マイコプラズマ肺炎は大人にも感染するの?治療や症状は子供と同じ?

2017/8/30 記事改定日: 2018/11/28
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「マイコプラズマ肺炎」というと子供の間で流行する感染症とのイメージが強いかもしれませんが、大人も感染することがあります。
では、もし大人が感染した場合、症状や対処法は子供と同じなのでしょうか?

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大人のマイコプラズマ肺炎の特徴は?

「マイコプラズマ肺炎は子供がかかるもの」と思っている方もいるかもしれませんが、マイコプラズマ肺炎は大人が発症することもある感染症です。例年、患者として報告されるものの約8割は14歳以下の子供ですが、中には大人の感染報告もあります。

症状や治癒までの期間は子供と同じ?

大人のマイコプラズマ肺炎の症状は、子供とは少し異なります。

マイコプラズマ肺炎は、2~3週間ほどの潜伏期間の後、最初に発熱、全身の倦怠感、頭痛といった症状が現れます。小さい子供の場合は加えて鼻炎症状が出ますが、大人の場合は出ないのが一般的です。

その後は乾いた咳が出始めますが、咳の様子も子供とは少し異なります。子供の場合は痰の絡んだ咳へと移行していくことが多いですが、中年以降の大人の場合は典型的ではありません(20代前後の若い大人の場合は、痰の絡んだ咳になることがあります)。

咳は徐々に激しくなっていき、喘鳴がみられる場合もあります。また、咳は熱が下がってからも長く続くという特徴があり、3~4週間も続くことがあります。

なお、発生率はそこまで高くはないですが、声のかすれや耳の痛み、咽頭痛、消化器症状、胸痛、発疹などが現れることもあります。

マイコプラズマ肺炎の治療方法や予防法も大人と子供で違うの?

大人のマイコプラズマ肺炎の治療法は子供とほぼ同じですが、多少異なる点があります。

まず治療については、抗生物質による治療が行われます。使用される薬はマクロライド系の薬剤が一般的ですが、大人にはテトラサイクリン系の薬剤が使われる場合もあります。

ちなみにマクロライド耐性マイコプラズマが増えてきており、その際は通常テトラサイクリン系の薬剤が推奨されています。なお、子供と比べて大人は重症化しやすい傾向があるため、場合によっては入院治療が必要になるケースもあります。

予防法

マイコプラズマ肺炎への予防法ですが、こちらは子供の場合と変わりません。マイコプラズマ肺炎に対しては特別な予防法はないため、日ごろから手洗いやうがいを行い、咳などの症状が出ている人にはなるべく近づかないといった基本的なことが大切になっていきます。

また、マイコプラズマ肺炎は接触だけでなく飛沫を通じても感染するので、咳が出ている場合はマスクをし、周囲の人に感染を広げないよう注意することも大切です。

子供から大人、大人から子供にうつることはある?

マイコプラズマ肺炎は感染者が大人でも子供でも、周囲の全ての年代の人に感染させる可能性があります。つまり、大人から子供、子供から大人に感染することがあるのです。
特に、家族に感染者がいる場合は、適切な感染対策を行わないと別の家族に感染させてしまうことが多々あります。

マイコプラズマは、感染者の唾液や鼻汁とともに排出され、飛沫感染や接触感染によって周囲に感染を広げます。飛沫感染や接触感染を防ぐには、マスクを着用し、こまめな手洗いと手指消毒が必要です。また、ドアノブや電気スイッチ、手すりなど手が触れる機会が多い場所はこまめにアルコール消毒をするとよいでしょう。その他、食器の共有はしない、飲み物の回し飲みはしないなどの対策も大切です。

マイコプラズマ肺炎は、症状が落ち着いても発症後6週間は、唾液や鼻汁と共に排出されます。治ったと思っても、感染する可能性がありますので、十分な期間感染対策を行うようにしましょう。

大人がマイコプラズマに感染したとき、会社は休むべき?

マイコプラズマ肺炎は学校保健安全法にて、第3種の感染症の「その他の感染症」と定められており、条件によっては「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまでの期間の出席停止の措置が必要」と考えられています。

先述のとおりマイコプラズマ肺炎は接触や飛沫によって周囲に感染する恐れがあるので、大人も同様に、医師の許可が下りるまでの間は出勤を控えるのが望ましいです。

おわりに:マイコプラズマ肺炎は大人にも感染リスクあり。日ごろから手洗い、うがいを忘れずに

マイコプラズマ肺炎は飛沫や接触を通じて感染するものなので、大人でも感染することがあります。一度発症すると咳が長引きやすい厄介な感染症なので、予防のために日ごろから手洗いやうがいを欠かさず行いましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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