記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
海外旅行の前は気持ちが高まり、あれもしようこれもしようと、楽しい事ばかり想像することでしょう。もちろん、旅行は楽しいものですが、日本とは環境の違う国や地域では、普段経験しないことが待ち受けているケースも多々あります。
出発までに、一段落させておこう! と仕事に没頭されるかもしれませんが、旅行の準備にもしっかり時間をとることが大切です。特に長期間の旅行となると、出発の4~6週間前から準備を始めましょう。地域によっては、事前の予防接種が必要かどうかもも調べておいてください。
マラリアなどの病気の危険がある場合は、旅行前に治療を始める必要があります。
今回の記事では、旅行保健から予防接種まで、旅行前に考慮すべき健康のための準備を紹介します。特に健康管理はしっかりと。風邪薬、日焼け止め、痛み止め、消毒剤など、旅に必要な保健セットを準備しましょう。また気をつけたいのがコンドーム。国や地域によっては、現地で偽ブランドの破損したものが出回っている可能性もあります。念のため、日本から持参するようにしましょう。
海外では、湿気の多い日本よりも紫外線が強い国や地域がたくさんあります。女性でなくとも、紫外線には注意と対策が必要です。日焼け止めを選ぶ場合、ボトルのラベルは以下のものを選びましょう。
・”UVA”の表記があるもの
・紫外線から肌を守るために最低でもSPF15の日焼け止め
行き先と目的に関わらず(ヒマラヤに山登りに行くのであっても、ハワイのビーチでのんびり過ごすにしても)、適切な旅行保険に加入するようにしましょう。
あなたの旅行先や滞在期間を満たす保険か、また適応の条件なども事前にしっかり確認しておいてください。
エコノミー症候群は、長時間、同じ姿勢で座ったままでいることで血流が悪くなって、下肢にできた血栓が、肺や心臓の血管を詰まらせる病気です。
遺伝的に血液が固まりやすいなど、もしエコノミー症候群を発症する危険性があるという自覚がある方は、医者に相談をしてアドバイスを受けてください。
長距離のフライトでは、定期的に席から立ち歩き回って足のストレッチを行うようにしましょう。また、アルコールを除いた水分をこまめにとるようにしてください。服装は身体を締め付けすぎない、快適な服がよいでしょう。
時差ぼけは、時差がある地域間を飛行機などで短時間で移動した際、体内時計が狂うことから起きます。時間のきっちり決まった薬、例えばインスリンや経口避妊薬などを服用する人は、出発前に健康専門家に相談しましょう。
旅行を最大限楽しむためにも、準備は入念に行うようにしてください。特に環境が異なる国や地域に行く際には、出来る限り必要なものは、日本で揃えておくようにしましょう。健康的で楽しい旅を!