記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
痛風は痛みを伴う疾患の中でも特に強い痛みが起こる病気として知られています。痛風を予防し、痛風発作の痛みを改善するにはどうすればよいのでしょうか? 今回は痛風を改善するために食事のときに気をつけることを解説していきます。
痛風の痛みを抑えるためには、尿をアルカリ性にする効果のある食べ物を摂ることが良いといわれています。以下に挙げる食べ物がおすすめです。
また、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、食品100gあたりプリン体50㎎以下をプリン体が極めて少ない食品、いわゆる低プリン食と位置付けています。
低プリン食は、プリン体量を低くした食事のことです。低プリン食の目的は、プリン体を完全に避けることではなく、食事に含まれているプリン体の量を制限して監視し、プリン体を含む食品を食べるとに体にどのような反応がみられるかを知ることを目的としています。
低プリン食には以下のものがあります。
1日の食事で摂っても良いとされるプリン体の目安の量は、400mgとされています。プリン体含有量が多い食品として、レバー(210~320mg/100g)、えび、いわし、かつお(210~270mg/100g)、白子(300mg/100g)がありますので、十分注意してください。
痛風の人はプリン体を置く含む食事を摂ると、代謝される際にできる尿酸がたくさんできてしまい、痛風を悪化させてしまうので、控えることが望ましいです。
控えたほうが良い食べ物や飲み物は以下のようになります。
痛風の人の約半数は、肥満や高血圧を同時に発症しています。その理由として考えられるのは痛風を発症する人の多くは、食生活の乱れや運動不足など好ましくない生活環境を過ごしていることが挙げられます。
また、痛風は血管にダメージを与える尿酸が増えるため肥満などの生活習慣病と相まって動脈硬化を引き起こし、高血圧を発症しやすくなります。さらに、動脈硬化が進行して腎臓の機能が低下すると尿酸を排出する機能も低下するため、痛風が悪化することも少なくありません。
このため、痛風を発症している人はプリン体のことに注意するだけでなく、肥満や高血圧などを発症している場合は減量や減塩、節酒などを心がけ、野菜中心のあっさりとした和食を摂るようにしましょう。
プリン体を抑えることは痛風予防に効果的とされていますが、痛風の予防・改善には体重を減らすことも大切です。ただし、絶食や急激な体重減少は体内の尿酸値を増加させることがあるため、急激に減らさないよう注意しましょう。
医師と相談しながら食生活を見直し、痛風の改善を目指してください。