記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/21 記事改定日: 2018/9/13
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
もし胃にポリープが発見された場合、手術が必要でしょうか?
また、手術はどのように行われるのでしょうか。
ポリープができる原因も含めて、解説していきます。
胃ポリープは良性で、胃がんなどの悪性疾患に進行するケースが少ないため、特別な治療を必要とせずに定期的な内視鏡検査で経過観察されることが多いです。
しかし、経過観察する中で徐々に増大して2cm以上の大きさになったものや出血傾向のあるもの、がんの可能性が否定できないものはポリープを取り除く治療が行われます。
胃ポリープの場合、多くは内視鏡で切除できますので開腹手術が必要になることはまずありませんが、内視鏡で切除した際に出血が止まらないなどのトラブルがあった場合には開腹手術に切り替える必要があります。
このように、胃ポリープの切除は体の負担が少ない内視鏡手術が可能ですが、リスクもあるため治療の適応は慎重に判断する必要があります。
胃ポリープとは、胃の内腔に向かって隆起したもので、胃の粘膜上皮に発生します。胃ポリープはおもに良性のものを指します。X線検査でもポリープの発見が可能ですが、内視鏡検査では組織の一部を取り、検査を行うことが可能です。
近年、この内視鏡検査の普及によって発見率が高まり、5%に達しています。ポリープそのものに自覚症状がないため、慢性の出血、癌の発生に注意が必要です。ポリープの種類は、最も多い過形成性ポリープをはじめ、胃底腺ポリープ、特殊なポリープとして腺腫などがあります。
過形成性ポリープは表面が赤くいちごのような凹凸があり、出血やびらんを伴います。腸上皮化生(胃癌と密接な関係を持つ組織)との関連はほとんどないため、癌化することはまれです。
胃底腺ポリープは、変色がなく表面が滑らかであることが特徴で、胃底腺の粘膜に数個以上発生します。これは女性に多く、放置しても問題ないポリープとされています。
腺腫は、ドーム型、平たいもの、花壇状など形はさまざで、灰白色で整った凹凸があります。年配の男性に多く、胃ポリープの中では、比較的癌化しやすいポリープです。
胃ポリープの原因は、慢性的な胃炎とされています。以下にそれぞれの原因を解説します。
過形成性ポリープの原因は、びらんに起因した粘膜の欠損により、修復するための粘膜の細胞が作られすぎてしまうからだとされています。また、ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)と関係している可能性も示唆されていますが、現在のところはっきりとは解明されていません。
現在のところ、はっきりとした原因は特定されていませんが、30〜40代の女性に多くみられることから、女性ホルモンの関係ではないかと考えられています。
また、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬の長期間使用で発生頻度が増すため、ガストリンと呼ばれる消化器系ホルモンとの関連性も疑われています。
現在のところ、はっきりとした原因は特定されていませんが、高齢者の萎縮した胃に発症することが多いため、ピロリ菌の感染が原因ではないかと考えられています。
胃腺腫ポリープは高齢者の男性に多く、男女比は4:1ほどです。胃の粘膜が腸の粘膜のように変異することが原因とも考えられています。
胃のポリープは、症状によっては経過観察で大丈夫な場合もあり、必ずしも手術が必要なわけではありません。医師と相談して、納得したうえで治療方針を決めましょう。
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