ストレスで起こる症状は、どうやって対処すればいい?

2017/7/19 記事改定日: 2019/6/27
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

「ストレス」という言葉は日常でも頻繁に使われる言葉でありますが、実際にストレスでどのような症状が起こるかを知っていますか?
この記事では、ストレスが原因で起こる心身の変化など「ストレス症状」について解説していきます。ストレスは早めの対処が重要なので、早期発見に役立ててください。

ストレスとは

「ストレス」とは、肉体・精神への刺激に対して起こる体の反応です。自分が脅かされていると感じると、体が防御反応を起こし、心拍の上昇や呼吸の早まり、筋肉のこわばりなどを通して危険が迫っていることを伝えようとします。

ストレスの原因は人によってそれぞれ異なるため、ある人のストレスの原因となっているものが、別の人にとってはほとんど問題にならないことも多いです。また、ストレスは悪影響を及ぼすだけではありません。適度なストレスが、日々の活力となっていることが明らかになっています。

「ストレス」という言葉はもともと物理の分野で使われていたもので、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を言います。外側からかけられた圧力のことを「ストレッサー」と言い、ストレッサーによって風船が変形する状態を「ストレス反応」と言います。

これを医学や心理学の領域に当てはめると、こころや体にかかる外部からの刺激が「ストレッサー」で、ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応のことが「ストレス反応」となります。

ストレスの症状にはどんなものがある?

感情、振る舞い、思考力、身体的健康など、ストレスは人生のすべての側面に影響を与え、以下のようなさまざまな症状になってあらわれます。

精神的な症状

  • 頻繁にいらだつ、憂鬱になる
  • リラックスしたり、心を静めるのが難しい
  • 否定的な見方をする、落ち込む
  • 他人との接触を避ける

身体的な症状

  • 活力がない
  • 頭痛
  • 下痢、便秘、腹痛
  • 体の痛みや緊張
  • 胸の痛み、動悸
  • 不眠症
  • 風邪や感染症にかかりやすい
  • 性欲の低下
  • 緊張、震え、耳鳴り、寒け、手足の発汗
  • 口が乾く
  • 歯を食いしばる、歯ぎしり

ストレスの認知症状

  • 常に心配事を抱えている
  • 時間に追われている気がする
  • 物忘れ、物事に対していい加減になる
  • 集中力の低下
  • 判断力の低下
  • 悲観的になったり、否定的な側面しか見なくなる

行動上の影響

  • 食欲の変化
  • 先延ばしや、責任感の回避
  • アルコール、麻薬、たばこ量の増加
  • 爪をかんだり、そわそわするなど、緊張を伴う行動が増える

ストレス症状が長期間続くとどうなる?

ストレス状態がまだ軽いうちは、特に症状となって現れることはありません。しかし、慢性的なストレスにおびやかされ続けると、以下のような深刻な病気を引き起こしてしまう恐れがあります。

  • メンタルヘルスの問題(うつ病、不安、人格障害など)
  • 血管疾患(心臓病、高血圧、異常な拍動、心臓発作、脳卒中など)
  • 肥満や摂食障害
  • 月経に関する問題
  • 性機能障害(男性のインポテンスや早漏、男性と女性の性的欲求の喪失など)
  • 肌や髪の問題(にきび、乾癬、湿疹、および脱毛など)
  • 胃腸の問題(胃食道逆流症[GERD]、胃炎、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群など)

ストレスに対処するには

ストレスにうまく対処できないと、ストレスを増幅させて心身に異常をきたしてしまう恐れがあります。このため、ストレスを緩和するためにいろいろな対処法を試みようとします。この、ストレスに対処する行動を「ストレスコーピング」と言います。

ストレスコーピングには、以下の2種類あります。

問題焦点コーピング
ストレスの原因そのものに働きかけ、それ自体を変えることで解決しようとすること。たとえば、人間関係がストレスの原因となっている場合、相手と直接話をするなどして原因を解消します。
情動焦点コーピング
ストレスの原因そのものではなく、その物に対する考え方や感じ方を変えようとすること。たとえば、人間関係がストレスの原因になっている場合、相手に対する自分の考え方や感じ方を変えてみたり、周囲の人に話しを聞いてもらったりすることが挙げられます。

また、日ごろからストレス解消につながる趣味を持ったり、どんなことでも気軽に相談できる人を見つけたりすることも大切です。

どんなときに病院に相談したらいいの?

ストレスは心身に様々な不調を引き起こします。中にはできるだけ早く治療をしないと、重篤な状態になったり、治療が難しくなるケースもあります。また、ストレスからくる症状と思いきや、思わぬ病気が背景にあることも少なくありません。

抑うつ気分・不眠・食欲低下などの症状が続く場合はうつ病などの気分障害を発症している可能性があり、早急な対処と治療が必要な状態と言えます。また、倦怠感や気分の落ち込み、集中力の低下などどともにむくみや体重増加などの症状がある場合には甲状腺機能低下症を発症していることもあります。

このように、ストレスから来ると思われがちな症状が続く場合は思わぬ病気が関与していることがありますので、放っておかず早めに病院で相談するようにしましょう。

おわりに:ストレスによる症状は「ストレスを管理する」ことで対処しよう

ストレスは完全になくそうとするよりも、コントロールすることに力をいれましょう。ただ、ストレスを解消には、お酒やたばこのような不健康なものではなく、体を動かすような健康的なものがおすすめです。
自分にふさわしいストレス解消法をさがしながら、ストレスによる不調がみられたときは、早めに医師や専門のカウンセリングを受診してください。

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