大腸腺腫は、がん化する!?治療や予防対策はどうすればいい?

2018/2/6 記事改定日: 2018/10/4
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

大腸ポリープは、大腸の中にできる腫瘍です。最も多い大腸ポリープは腺腫性ポリープと呼ばれるもので、発見されたときは良性であることが多いです。この腺種性ポリープが悪化して、がんになることはあるのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。

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大腸ポリープと腺腫性ポリープ

大腸ポリープは大腸の粘膜にできるイボのようなもので、小さい場合は何も症状が見られないこともあります。直腸とS状結腸によくでき、性質の違いによって腺腫性、過誤腫性、炎症性の3つに分類されます。

最も多いのは腺腫性ポリープです。腺腫性ポリープは大腸の粘膜の表面を覆っている絨毛のくぼみの中にある腺組織(腸液を分泌する部分)の表面にできます

腺腫性ポリープは、形態によってさらに3つに分類されます。管状の形態を持っている管状腺腫は、最も発生頻度が高いもので、このほかに絨毛の形態を保った絨毛腺腫もありますが、これはあまり発生しません。管状と絨毛の両方の形態を合わせもったもの(管状絨毛腺腫)もありますが、こちらも発生頻度がまれなポリープです。

腺腫性ポリープが「がん化」することはある?

腺腫性ポリープは大腸ポリープの中でも一番多いもので、大腸に100個以上の腺腫が見られるケースもあります。
このような状態のことを大腸腺腫症といい、そのまま放置していると大腸がんに発展することがあるのです。また、こういった特殊な例ではなくても、ポリープががん化する可能性はありますので、ポリープを放置していけません。

そして、腺腫性ポリープは、他の大腸ポリープに比べてがん化する危険が高いといわれています。
小さなものの場合には症状がありませんが、大きくなってくると便に血液が混ざるようになったり、ポリープが脱落すると下血をすることもあります。また、大きなポリープの場合は腸重積を起こしたり、肛門の外に出てしまうものもあります。
数年をかけて病状が進行し、その中の一部ががん化するのです。

大腸腺腫はどうやって治療するの?

大腸腺腫(腺腫性ポリープ)の段階では「良性の腫瘍」になりますが、その後にがん化する可能性があるポリープです。そのため、がん化する前に切除する必要があります。

切除は内視鏡を使って行われます。まず内視鏡を腸の中に挿入し、ポリープがある部位まで近づき、形状などを観察します。その後、ポリープにひもをかけるようにしてポリープの茎を締め、ちょうど良いところで焼き切ります。小さくて平坦なポリープの場合は、直接つまみあげて焼き切る方法をとることもあります。切り取ったら出血の有無などを確認し、内視鏡を体から出します。

大腸腺腫が再発することはある?

大腸腺腫は一度切除しても再発することがあります。このため、治療で切除したからといって定期検査を怠ると、気づかぬうちに再発して、悪性化するケースもあるのです。

大腸腺腫の再発リスクを上げる要因としては、前回の治療時に腺腫の組織を完全に取り切れなかったことが考えられます。治療の結果、再発をしてしまうのは患者にはどうすることもできませんが、いち早く再発に気づいて適切な治療を行うことができるよう、治療後も定期的な検査は必ず受けるようにしましょう。

大腸腺腫を予防するにはどうすればいい?

大腸腺腫の発症メカニズムはすべてが明確に解明されているわけではありません。
しかし、大腸腺腫は遺伝的な要因や、食生活の欧米化、便秘などの後天的な要因が発症に関与していると考えられています。

家族に大腸腺腫や大腸がんを発症したことがある人は、特に症状がなくても定期的に内視鏡検査を受けるようにしましょう。また、後天的な要因を少しでも減らすように、野菜や魚を中心とした和食を心がけ、高カロリー・高脂肪・高塩分な食事はなるべく控えることも大切です。

さらに、便秘が発症の引き金となることもあるため、食物繊維や水分をよく摂り、適切な排便習慣を身に着けるようにしましょう。

おわりに:大腸腺種はがんになるリスクが高い。できるだけ早く切除し、予防対策をとろう!

大腸にできる腺種性のポリープは、大腸ポリープの中でも最も多く発症するものです。初期の段階では自覚症状はほとんどありませんが、放置するとがん化する恐れがあります。検査などで見つかったら、できるだけ早いうちにポリープを切除し、再発予防のために生活習慣を見直しましょう。

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