記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
不眠症は日常の対策で改善される可能性がある病気ですが、症状が改善されず、眠れない日が続くようであれば、病院で医師に診断してもらう必要があるでしょう。今回の記事では、不眠症の病院での診断方法を解説します。
不眠症の原因を診断するために、身体検査、睡眠パターン、ストレスの有無、不眠症の経験などを医師が確認します。その際、処方薬または非処方薬、コーヒーなどの興奮剤についての摂取の有無も必ず医師に伝えましょう。患者自身では気づいていない睡眠中の行動についてパートナーが把握している場合は、患者の睡眠パターンについてパートナーに確認することもあります。また、患者自身とパートナーに、患者の睡眠パターンの記録を数週間つけるように医師から指示されることもあるでしょう。
不眠症は睡眠の導入またはその維持で苦しめられます。日中の過度の疲労は、ナルコレプシー(睡眠発作)のような状態を起こします。睡眠時無呼吸、過度のいびき、夜間恐怖、夢遊病、歯ぎしりによって不眠が引き起こされる可能性があります。神経障害から起こっている睡眠障害については、正しく診断し治療することが重要です。医師と睡眠の専門家が睡眠障害を診断する方法は以下のとおりです。
医師は、患者の病歴や患者がどのような状態と予想されるかについて、患者が行っている投薬について詳しく質問をします。
睡眠のトラブルの原因が日常生活の中にある場合もあるので、ライフスタイルについての質問もあります。また、胸やけ、糖尿病、心不全、関節炎、腎臓病、夜間頻尿(夜間常に絶え間なく排尿する必要がある)、甲状腺疾患および呼吸の問題など、多くの病気が睡眠に影響しているので、それらの病気の可能性がないかについても調べるでしょう。また、薬物も不眠症の原因となるものがあります。睡眠障害に寄与する薬物には、以下のようなものがあります。
・利尿薬
・アルコールまたはカフェインを含む薬物
・コルチコステロイド
・ベータ遮断薬
・抗ヒスタミン剤および特定の抗うつ薬
ほとんどの場合、不眠症の原因は病歴および身体検査によって明らかになります。睡眠時無呼吸のようなその他の睡眠障害があるとわかった場合、睡眠研究や睡眠ポリグラフ検査が行われることもあります。これらは通常、医療センターの睡眠研究所で行われ、病院のような部屋で夜を過ごし、特殊な機械で心臓、肺、脳、筋運動を検査されます。
数週間にわたって睡眠日誌をまとめるように求めらるでしょう。医師は睡眠日誌をもとに症状を判断します。睡眠日誌に記録される情報は以下のとおりです。
・睡眠時間数
・入眠までの時間
・目を覚ます頻度そして目が覚めている時間
・朝どの程度すっきりとしているか
・日中どの程度眠たいか
・あなたが眠っている間にいびきをかくか息がとまるか
・四肢が痙攣するか
仕事のストレス、人間関係、財政難や一時的な健康問題など、短期間の睡眠障害を引き起こす原因となるものはたくさんあります。これらの睡眠の問題は、通常、不安や眠れない理由が取り除かれたときに解決します。しかし、睡眠障害が長引いてしまうと、人生が崩壊してしまうリスクすらあるのです。不眠症が改善されない場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。