記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
ストレス、寝不足、肩こり、姿勢、食品など・・・頭痛はさまざまな原因によって引き起こされています。
この記事で頭痛を引き起こす代表的な原因をまとめたので、頭痛の原因がわからないという方は参考にしてみてください。
ここでは日常生活で考えられる頭痛の原因を紹介します。
多くの頭痛にはストレスが関係しています。
何がストレスになるのかは個人差がありますが、代表的なものとしては緊張や長時間同じ姿勢でいること、体の冷えなどによる身体的なストレスと対人関係などによる精神的なストレスなどがあげられます。
寝不足が頭痛の原因となることはよく知られていますが、寝過ぎもまた頭痛を引き起こす原因になります。寝すぎによって痛みが起こるのは、頭の血管が必要以上に広がって血管周辺の神経が刺激されるためです。
お酒を飲むと、体内のアルコールを排出しようとするために体が血管が拡張して血流を増やそうとします。血管が急に広がると頭部周辺の神経が圧迫されるため、頭痛が起こりやすくなるのです。
また、アルコールが肝臓で分解されたときにできる「アセトアルデヒド」という物質にも血管を拡張させる作用があるため、頭痛が起こりやすくなります。
目・首・肩・頭部周辺の筋肉のこりが頭痛の原因となっていることも少なくありません。
また、長時間のスマートフォンやPC操作による姿勢の悪さも頭痛を引き起こす原因となり得ます。特に猫背になると頭の重みが首に集中して筋肉が固まりやすくなるので注意が必要です。
後頭部がズキズキと痛む、後頭部が重たい感じかする・・・という症状がみられる場合は「緊張型頭痛」を発症している可能性があります。肩や首のこりやストレスが原因で痛みが起こることが多く、症状が慢性的に続く可能性もあります。
上の項目で紹介した原因に加え、頭痛の発生には下記のような原因が関わっている可能性もあります。
頭痛にお悩みの場合は、当てはまる要因がないかチェックしてみてください。
晴れている暑い日に頭痛が起きる、雨の日に頭痛になる・・・など、天気や気温、気圧の変化が頭痛の原因になることもあります。
原因ははっきりとわかっていませんが、塗料・香水・芳香剤・特定の花などの香りなどの「匂い」によって頭痛が引き起こされることがあります。
きつめのポニーテールなど髪を強く結ぶヘアスタイルを続けていると、頭皮の結合組織が弱まり頭痛になってしまうことがあります。ヘアアレンジが原因の頭痛は髪を下ろすことで頭痛が治まる傾向があります。
運動の際には頭、首、頭皮の筋肉が多くの血液を必要とするため、血管が拡張され、「労作性頭痛」と呼ばれる頭痛を引き起こすことがあります。
まれではありますが、激しい運動をした後に起こる酷い頭痛は脳出血のサインとしてあらわれている可能性もあるので、そのような症状がみられた場合は早急に病院を受診してください。
チーズや赤ワイン、ハム、ソーセージ、サラミなどの冷たい加工肉に含まれる「チラミン」という物質が頭痛の原因になっている可能性があります(熟成年数が長くなるほど、多くのチラミンが含まれるようになります)。
頭痛の中には今までの項目で説明した原因の他、他の病気が原因となっているものもあります。
この項目では、頭痛の原因となる可能性があるのはどのような病気なのかを見ていきましょう。
風邪をひくと鼻水やのどの痛みなどとともに、頭痛の症状があらわれることが多いです。インフルエンザの場合は高熱をともなうため頭痛も強くなる傾向があります。
くも膜下出血は脳細胞表面とくも膜の間に出血が起こり、バットで殴られたような激しい頭痛と同時に吐き気や嘔吐の症状があらわれる脳疾患です。
頭部の外傷や精神的、肉体的ストレスなどが引き金となって発症します。
髄膜炎細菌やウイルス、悪性腫瘍が脳の組織に広がることなどによって脳や脊髄を取り巻いている膜に起こる炎症を指します。
代表的な症状は首から後頭部にかけての強い痛み、うなじ周辺のこわばり、発熱です。
治療が遅れると脳に後遺症(合併症)が起こる可能性があるうので、気になる症状がある場合は早急に病院で診てもらいましょう。
脳出血を起こすと脳内の血管が破れ、脳の中に大きな血液の塊ができます。それが脳を圧迫して、頭痛が徐々に強くなると同時に意識が薄れ、吐き気、嘔吐、手足のしびれや感覚麻痺が起こることがあります。
頭部の打撲などが原因で脳を守る硬膜と脳の間に徐々に溜まった大きな血液の塊が脳を圧迫して、頭痛、嘔気、嘔吐、記憶力の低下、手足の麻痺や意識障害など、さまざまな病状を引き起こします。
慢性硬膜下血腫は50歳以上の男性に起こりやすく、記憶力の低下がみられることから認知症と間違えるケースが多いといわれます。
ここまででお伝えしてきたように、頭痛にはさまざまな原因があります。
自分で改善に取り組める原因もありますが、中には深刻な病気が隠れている可能性もあるので、痛みが続く・痛みが強いなどの場合は早めに医師の診察を受けるようにしてください。