夏の食中毒に注意 ー 衛生面の維持が大切

2017/7/20

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

夏の暑い時期は食べ物がいたみやすく、食中毒に注意が必要です。ときには病院での治療が必要となる場合もあります。しかし、シンプルな予防対策を守るだけで、食中毒はほとんど防ぐことができます。ここでは、食中毒予防の方法について解説します。

衛生の維持が大原則


食中毒を起こさないためには、食中毒の原因となる細菌やウイルスなどを手や調理器具につけないことが大切です。こまめな手洗いが重要です。必ずせっけんを使って手洗いをしましょう。また、調理器具やまな板もこまめに湯と洗剤で洗って、清潔に保ってください。菌のついた食品からの二次感染を防ぐため、生の肉や魚を調理した後は特にていねいに洗いましょう。キッチンクロスやスポンジは電子レンジに入れて60秒間加熱すると、バクテリアを完全に死滅させられます。

適切な食品管理

肉と魚は分けて運ぶ

生の肉や魚は、汁がほかの食品につかないようにビニル袋で包むか、分けて運ぶようにしましょう。

移動は2時間以内

肉・卵・魚介類は2時間以内に調理、冷蔵、冷凍しましょう。冷蔵庫の温度は4度未満に設定してください。一度解凍された食品は再び冷凍しないでください。

食品の包装物のラベルに従う

ラベルは、適切に食品を扱い、貯蔵するための情報を提供しています。

手だけではなく、調理器具や野菜も洗う

食品を扱う前後は手をよく洗いましょう。調理器具とともに、野菜や果物もよく水洗いしてください。

十分な加熱と保熱

肉類は加熱が不十分だと細菌が残ってしまいます。食品の調理温度と安全性を確実なものとするため、残り物は最低でも74度まで加熱しましょう。熱く調理された食品は保温(60度以上)し、冷たい食品は冷たい状態(4度未満)を保ちましょう。

疑わしいものは捨てる

食べても安全かどうか分からない食品は食べてはいけません。消費期限はしっかり守ってください。汚染された食品は再加熱しても安全が保証されるわけではありません。見た目や臭いから判断しないようにしましょう。また、凹凸ができている缶詰は、たとえ未開封であっても食べないようにしてください。

賢くレストランを選ぶ

店を利用する前に、施設とスタッフが衛生的であるか確認しましょう。スタッフの間で食品衛生面の研修が定期的に行われているかどうか確認できるとなお良いでしょう。

おわりに:免疫の弱い人がいる家庭は気をつけましょう

食中毒は、食品の扱いに気をつけるだけで防げる可能性が高いです。手や調理場、調理器具の清潔を保ちながら、食品は安全な温度まで加熱調理して、残り物はすぐに冷蔵してください。卵、肉、魚介類、貝、牛乳、乳製品など、いたみやすい食品を調理するときは十分に注意しましょう。特に妊婦や免疫力の弱い子供や老人がいる家庭では、今いちど身のまわりの衛生状態を確認してください。

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