記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/16 記事改定日: 2018/8/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血糖値は糖尿病に深く関わっている数値ですが、糖尿病の合併症でもある心臓疾患にも大きく関わってきます。ここでは、「血糖値が高い」ことがどう病気とかかわってくるのかについて、血糖値が上昇してしまうリスクもあわせて解説しています。
血糖値は、食事や糖分の含まれた飲み物を摂ることで一時的に上昇します。しかし、人の体には、血糖値が上昇すると膵臓から「インスリン」と呼ばれるホルモンが分泌され、血糖値を下げる仕組みが備わっています。
この「インスリン」は欧米人に比べて日本人は分泌能が低く、血糖値が上がりやすいことがわかっています。また、肥満や高脂肪・高糖分の食生活や運動不足、ストレス、睡眠不足などの望ましくない生活習慣が重なることで、分泌されたインスリンの働き自体が低下するようになります。
これらのインスリンの分泌不足と作用不足が生じることで、食事などによって上昇した血糖が十分に下がらず、血糖値が基準値よりも高くなることがあります。また、ステロイド剤などのように血糖値を上げる作用のある薬を使用することによって血糖が上昇することもあるので注意が必要です。
血糖値が高くなると、以下のような症状が現れるようになります。
また、普段より疲れを感じやすかったり、肌に感染症が起こりやすくなったり、切り傷や腫れが治るのに長くかかるように感じることもあります。
血糖値が高すぎる状態が長く続くと、糖尿病に発展する可能性が高くなります。そして糖尿病が悪化したり長期化すれば、腎臓、眼、神経やその他の臓器に害を及ぼし、深刻な健康問題を抱えることになる危険性があるのです。
また、高血糖は動脈硬化の原因にもなるので、心筋梗塞などの病気を発症しやすくなります。
血糖値が高い状態が続くと体の免疫力が低下するため、傷が治りにくい、風邪をひきやすいなどの症状が引き起こされることがあります。
このため、血糖値が高い状態が放置されている人は、術後の感染症や傷口の化膿などの危険があるので、ある程度安定した血糖コントロールが行えるまで手術ができないことがあります。
急性虫垂炎などでは緊急で手術を行う必要となることもあるため、健康診断などで血糖値が高いことを指摘されたことがある人は生活習慣の改善などを行って血糖コントロールをするようにしましょう。
血糖の正常値は空腹時で110㎎/dL未満、食後2時間で140mg/dL未満です。
まずはこの値を目標に血糖コントロールを行うようにしましょう。血糖コントロールを行うには、まずは自身の血糖値を把握する必要があります。最近では自分で血糖値を図ることのできる検査キットも販売されているので、利用してみるといいでしょう。
また、適正な体重を維持し、和食や野菜中心で適正カロリーを守った食生活を心がけ、適度な運動習慣を維持するなど、生活習慣を見直すことも必要です。
血糖値が高いままでいることは、糖尿病のリスクがあることはもちろんですが、動脈硬化のリスクも上がります。糖尿病や動脈硬化が悪化すれば、深刻な合併症を引き起こし命をおびやかすことにもなりかねません。
こまめに血糖値を計測し、血糖コントロールに取り組みましょう。
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