記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/29 記事改定日: 2018/11/28
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
周期的に大流行を起こすことがある「マイコプラズマ肺炎」ですが、そもそもなぜマイコプラズマ肺炎を発症してしまうのでしょうか?
この記事では、マイコプラズマ肺炎の感染経路や治療法、予防法など、全般的な情報をまとめました。
マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマという病原体に感染することによって起こる呼吸器感染症です。毎年秋の終わり頃から春先にかけて発症数が増え、発症者の多くが14歳以下の子供ですが、大人が発症することもあります。
マイコプラズマに感染すると、2~3週間ほどの潜伏期間を経て、発熱や頭痛、全身の倦怠感といった症状が現れます。その後3~5日経過した頃に、乾いた咳が出るようになります。この咳は、熱が下がってからも3~4週間続くという特徴をもちます。
マイコプラズマに感染した場合、初期には風邪と同じような症状のみが現れるため、様子を見て放置されることも少なくありません。しかし、以下のような症状が続く場合は、マイコプラズマ肺炎を発症している可能性があるため、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
マイコプラズマ肺炎の感染の原因は、感染者からの飛沫感染や接触感染によるものです。
話しているときや咳をしたときのしぶきを吸い込まないよう注意しましょう。
ただし、接触感染に関しては感染拡大のスピードが比較的遅いことから、濃厚な接触を通じて感染するものと考えられています。
マイコプラズマ肺炎に対しての特別な予防法はありませんが、一般的な風邪と同様に、手洗い・うがいをしっかり行うことが有効と考えられています。
また、感染経路は飛沫や接触によるものなので、感染の可能性のある人とはなるべく接触を避けることも大切です。
また他の人に伝染るのを防ぐためには、マイコプラズマ肺炎に感染した人自身が、マスクをつけることも大切です(咳エチケットと言います)。
マイコプラズマ肺炎を発症した場合は、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤などの抗生物質による治療が行われます。重症化すると入院して治療を行う必要があるため、疑わしい症状がみられた場合はすぐに病院を受診してください。
マイコプラズマ肺炎は特に治療を行わなくても、自然に治ることがあります。しかし、放置すると重症化することも少なくなく、胸水が溜まるようになって強い呼吸苦が現れることもあります。
重症化すると大人でも入院治療が必要になるケースもありますので、咳や倦怠感が続くなど何らかの不調を感じた場合は、なるべく早めに病院を受診して、適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
手洗いやうがいはあらゆる風邪や感染症を防ぐうえで有効な方法ですが、マイコプラズマ肺炎も、手洗いやうがいによって発症率を下げることができると考えられています。日頃から衛生習慣を整え、発症を未然に防ぎましょう。
また、マイコプラズマ肺炎は自然治癒することも多いですが、重症化することもありますので、疑わしい症状があるときは早めに病院を受診しましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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