記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/14 記事改定日: 2018/8/29
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
漢方薬は西洋医学に比べて「ゆっくり効く」という印象があるかもしれませんが効果の現われ方は患者の体質や病状によって様々です。
ここでは漢方の効果や使用上の注意点について見ていきましょう。
一般的に「漢方薬は長期間飲まなければいけない」というイメージがあるかもしれませんが、漢方薬の効果の出方は個人個人で違いますので、一概には言えません。
症状の改善までに時間がかかることもあれば、2~3週間ほどかけて徐々に改善していく場合、速やかに効く場合もあります。
また、漢方薬の効果の出方には病気や患者との相性も関わっています。
同じ種類の薬を飲んでも効果の現われ方には差があることを覚えておきましょう。
複数の漢方薬を同時に服用することは可能です。
しかし、漢方薬には血圧を上げる作用のある成分が含まれているものもあり、体に何らかの悪影響を及ぼすような危険のある種類もあります。
単独で服用する分には悪影響を及ぼすことは極めて少ないですが、複数の種類を併用することでそれらの成分が過剰になってしまい、思わぬ健康被害を及ぼす可能性があります。
漢方薬を併用する場合は、自己判断で行わずに必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
漢方薬は比較的副作用の少ない薬ですが、副作用が現れることもあります。
最も注意すべき副作用は、「甘草」と呼ばれる成分を含むもので、血圧上昇・むくみ・電解質異常などの症状が現れることがあります。また、他にも蕁麻疹などの軽度な副作用や肝機能障害や間質性肺炎などの重篤な副作用が現れることも報告されています。
漢方薬を服用して体調の変化を感じた場合には、病院を受診して医師に相談するようにしましょう。また、漢方薬の多くは薬局などで購入することができますが、医師から処方してもらったものを服用した方が安全です。
薬の種類や赤ちゃんの状態にもよりますが、妊娠中や授乳中の場合は漢方薬の使用はできるだけ控えたほうが良いでしょう。
漢方薬を服用する際は、必ず医師に処方してもらってください。
病気の中にも、漢方薬での治療が向いているものとそうでないものがあります。
ここでは、漢方薬での治癒効果が期待されている病気や症状を見ていきましょう。
呼吸器疾患としては慢性気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などが挙げられます。
痰を取る働きや咳を止める働きがある漢方薬が処方されることが多いです。
漢方薬と相性の良い代表的な皮膚疾患は、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、皮膚そう痒症、ニキビ、シミ、イボ、乾癬(かんせん)などです。
食欲不振、慢性胃炎、過敏性腸症候群(IBS)、慢性便秘症などの消化器官系の症状の改善にも効果があるとされています。
妊娠悪阻(つわり)、習慣性流産、不妊症、更年期障害、生理不順、生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫など、女性特有の病気の改善を助けます。
アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、慢性副鼻腔炎、慢性中耳炎などの治療にも有効です。
漢方薬の効果は人によってバラつきがあります。また、一般的な治療薬に比べて副作用は小さいですが、まったくないわけではありません。
他の薬との飲み合わせもありますので、漢方薬はなるべく医師に処方してもらい、用法用量を守って飲みましょう。
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