎球菌感染症は肺炎球菌という細菌によって引き起こされる感染症であり、よく知られているものとしては、肺炎があります。免疫力が低下している人ほど感染・発症しやすく、高齢者や幼児をはじめ、病気などで免疫機能に問題がある人は特に注意したほうがいいでしょう。
この記事では、肺炎球菌感染症の予防法と特に注意が必要な人の特徴をまとめました。

肺炎球菌感染症とは?

肺炎球菌という細菌によって引き起こされる感染症です。気道に住みついた肺炎球菌は、くしゃみや咳をしたときの飛沫(ひまつ:しぶきのこと)を通じて感染することがあります。高齢者の約3~5%は、鼻や喉の奥に菌が常在しているとされています。免疫が正常に働いているときは感染症はほとんど発症しないとされますが、免疫力の低下など何らかのきっかけによる肺炎球菌が体内に侵入すると、気管支炎や肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。肺炎球菌は肺炎を起こす病原菌の中でも特に病原性が強く、発症の多くは肺炎球菌によって引き起こされているものといわれています。

主な症状

代表的に見られる症状として以下のものがあります。
・38度以上の高温
・寒気
・汗
・ずきずきするような痛み
・頭痛
・全体的に気分が優れない

特に、3日間以上高熱が続く、吐血、急速な呼吸(毎分30回以上の呼吸)または胸の痛み、無気力感や混乱することがある、息切・呼吸困難が起きる・・・といった症状がある場合は直ちに医師に相談してください。

肺炎球菌感染症の効果的な予防法とは

ここでは、肺炎球菌感染症の予防法について見ていきましょう。

肺炎球菌ワクチン接種

医療機関で受けられる肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌感染の予防に非常に効果的です。肺炎球菌ワクチンには、小児用の肺炎球菌ワクチン、成人用の肺炎球菌多糖体ワクチンの2種類があります。注射したところに痛みや炎症が起こることがありますが、3日以上続くことはほとんどないとされていますが、まれに軽度の発熱が起こる場合があります。しかし、発熱があった場合もすぐにおさまるケースが多いです。

日常でできる感染予防

ワクチン接種以外にも、以下のような簡単な衛生上の予防措置をとることで肺炎球菌感染の拡大を防ぐことができます。

・鼻や口に触れた後や食べ物を扱う前の手洗いの徹底
・咳やくしゃみをするときはティッシュで口周りを覆う
・鼻水や咳・くしゃみに使ったティッシュはすぐに捨てて手を洗う
・コップや台所用品を他人と共有しない

肺炎球菌ワクチンを受けるべき対象者

肺炎球菌感染症は、一般的に免疫力が低い人ほど感染リスクが高まります。そのため、65歳以上の高齢者や病気などで免疫機能が弱まっている場合は特に予防対策が重要になってきます。加えて、以下の4つのグループに該当する場合は、肺炎球菌感染症の予防接種が推奨されています。
・乳児
・65歳以上の人
・長期的な病気がある2歳~65歳の人
・溶接工など、金属蒸気の中で働いている人

また、60~65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に日常の生活活動が極度に制限されるほど障害が起こっている場合などにも定期接種の対象となります。

高齢者は特に注意が必要

65歳以上の高齢者は、肺炎や肺炎による合併症によって死亡する割合が高いとされ、厚生労働省はこの事実を受け、平成26年10月、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチン接種を、費用の一部を公費負担にする定期接種に変更しました。

【出展:厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html

おわりに:肺炎球菌の感染に注意しましょう

免疫力が低下しているときなど、免疫機能が正常に働いていないときは、通常よりも肺炎球菌感染症に罹るリスクが高いので、ワクチン接種や手洗いなどの衛生面での対策も徹底し、感染・発症を防ぎましょう。

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