記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/17 記事改定日: 2018/11/26
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
今回は尿路結石の発症の原因と予防のためにできることをご紹介します。
尿路結石の「激痛」を避けるためには、毎日の対策が重要です。今までなったことがある人も何度かなったことがある人も、他人ごとではありませんので、きちんと覚えておきましょう。
尿路結石とは、腎臓や尿管、膀胱、尿道の「尿路」にできるカルシウムの結晶のことです。尿路結石ができてしまう原因として、以下のものが挙げられます。
尿路結石は尿中のシュウ酸などから形成されるため、予防するためには食生活に注意する必要があります。
まず、尿路結石は脱水によって尿量が減少することで生じるリスクが高くなりますので、しっかりと水分を摂ることが大切です。紅茶などはシュウ酸を多く含むので、麦茶やミネラルウォーターを飲むとよいでしょう。
また、カルシウムは尿路結石の成分ですが、一日に600~800㎎程度摂取した方が結石を形成しにくいことが分かっています。牛乳やヨーグルトなどで必要な量をしっかり摂取するようにしましょう。ただし、摂りすぎは尿路結石の原因になることもあるので適量を守ることが大切です。
そのほか、お酢やミカン・グレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれるクエン酸は、シュウ酸とカルシウムの結合を抑える働きがありますので、積極的に摂りたい食材の一つです。
結石の原因となるシュウ酸を増やしてしまう、肉類などの動物性タンパク質の摂取を控え、
再発を防ぐための食生活では、水分をたっぷり摂ることが大事です。ただし、紅茶や緑茶、コーヒーはシュウ酸を多く含むため、なるべく控えましょう。
食品の中でリスクの高いものは、大豆製品、ナッツ類、チョコレート、タケノコ、さつまいも、レタスなどで、これらを過度に摂取すると高シュウ酸尿症になる場合があるので注意してください。また、塩分や糖分を摂りすぎないようにするため、外食やインスタント食品、スイーツも控えたほうがよいでしょう。
とくに食べすぎに注意してほしい食べ物として、プリン体の多いものが挙げられます。プリン体を摂るとは尿酸値が上がりやすくなり、結石を発症させやすくなる場合があるからです。
たとえば、カツオやサンマの干物や、えび、たらこ、うに、レバーなどの摂取量には充分注意しましょう。
適度な運動は尿路結石の予防につながります。
結石ができた場合でも、水分を多く摂った後に縄跳びやジョギングなど、体が上下する運動を行うことで結石の排泄を促す「水運動療法」と呼ばれる治療方法もあります。また、腹筋を多く使う運動は、尿管の蠕動運動を促し、微小な結石の排出を促進する効果がありますのでおすすめです。
ただし、強い痛みがあるときや熱があるときは、無理せず運動を控えた方がよい場合もありますので医師に相談してください。
食生活を見直し、適度な運動を心がけることで、尿路結石はある程度予防できます。しかし、より確実に予防するために、そして、結石が小さなうちから発見できるように、定期的に検査を受けることも大事です。
最近は食生活の変化により、女性にも尿路結石が増えているといわれています。自分は大丈夫と甘く考えずに、定期的に検査を受けるようにしましょう。
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