記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
家族でテレビを見ていて自分だけボリュームを上げてしまう、相手の話を何度も聞き返してしまう、常に耳鳴りのような音がしている……。もしかしたら、それは「突発性難聴」ではないでしょうか。
突発性難聴は早期発見早期治療が解決の鍵です。スグに気づいて病院を受できるように、この記事を参考にしながら突発性難聴について理解を深めましょう。
突発性難聴という名前がつけられてはいますが、すべての突発性難聴の人が「突発的」に難聴が起こるわけではありません。また、通常は片方の耳にしか難聴が起こらないため、完全に聴力を失うということもほとんどありません。
突発性難聴の症状について、下記で説明しますので、思いあたる症状がある場合はスグに病院の耳鼻科を受診しましょう。
アレルギー、耳垢の蓄積、副鼻腔感染症などが原因で耳が聞こえにくくなることがありますが、このような場合は、自然に聴力が戻るケースもありますが、できるだけ早くに治療を受けた方が良い治療効果が期待できるでしょう。
ただし、難聴は、深刻な疾患の兆候の可能性もあるので注意が必要です。
短期間で、聴力が失われます。または、数日の間に失われていくこともあります。一般的には、72時間程度の間に聴力が失われるといわれています。
10人のうちの1人は左右どちらかの耳が難聴となります。難聴にならなかった側の耳から音を聞くことはできますが、音は小さく感じるでしょう。通常の会話であってもささやいているような声に聞こえます。
症状のある耳で電話で話したときに、難聴であることに初めて気が付く人もいます。めまいや耳の中でリンリンとした音がすることはよく起こることです。耳の中に圧力がかかっているように感じることもあります。
その他様々な症状が起こることがあります。
なぜその人が難聴になったのか、よくある原因としては以下のものがあります。
・耳垢や小さな物が外耳道に詰まっている
・自己免疫疾患
・細菌やウイルスによる病気
・頭部の外傷
・突然の大きな騒音にさらされた
・特定の薬による副作用
難聴は、脳卒中や髄膜炎のような深刻な病気が原因で起こっている可能性もあります。こうした病気の場合は、通常は、難聴以外の他の症状もでます。
耳鼻科では、異なった周波数を聞く聴力検査を行います。内耳(耳の一番奥の部分)機能も調べます。
耳鏡では、耳垢が溜まっている、外耳道や鼓膜の裏に水が溜まっているなどの問題をみつけることができます。
平衡機能検査、MRI、血液検査などを受ける場合もあります。
耳鼻科での突発性難聴の治療は、コルチコステロイドによる治療が一般的です。腫れを少なくし炎症を抑えることで、少しずつ自然に難聴が治まっていくとされています。
コルチコステロイドは経口薬が処方される場合と、耳の中にコルチコステロイドを直接注射する方法で投薬されます。
また、難聴の原因とる別の病気を発見した場合はその治療も行います。例えば、耳の感染症などが原因の難聴は、抗生物質で治療可能な場合が多いでしょう。
突発性難聴だと思われる場合、スグに耳鼻科での治療を受けましょう。難聴は、アレルギーのような単純なものからその他の深刻な病気まで様々な原因があり、自己判断はできません。必ず医師に診断してもらいましょう。
原因自体は深刻なものではなくても、早期に治療を受けることで聴力を取り戻す可能性が高まります。