記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
2017/8/10 記事改定日: 2018/3/12
記事改定回数:1回
糖尿病の治療において、代替治療による症状の緩和や管理も、補助的な選択肢の一つではあります。ここでは食事やサプリメントなどの糖尿病の代替治療についてまとめました。
糖尿病の治療中に欠かせないのが、血糖コントロールです。基本的には食事療法と運動療法、そして薬物療法によって治療を進めていくのが一般的ですが、補助的に下記のサプリメントを摂取することによっても、糖尿病の改善が見込めると考えられています。
ハーブの一種で、糖や炭水化物の消化を遅らせ、食後高血糖を抑制する効果があるとされます。
炭水化物の吸収を抑制し、ブドウ糖への分解を阻害することから、糖尿病の改善に効果があると考えられています。
マグネシウムには、体内のインスリンの作用をサポートする役割があるとされます。インスリンがよく作用すると血中のブドウ糖濃度が低下し、血糖値が下がるようになります。
クロミウム欠乏は、ブドウ糖を利用する能力を阻害し、インスリン必要量を増加させることから、2型糖尿病患者はクロミウムを補給することが望ましいとする説もあります。ただし、糖尿病患者が血糖コントロールを改善する目的で、クロミウムを常用したほうがいいかについては、まだ研究結果が不十分というのが現状です。
サプリメントは効果が不明確であり、副作用の懸念もあることから、糖尿病患者のサプリメント服用に消極的な医療従事者も少なくありません。しかし、糖尿病治療でタンパク質の摂取制限などがある患者さんは、亜鉛やマグネシウムが不足しやすい傾向にあります。こういった栄養不足を補う意味で、上手にサプリメントを使うことに対しては、肯定的な意見を持っている従事者が多いです。
サプリメント以外に、次の代替治療も糖尿病改善に効果的なのではと考えられています。
下記の植物性食品は食物繊維が豊富なため血糖値のコントロールをサポートします。そのため、2型糖尿病の改善に役立つことが期待されています。
・そば
・ブロッコリー
・オクラ
・エンドウ豆
・コロハ種子
・セージ
体重と糖尿病が関連しているため、糖尿病を抱える人の多くは減量に役立つと主張する代替療法に頼る傾向が強いです。たとえば、食欲の減退や体重減少を促すための経皮(皮膚パッチ)システムおよび経口スプレーなどがあります。
ニンニク、ショウガ、チョウセンニンジン、サンザシ、イラクサなど、糖尿病治療のために提案されているハーブは、臨床試験が行われていないものがほとんどです。これらを含むハーブや、ご紹介したサプリメントの服用を検討している場合は必ず医師に相談されることを推奨します。場合によっては薬剤の相互作用があるなど注意が必要だからです。服用によって吐き気、嘔吐、急速な心拍、不安、不眠症、下痢、皮膚発疹といった副作用が見られた場合は、すぐに使用を中止し、早急に医師に連絡してください。
インスリンをつくる膵島細胞を移植します。移植に成功すると糖尿病患者の生活の質を改善できることが明らかになっています。移植に成功すると、ドナー細胞は血糖値に反応してインスリンを放出し始めます。これによって食事計画の柔軟性が高まるだけではなく、心臓病、脳卒中、腎臓病、神経および眼の損傷といった重度の糖尿病合併症を防ぐことが可能です。
膵臓移植は血糖コントロールの回復を助けてくれます。そのため、1型糖尿病の一部の患者や末期の腎臓疾患がある場合に行われることが多いです。
糖尿病に効果が見込めるとされるサプリメントや代替治療には、さまざまな種類があります。ただし、思わぬ副作用に見舞われる恐れもあるので、実施前には必ず主治医に確認するようにしてください。