喘息患者でも運動して大丈夫ですか?

2017/7/15

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

喘息を患っているからといって、自分の活動に制限をかけたくないのは、普通の思いではないでしょうか。健康な生活スタイルのためにも、医師の意見を聞つつ、状況の許す限り体を動かしていくことが大事です。
ここでは、喘息患者に勧めたい運動や注意点などを解説します。

喘息を患っていても運動できるか?


喘息治療の目標の1つは、運動を含む身体活動が正常にできるように、健康的な生活スタイルを築くことです。
この目標を達成するために重要なことは、医師の指示どおりに喘息薬をとりこと、症状を引き起こす要因を避けること、症状や肺機能を観察することです。

だからといって運動を絶対に避けなければいけないということではありません。正常な身体活動の維持を可能にしたり、喘息症状を予防したりするためにできることはあります。実際、多くのアスリート(オリンピック選手でさえ)は、喘息とうまく付き合いながら運動に取り組んでいます。

喘息の症状により運動に制限がかかるようなら、医師に相談しましょう。

喘息患者にはどのような運動が適しているのか?


バレーボールや体操、野球、レスリングなど、短時間に断続的に運動するような活動は、喘息の症状を持つ人にとって許容範囲の運動といえるでしょう。
ただし、サッカーや長距離走、バスケットボール、陸上ホッケーなど、長時間の運動が関与する活動は、症状を引き起こす原因となる可能性があります。
これは、アイスホッケーやクロスカントリースキー、アイススケートなどのウィンタースポーツにもあてはまります。しかし喘息を持つ人の中にも、これらのスポーツを問題なくできている人も多くいます。

水泳は、激しい持久力の問われるスポーツですが、通常は喘息の症状を引き起こしにくいとされています。なぜなら、水泳は通常、暖かく湿った空気を呼吸しながら行われるからです。また、水泳は体力を維持するために優れた運動でもあるため、推奨できるスポーツの一つといえるでしょう。

喘息に効果的な運動として、その他にも自転車、エアロビクス、ウォーキング、ランニングマシンでのランニングなどがあります。

運動中に喘息をコントロールするにはどうすればよいか?


・運動の内容を決めて、運動を開始する前に医師に相談する。
自分にとってどの活動が最適であるか、アドバイスをもらえます。また、運動前に何をすべきか、運動中に症状がでた場合の行動計画を作成してくれるでしょう。

・運動前に喘息薬を必ず使用しましょう。
自分の行動計画の中にあるようであれば、必ず従ってください。

・運動前のウォーミングアップ、運動後のクールダウンの時間をきっちりとりましょう。

・天気が寒い場合は、屋内で運動するか、鼻や口の上にマスクやスカーフを着用しましょう。

・アレルギー性喘息の場合は、花粉や大気汚染度が高い屋外での運動は避けましょう。

・ウイルス感染症のリスクが上がるとき(寒いときなど)は、運動を制限する。

・自分に適したレベルで運動する。
活動的なライフスタイルは身体的にも精神的にも大切なことです。喘息だからといって、無理に運動を避けるようなことはせず、医師による適切な治療を続けながら、運動を楽しむように心がけましょう。

運動中に喘息の発作がでたら、どうしたらいいか?


運動中に喘息の症状がでた場合は運動を中断し、決められた行動計画に従ってください。レスキュー薬は常備するようにして、症状が出たときはガイダンスに従い、できるだけ早く吸引しましょう。症状がよくならない場合は、救急車を呼んでください。

おわりに:QOLの向上のためにも、思い切り運動を楽しもう!

たとえ喘息を患っていても、医師の適切な指導のもと、やっておくべき準備を整えておけば、運動を楽しむことができます。
これは運動性喘息の人も同じです。QOL(Quality Of Life)の向上のためにも、日頃のケアを怠らず、思い切り運動を楽しみましょう!

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