記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/28 記事改定日: 2018/10/23
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
便秘は年齢や性別に関係なく発症する可能性のある症状です。ほとんどは危険なものではなく自宅で緩和・対処することができますが、中には病院で診てもらったほうが良いものもあります。
この記事では病院での検査が必要な便秘についてお伝えします。
ほとんどの便秘は家庭での治療と予防によって改善されますが、中には注意が必要なケースもあります。便秘と同時に上記のような症状が見られたら一度医師に相談してください。
また、以下の特徴がある場合は便秘以外の原因が潜んでいる可能性があるので、速やかに医療機関を受診しましょう。
排便習慣には個人差があり、何日便秘が続くと病院へいくべきかといった基準はありません。
しかし、腹部膨満感や腹痛、吐き気などの腹部症状を伴う場合は病院を受診した方がよいでしょう。また、便は1日に平均して200gの生成量があり、放置すると腸閉塞や大腸穿孔を引き起こすことがありますので、症状がない場合でも5~7日ほど排便がない場合は治療を受けることをおすすめします。
赤ちゃんの排便の回数は月齢ごとに変わるので、排便の回数で便秘かどうかを判断することは難しいです。
明確な基準はありませんが、排便が週に1回か2回しかないことに加えて、下記のような症状が同時にみられる場合は便秘になっている可能性があります。
赤ちゃんの排便回数は大人のように定まっていないことが多いので、上の項目であげたような症状の有無や全体的な健康状態をみて判断しましょう。
特に、排便が1週間以上なかったりいつもより激しく泣くことが多い場合は、他の病気が隠れている可能性もあるので、一度病院で診察を受けてください。
便秘の場合は胃腸科や消化器内科で診てもらいましょう。
便秘の原因は毎日の生活習慣やストレスなど人によって異なりますが、「腸や骨盤底の動きの異常」や「腸の蠕動(ぜんどう)運動」、「他の病気」などが関わっていることも少なくないので、小腸や大腸などの消化器系を詳しく調べる必要があるからです。
また、治療に特化した便秘専門の外来である便秘外来を受診する方法もあります。
便秘外来では、一般的に胃・直腸・小腸などの問診・触診・検査が行われます。
どのような検査を行うかは便秘の症状に応じて医師が判断しますが、代表的な検査としては〈腹部レントゲン・超音波・採血・大腸内視鏡検査〉などがあります。
便秘の原因が特定できた後には、医師や看護師から便秘の症状に応じて生活上の指導や治療薬の処方が行われます。
便秘を主訴に病院を受診すると、レントゲン検査やCT検査、大腸内視鏡検査などで大腸に器質的な病気がないか検査が行われます。
大腸がんや大腸ポリープなどの器質的病変が原因となって便秘が生じている場合は、それらの根本的な治療が行われます。一方、大腸に器質的な病変がない場合は、下剤や浣腸、生活習慣の改善指導によって便秘解消を目指す治療が行われます。
下剤には、大腸を刺激して便の排出を促すタイプのものや便を柔らかくする効果のあるタイプなど様々なものがありますので、それぞれの便秘の特徴によって使用される下剤が選択されます。
また、浣腸には市販薬にもあるグリセリン浣腸が使用されるほか、重度な便秘の場合にはより効果のある高圧浣腸が行われることもあります。
便秘は軽い症状で済むことも多いですが、1週間以上続く場合には症状が深刻化していたり他の病気のサインとしてあらわれている可能性もあります。また、便秘が続くと少なからず生活に影響が出ることが予想されます。
「便秘で病院に行くなんて大げさ」と考えず、悩んでいる場合は一度病院や便秘外来で診てもらうようにしましょう。
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