痛風結節ってどうやって治せばいいの?

2017/8/16 記事改定日: 2019/11/11
記事改定回数:3回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

尿酸値が高い状態が続き痛風が慢性化していくと、関節などにコブができる痛風結節ができることがあります。これは、増えた尿酸が皮膚の下にもたまっていくことで起こりますが、放っておくと日常生活にも影響することがあります。
この記事では、痛風結節の治療や予防方法について解説していきます。

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痛風結節ってどういう症状?

痛風の発作が起こった後、適切な治療を受けずに放置していると、手足の関節や耳たぶ、肘、膝、アキレス腱などに、コブのようなものができることがあります。
このコブのようなものを「痛風結節」といいます

痛風は、血中の尿酸が増えすぎたために結晶となって関節にたまり、その結晶が白血球によって異物とみなされて攻撃を受けることで、「風が吹いても痛い」と表現されるほどの激痛が起こります。

痛み自体は10日前後で消えてしまいますが、そのまま治療せず時間が経つと痛風は慢性化します。痛風結節は、慢性化して増え続けた尿酸が皮膚の下にどんどんたまっていくことでできると考えられています。

痛風結節ができると、関節が動かしにくくなったり、大きくなった結節が靴や衣類などの摩擦が生じて皮膚に傷ができ、感染症の原因となったりすることもあります。
ただ、痛風結節自体には痛みを感じないこともあります。

痛風結節が破裂するのはどんなとき?

痛風結節の大きさは、大豆くらいからこぶし大のものまで個人差があり、大きなものになるとリンゴくらいの大きさになることもあります。
痛風結節が大きくなってしまうと、皮膚が耐えきれなくなって皮膚を突き破ってしまうこともあるのです。

皮膚を突き破って痛風結節が破裂してしまうと、皮膚が潰瘍となって重症の感染症を引き起こすことがあります。ひどいときには、手術で取り除く必要がでてくることもあるのです。

痛風結節は早期に適切な治療を受ければ薬を飲むだけで改善することもありますので、異変を感じた場合や、健康診断で尿酸値の異常を指摘された場合は、必ず病院を受診しましょう。

痛風結節はどうやって治療するの?

重症化していないものについては、痛風と同じように尿酸排泄促進薬や尿酸生成抑制薬を併用して尿酸値をコントロールする薬物治療が行なわれます。

痛風結節ができている場合、尿酸値の目標値は6.0mg/dl以下です。しっかり正常範囲内に収まるように努力する必要があります。

ただし、尿酸値を急激に下げすぎると痛風発作を起こすことがあるので、3カ月から6カ月の期間をかけて、ゆっくりと尿酸値を下げていきましょう。これを続けることで、結節は6カ月から1年程度でゆっくりと消失していくといわれています。

手術

なお、外科的な治療(手術)を行なうという方法もありますが、結節はとても硬いことが多く、手術で取り除くことは難しいです。

このため、たとえば足にできた結節で靴が履きにくい、大きくなった結節が神経や周りの組織を損傷する恐れがあるなど、具体的な障害が起こることが予想されるときに行なわれます。

痛風結節の再発は予防できる?

痛風結節は手術などを行って治療をしても、再発を繰り返しやすいのが特徴です。

再発を予防するには、尿酸値をコントロールすることがなによりも大切です。尿酸の元となるプリン体が多く含まれた食事を控えるのはもちろんのこと、定期的に検査を受けて尿酸値が高い場合は適切な薬物療法を続けるようにしましょう。

また、水分不足も痛風結節ができやすくなる原因となります。日ごろから十分な水分摂取を心がけるようにしましょう。

おわりに:痛風結節を治すには、尿酸値を下げるのがポイント

痛風結節に痛みはありませんが、放っておけば関節が曲げにくくなったり、神経を圧迫したり、破裂してしまう恐れがあります。痛風結節の治療は「尿酸値を下げる」ことが大切です。
医師から薬が処方された場合は指示通りに服用し、尿酸値が下がりやすくなるように生活習慣を見直しましょう。

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