記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/21 記事改定日: 2018/10/4
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
大腸ポリープとは、大腸の内壁にできるイボのことです。いわゆる良性腫瘍ですが、ポリープは治療の必要があるのでしょうか。
この記事では、大腸ポリープの治療と予防について解説しています。
大腸ポリープとは、大腸の粘膜にある限局性の隆起(イボ)のことで、ポリープという言葉を使うときは、すべて良性を意味します。しかし、発見したときは良性であっても、それが腫瘍性のポリープだった場合は、放っておくと後からどんどん大きくなり、悪性に変化して大腸がんとなる可能性があります。
できたポリープが腺腫性ポリープでも、ポリープのうちは良性腫瘍です。ただし、放置しておくとこれもがんに変わる可能性があります。大腸がんの多くは腺腫にさらなる変異が加わったものとも言われているため、腺腫性ポリープも良性ですが治療はしたほうがよいでしょう。
良性大腸ポリープの段階なら、内視鏡で完治させることが可能です。
大きく2つの原因があります。ひとつは「体質」で、もうひとつは「食生活」です。
近年の欧米化する食生活により、私たちは肉類(脂肪分)をたくさん摂るようになっています。こうした食生活の変化が、大腸がんの増加を招いていることが示唆されています
以下のような体質、食生活に当てはまる人は注意でしましょう。
大腸ポリープは初期の頃は自覚症状がほとんどありません。そのため定期検診や人間ドックで初めて見つかることが比較的多いです。ただし、こうした健康診断などで行なわれている「便潜血検査」では、見逃してしまうこともあります。
しっかりと検査したい場合は、ポリープそのものの有無を調べたり、あった場合に大きさや形状、色などを確認できるように「大腸内視鏡検査」をしてもらいましょう。
この検査で、切除するべきポリープか腫瘍ががん化しているかなどを判断できます。判断が難しかった場合は、ポリープを切除し、病理組織検査が行なわれます。
なお、便潜血検査で陽性になった際には、必ず大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。
大腸ポリープは発症頻度の高い病気です。
すべての大腸ポリープに治療の必要があるわけではなく、大きさや形などから体に害を及ぼさないと判断されたポリープは、一年に一回程度の定期検査で経過観察を行うことがほとんどです。
しかし、大腸内視鏡検査などで腫瘍性のポリープが疑われた場合や経過観察中に大きくなったポリープは切除が必要となる場合があります。
良性の腫瘍やサイズの小さながんが疑われるケースでは体に負担が少ない内視鏡を用いた切除を行うことができます。
内視鏡切除には主に3つの術式があり、ポリープの根元に輪っかをかけて、根元をきつく縛って切除する「ポリペクトミー」、粘膜に薬液を注入してポリープを持ち上げ、輪っかをかけて切除する「内視鏡的粘膜切除術」、粘膜に薬液を注入して粘膜下層から電気メスでポリープを剥離する「内視鏡的粘膜下層剥離術」が行われています。
どの術式になるかはポリープの大きさや形によって異なりますので、医師とよく相談してみてください。
また、ポリープのサイズが大きく、がんが疑われる場合には内視鏡で切除できないこともあり、外科的な開腹手術が必要となることもあることは覚えておきましょう。
前述の大腸ポリープの原因となるような生活習慣を改め、体質改善に努めることが重要です。
たとえば、以下のようなことに気をつけます。
おわりに:大腸ポリープの疑いがあるときは、早めに病院で詳しい検査を受けることが大切
大腸ポリープを放置した結果、大腸がんになってしまうというのはよくある話です。とくに大腸がんは自覚症状の少ない疾患ですから、大腸ポリープのうちに発見することが大切です。定期的に、そして早めの検査を心がけましょう。
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