突発性難聴の治療ではどんなことが行われているの?

2017/8/14

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

ふだん、耳の病気で病院にいく機会はあまりないことでしょう。それが突然、難聴や耳鳴り、めまいなどが起こり、さらに聴力を失うかもしれない病気で医師にかかるのはとても怖いと思います。ここでは突発性難聴がどのように治療されるのか見てみましょう。

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  • 突発性難聴の治療では、どんな薬が使われる?


基本的には、以下のような血行不良を改善する薬やめまいを抑える薬、ビタミン剤などが使用されます。

コルチコステロイド

突発性難聴は、コルチコステロイドによる治療が一般的です。コルチコステロイドは、炎症を抑えることで腫れを少なくする効果があります。
コルチコステロイドは、経口薬として処方する場合もあれば、耳の中にコルチコステロイドを直接注射する場合もあります。

ベタヒスチンメシル酸塩

内耳や脳の血流を改善します。抗めまい薬としても使われており、突発性難聴によるめまいにも効果があります。

ジフェニドール塩酸塩

こちらも、抗めまい薬として使われます。その他、前庭神経の血流を改善したり、耳鳴りの症状を抑える効果も期待できます。ただし、副作用として食欲不振や排尿障害、眼圧変化などが起こることがあります。

ビタミンB12製剤

ビタミンB12は、内耳の神経の働きをスムーズにします。耳鳴りや難聴、めまいの改善が期待できます。

突発性難聴で入院が必要な場合ってどんなとき?


上記のように、突発性難聴を改善させる薬を処方してもらえますので、必ずしも入院が必要なわけではありません。

ただ、突発性難聴の完治には、耳や体に負担をかけないように、安静にしていることが重要です。
そのため、入院して強制的に安静にしていられる環境を作ることも、完治のために有益な手段といえるでしょう。

突発性難聴は48時間以内に治療を始めれば、高い確率で完治するといわれています。しかし、放っておくとどんどん悪化し、発症してから1ヵ月を過ぎてしまうと完治させることは極めて困難です。
完治を目指すためにも、発症に気づいたらすぐに病院を受診することをおすすめします。

とくに、発症してから1週間は経っている場合や、めまいがひどいなど、症状が悪化している場合は、すぐに入院を検討し、集中的に治療を行なったほうがよいでしょう。

突発性難聴の治療期間はどのくらい?


突発性難聴の回復度合いは、発症してから治療を受け始めるまでの期間が大きく影響するといわれています。
たとえば、2週間以内に治療を始めれば聴力の回復が見込めると言われていますが、前述のように、1ヵ月以上放置していた場合は、治療に数年から数十年もかかってしまう場合や、それでも数十年治療しても完治しないといったことが起こることがあります。

突発性難聴は、48時間以内に治療をすれば、1週間程度で治ることも多いです。治療期間を延ばさないためにも、早めに医師にかかるようにしましょう

おわりに:突発性難聴の治療は薬による治療が一般的です

突発性難聴は、発症してすぐに治療に入れば、完治が見込める病気です。治療方法も、ステロイドなどの薬による治療が中心になります。
ただし、治療開始が遅れた場合や、安静にしておける環境が欲しい場合には、入院し、治療に集中したほうがよいでしょう。

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