大麻は人間崩壊・薬物依存の危険性につながる

2017/3/15

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

オランダでは、満18歳以上であれば、誰でも大麻を「合法的」に購入することができます。
法規制は、たったひとつで、「購入できるのは1日5グラムまで」だけというもの。
ドラッグをすべて禁止すれば、密売や薬物に絡む犯罪の増加は明らか。ならば、依存性が低いドラッグを行政が管理・監視・販売し、犯罪を最小限に抑えればいい、という考え方から、大麻が合法化されました。
しかし、合法化されているとはいえ、大麻は、ほんとうに安全なのでしょうか?依存性も低いのでしょうか?

The fact of cannabis 大麻の事実

過去、大麻には依存性があると考えられていませんでした。しかし、長年の研究により、依存性の存在が認められ、長期間常用している場合、特に顕著になることがわかりました。大麻を常用する人の約10%が依存者に陥るといわれています。

大麻の常用と喫煙習慣が重なった場合、ガンや心疾患のリスクが高まり、使用を中止したり使用量を減すと、渇望、睡眠障害、気分の著しい変化、過敏症、落ち着きのなさ、といった離脱症状があらわれます。
大麻は、決して「安全」で「無害」なものではありません。

大麻を吸うと、どんな気分になりますか?

大麻の影響は人によって異なりますが、例を挙げれば、
・リラックスし、幸せな気分になる
・楽しくなる
・おしゃべりになる
・食欲が湧く
・色が強烈に見えたり、音楽が大きく聞こえるなど、感覚が敏感になる
・時間が過ぎるのが遅く感じる
があり、また、
・めまいを起こしたり、気分が悪くなる
・眠気と倦怠感を感じる
・記憶力に悪影響があり、物事が覚えにくくなる
・混乱したり、不安になったり、妄想を起こす
・パニック発作や幻覚を経験する
という人もいます。
大麻を定期的に常用すると、仕事や学校などの日常生活に脱力感を感じ、無関心になります。そして、長期的な使用で、学習能力や集中力に悪影響を及ぼします。

大麻に依存性はありますか?

オバマ前大統領は、大麻合法化について聞かれた際、「大麻はアルコールほど危険ではない」との見解を示しました。
大麻は、タバコより遥かに発がん性が高い物質です。常用することで脳が萎縮します。そして、5日間も吸引を続ければ、依存性になります。決して依存性が低い薬物ではありません。

大麻のリスク

大麻の使用による健康上のリスクに関して、以下のことが判明しています。
・大麻は車の運転能力に影響を与えます。
フランスの調査で、大麻を使用後の運転は命に関わる自動車事故を起こす可能性が通常の運転の2倍以上に上ることが判明しました。飲酒運転が違法であるように、薬物吸引後の運転も違法です。
・大麻を吸うと、肺に害をあたえます。
大麻は発ガン性の物質を含んでいます。また、喘息を悪化させ、喘息のない人に喘鳴を引き起こす可能性があります。大麻とタバコを混ぜて吸引すると、肺へのリスクはさらに高くなります。
・大麻は精神的健康を害します。
大麻の常用は、統合失調症などの精神病の発症リスクを増大させます。十代で吸引をはじめた場合や家系に精神病の人がいる場合、精神病を発症するリスクはさらに高くなります。
また、統合失調症の人の再発リスク、既存の症状の悪化のリスクも高まります。
・大麻は生殖能力に影響します。
動物実験では、大麻は、男性の精子、女性の排卵に支障をきたす可能性があると示唆されています。
・妊娠している場合、大麻は胎児を傷つけます。
研究では、妊娠中の大麻の使用による、赤ちゃんの脳の発達への悪影響を示しています。また、常用すれば、未熟児や早産のリスクも高くなります。

大麻をはじめる年齢は影響しますか?

精神病発症のリスクも含め、大麻に関連するリスクは、若い頃から常用する人ほど高くなります。
脳がまだ成長途上のため、大麻が、発育過程を妨害していると考えられています。

おわりに:大麻はドラッグの入り口

大麻の害については賛否両論ですが、大麻を吸うことで、違法薬物とのつながりが生まれ、他のドラッグを試す可能性が高まるのが問題です。事実、大麻使用者の多くが、大麻を「入り口」として、より依存性の高いドラッグに手を出しています。
大麻は、決して、興味本位で安易に手を出していいものではありません。

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