不眠症とストレスの関係性とは!?どうやって対策すればいい?

2017/9/4 記事改定日: 2018/4/26
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

仕事で怒られたり、人間関係でトラブルがあって強いストレスと感じたときに眠れなくなってしまうこともあれば、不眠症が続くことでストレスを感じ、さらに不眠が進んでしまうこともあります。
この記事では、このような不眠症とストレスの相関関係について解説しています。対処法もあわせて紹介していくので参考にしてください。

ストレスで不眠症になってしまうのはなぜ?

日本の一般成人の約21%が不眠に悩んでいるという統計が出ており、不眠症はもはや国民病といっても過言ではありません。実際、「ストレスで眠れない」という話もよく聞くかもしれませんが、そもそもストレスで眠れなくなってしまうのはなぜでしょうか。

まず、ストレスは脳で生まれるものですが、脳だけではなく体全体に影響を与えます。影響を及ぼす部分は心血管系、自律神経系、免疫系、代謝系のホルモンや器官などさまざまですが、このうち不眠に影響するのは自律神経系と考えられています。自律神経系は血圧や心拍などの調整を司るものですが、ストレスによって自律神経系が乱れることで心拍が上がって興奮し、眠りにくくなってしまうのです。

【厚生労働省 ホームページを編集して作成】

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_sleep.html

不眠症とストレスの関係性 ― 眠れないこと自体がストレスの原因になることも!

不眠症によって良質な睡眠が妨げられると、それ自体がストレスとなって、交感神経が過度に興奮し、さらに不眠症状を悪化させると言う負のスパイラスが生じることがあります。
また、逆にストレスが原因で不眠が生じ、不眠自体が更にストレスの原因となって不眠症状が悪化するということもあります。
不眠とストレスは密接な関係があり、相互作用でどちらの症状も悪化させることがあるので注意が必要です。

不眠症とうつ病の関係性とは!?

不眠はうつ病の初期症状であることが多々あります。うつ病が原因で生じる不眠は、寝つきが悪いだけでなく夜中に目が覚めてしまう中途覚醒や朝早くに目が覚める早朝覚醒のタイプが多く、再び入眠することができず結果として睡眠不足が蓄積される状態となります。

また、不眠状態が長く続くと日中の活動性や集中力の低下が生じ、常に倦怠感があることから抑うつ状態になることもあります。つまり、うつ病が原因で不眠になると、不眠症状がさらにうつ病を悪化させ、うつ病が悪化すると更に不眠症状も悪化するという負のスパイラルが生じるのです。

ストレスによる不眠症の対処法:副交感神経の働きを高めて眠りを促す

眠れないときは、先述の自律神経系をうまくコントロールすることがカギになります。自律神経系には「交感神経」(活動しているときや緊張しているときに活発になる神経)と「副交感神経」(リラックスしているときに働く神経)があり、このうち副交感神経を活発にさせることこそが入眠のコツです。

副交感神経を活発にさせるおすすめの方法は、ぬるめのお風呂にゆっくり入り、好きな音楽を聞いたり読書したりして心身の緊張をほぐすことです。半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させてくれることがわかっています。

【 厚生労働省ホームページを編集して作成】

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html

不眠症の対処法:運動で眠りを促し、ストレスを解消する

ほどよい肉体疲労には、心地よい眠りを促す効果があります。午前よりも午後に、軽く汗ばむ程度の有酸素運動を長期的に行うのが効果的と考えられています。なお、激しい運動は刺激になって寝付きを悪くするので避けてください。
また、適度な運動はストレス解消の効果が期待できます。

ストレスによる不眠症の対処法:気になることを紙に書き出す

眠れないときは、考えていることや悩みを紙に書き出してみるのもおすすめです。書き出すことで頭の中がすっきりし、ストレスの原因をはっきりさせることもできます。そしてストレスの原因がわかれば、そのストレスと付き合っていくための方法が見出せるようになるでしょう。

精神科や心療内科に相談した方がいいの?

不眠に対しては様々なセルフケアがありますが、心身の異常によって生じる不眠をセルフケアだけで改善させることは困難であり、適切な治療が必要と考えられています。

一般的には精神科や心療内科を受診して、症状に合った睡眠薬が処方されます。
不眠と一概に言っても、寝つきが悪いのか、夜中に起きてしまうのか、など様々なタイプがあるため、不眠症状のタイプに合わせて睡眠薬が選択されます。
また、うつ病や不安障害などの精神疾患が原因になっていると考えられる場合には、抗うつ薬や抗不安薬などと併用されることが多いです。

セルフケアでよくならない不眠を放置すると、うつ病の発症や進行を引き起こすことがありますので、目安として一か月以上の不眠症状がある人は早めに精神科や心療内科を受診して治療を開始するようにしましょう。

おわりに:「眠らなきゃ」と意識しすぎないことも大切。ただし治らないときは専門医に相談を

眠れないときに、「もう夜中の1時だから寝なくちゃ」「6時間は寝ないと・・・」などと意識しすぎると、ますます眠れなくなってしまう可能性があります。眠るにはリラックスすることが大切です。ご紹介した方法を試しつつ、眠りやすい状態に心身をうまくコントロールしていきましょう。
ただし、長期間続く場合は不眠症が重症化するだけでなく、うつ病などの精神疾患を引き起こしてしまうことがあります。眠れないという悩みやストレスは、長く1人で抱え込まずに専門医にそうだんしましょう。

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