記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
前回の記事では、便秘の原因や診察についてお伝えしました。
今回の記事では、便秘で病院の消化器内科や胃腸科、消化器科などにいった際に行う、検査を中心についてお伝えします。
治療するために役立つすべての情報を準備しましょう
・経験しているすべての症状を書き出したリスト
・病歴、服薬中のビタミン、サプリメント、消化器系疾患の家族歴
・妊娠、ストレス、最近の旅行など、健康に影響を与えた可能性のある個人情報
医師に質問したいことがある場合は、事前に書き留めておきましょう。
また、家族や友人の中で、自分の過去の病歴や経験した症状について詳しく知っている人がいれば、診察に付き添ってもらうのも良いでしょう。そうすることで、医師から聞いた話を覚えておいてもらうこともできます。
検査では、医師は手袋をして潤滑油で指を滑りやすくした状態で、肛門の中に指をいれ、血液の詰まりなどを確認するかもしれません(直腸診と言います)。
また、便秘を引き起こす可能性のある状態を確認するための検査を行うこともあります。
便秘の原因が特定されたら、治療法について、医師から説明があるでしょう。一般的な便秘の治療であれば、食物繊維をたくさん取り、下剤を飲むよう指示を受けます。
効果が見られない場合は、治療を切り替える必要があるかもしれません。また、治療が長期化すると下剤を使わなければ排便できなくなる場合もあり、その場合、医師は、下剤をストップし、腸のシステムを正常に戻す必要があります。
基本的な検査の結果は、慢性的な便秘があるかどうかと、便秘の原因についてなどを判断するための材料になります。
検査には、直腸検査、血液検査、尿検体検査、便検体検査などがあります。便秘のタイプと原因を見つけるために、更なる検査が必要になる場合があります。
検査は不快で恥ずかしいと感じてしまうようなものもありますが、何が起こっているのかを医師が正確に把握するうえで重要です。
検査には、以下のものがあります。
直腸から回盲部(小腸と大腸の間の関所のような場所)まで直接観察できます。検査中は、リラックスするために、薬を服用することがあります。
医師が液体やガス(この場合はバリウムと呼ばれる白い液体)を小さなチューブを通して直腸に注入することです。バリウムを注入することで、結腸の問題や詰まった領域をX線で表示することができます。
CTスキャンを使えば、より精密な検査が可能になり、その他の検査で発見できなかった便秘の原因の発見につながる可能性もあります。最近は場合によってCTスキャンを再構成し仮想大腸内視鏡を行うこともあります。
上記のさまざまな検査の結果から、医師が求めている情報を得ることができれば、適した治療を提案してもらえるでしょう。
今まで見てきたように、病院での便秘の治療はさまざまあります。便秘でツライ症状のある人は、病院を受診しましょう。医師と相談の上、検査をして原因を特定することで最適な治療法が見つけられます。