便秘の解消法まとめ ~セルフケアと病院での治療~

2017/7/25 記事改定日: 2018/3/29
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

「排便時にいつも痛みを感じる」「常にお腹が張っていて苦しい」など、何かと辛い便秘。
そんな悩みはどのように解消するのが良いのでしょうか?
この記事では「セルフケア」と「病院での治療」の2つ観点でみた便秘解消法をご紹介します。

便秘の原因と定義について

便秘を解消するには、そもそもなぜ便秘が起こっているのかを理解することが大切です。
改めて、便秘についておさらいしましょう。

便は結腸内を通った食べ物の水分が吸収された後の残留物です。
通常は便は筋肉によって結腸から直腸まで運ばれ排出されますが、腸のこの動きが遅くなると水分が吸収されすぎてしまい、便が乾いて硬くなるので排出されにくくなります。
このように、便秘とは便中の水分が少なくて硬くなる、もしくは便の通り道である腸管が狭くなって排便しにくかったり、排便が少ないような状態を指します。

【出典: 厚生労働省ホームページを編集して作成 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-010.html

〈便秘の原因〉

便秘を引き起こしやすい要因として以下のようなことがあげられます。
◆水分不足
◆食物繊維の不足
◆高脂肪の食事
◆運動不足
◆特定の薬剤の使用
◆便意を催したときに我慢している
◆妊娠している

解消法〈1〉食物繊維を摂る

便秘の解消法のひとつは食物繊維を摂取することです。
特に軽度の便秘であれば、食物繊維を摂取することで便がまとまって柔らかくなり、排便しやすくなる可能性が高くなります。
食物繊維が豊富な食べ物は以下の通りです。

◆全粒穀物(全粒粉のシリアル、パン、パスタ、玄米など)

◆野菜や果物

◆豆類

◆きのこ、海藻類

食物繊維は急激にではなく、1週間ほどかけて徐々に増やしていくようにしましょう。突然食物繊維の量を増やしてしまうと、お腹が張ったりガスが溜まったりする可能性があるためです。
反対に、チーズなどの乳製品や肉などの高脂肪・低食物繊維の食べ物は便秘を悪化させる恐れがあるので、便秘にお悩みの場合はできるだけ控えましょう。

また、食物繊維の摂取量を増やすのに併せて水分を多く摂るようにしましょう。
甘い清涼飲料やジュースでは余分なカロリーを摂取してしまうことになるので、飲み物は水やゼロカロリーの飲料を選びましょう。

解消法〈2〉運動する

運動をすることで腸の「ぜん動運動(便を体外に送り出すための動き)」が活発になって食べ物が結腸内を通る速さがあがるため、便秘が解消されやすくなります。
便秘を解消したい場合は、約20分間の運動を週3日行うことから始めて、最終的に30分間の運動を週4~5日できるようにしていきましょう。

「時間が確保できない!」という場合は、時間を区切って運動する方法がおすすめです。
たとえば10分のウォーキングを3回行えば、30分運動したとカウントして構いません。

解消法〈3〉病院での治療

便秘の中には服用中の薬や健康状態が原因で発症するものもあるため、セルフケアで治らなかったり症状が長期間続くようなときには、便秘薬を使う前に病院を受診するのが望ましいです。
そのような場合には薬の服用を止めたり、原因の病気を治療したりすることで便秘の解消を目指していきます。

医師に便秘薬を勧められた場合は、自分に合った薬の種類や服用期間について医師に尋ねるようにしましょう(基本的には、便秘薬は短期間の服用が望ましいとされています)。
また、便秘が解消しはじめたときの薬の量の減らし方についても質問しておいてください。突然服用を止めてしまうと、腸の収縮能力に悪影響を及ぼす可能性があるからです。

こんな便秘には注意!

便秘は軽度であることがほとんどですが、慢性的な便秘や重度の便秘には注意が必要です。
便秘に加えて以下のような症状が見られた場合はすぐに病院を受診しましょう。
◆重度の腹痛

◆血便

◆原因不明の体重減少

重度の便秘を未治療のまま放置すると、痔や肛門の周りの皮膚からの出血などにつながる恐れがあるからです。
また、排便をしようとして力みすぎると、肛門を通して腸の一部が押し出されてしまうこともあります(これは「直腸脱」と呼ばれる状態で、手術が必要なケースもあります)。

〈慢性特発性便秘症(CIC)の可能性も〉

また、3週間にわたって排便がなかったり、食生活の改善や運動を行っても便秘が解消しないという場合は、「慢性特発性便秘症(CIC)」になっている可能性があります。
慢性特発性便秘症とは身体的あるいは生理的な何らかの異常によって引き起こされている便秘のことです。

おわりに:セルフケアで治らなければ病院で診てもらおう

ほとんどの便秘は軽度であることが多いですが、重度の便秘の中には特別な検査や治療が必要になるケースもあります。
食生活の改善や運動などのセルフケアでは便秘が解消しない場合には、自己判断での放置および便秘薬の使用は避けて、必ず病院を受診するようにしましょう。

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