急性膵炎とは、どんな痛みがでる病気なの?予防はできる?

2017/9/4 記事改定日: 2018/10/13
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

膵臓とは、どこにあり、どんな働きをするのでしょう? 膵臓は、食べ物の消化に欠かせない大切な臓器です。この記事では、膵臓の病気の一つ、急性膵炎についてまとめました。

急性膵炎とは!?発症するとどんな症状が出るの?

急性膵炎とは、膵液に含まれる消化酵素が自らの膵臓を消化してしまうことで発症します。症状は、膵臓が腫れる程度の軽度のものから、死にいたるような危険なものまでさまざまです。

症状

急性膵炎の症状は病気の重症度によって異なりますが、典型例では上腹部(お臍の上の辺り)の激しい痛みで始まり、次第に痛みが強くなり数時間後にピークとなります。

上腹部の背中側の痛み(背部痛)も比較的特徴的な症状です。痛みと同時に、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
食欲不振・発熱・腹部の張った感じ・軟便や下痢もありますが、全く症状のない場合もあります。

重症の膵炎では上記の症状の他、ショック症状として意識の低下・血圧の低下・頻脈・チアノーゼなどが見られ、死亡する場合もある恐ろしい病気です。

急性膵炎の原因とは。何が原因で発症するの?

飲酒や胆石が原因で起こることが多いといわれていますが、原因が特定できないものも16%ほどあるとされています。
ほかには、薬によるもの、内視鏡的逆行性膵胆管造影検査に伴うもの、先天的な膵臓の形の異常(膵管癒合不全)、脂質異常症(中性脂肪が高い)などもあり、原因がわからない「特発性」もあります。

また、慢性膵炎の症状が急激に悪くなり、急性膵炎を起こす場合もあります。これを慢性膵炎の急性増悪といい、急性膵炎に準じて治療を行います。
男性においてはアルコールの飲みすぎが最も多く、急性膵炎の約半数、慢性膵炎の約80%弱となっています。

急性膵炎の治療法

治療は膵臓を安静にするために飲食を禁止し、血圧と血液循環を正常に保つために点滴輸液が行われます。膵臓内の消化酵素の作用を抑えるために、たんぱく分解酵素阻害剤・輸液の投与が行われ、重症例では感染症防止のために抗生物質を投与します。また、急性膵炎の激しい痛みを抑えるために鎮痛剤が投与される場合もあります。

感染性膵壊死がみられる場合に外科手術が行われることもありますが、最近は内視鏡的ドレナージで対処することが多いです。

回復期の食事の注意点

急性膵炎は症状がある程度落ち着いた回復期や回復後であっても食事に注意する必要があります。
回復期には膵臓に負担をかけないよう、脂質の少ない食材を選び、糖質を中心としたメニューを心がけましょう。また、たんぱく質やビタミン類が不足しないように、脂質の少ない大豆製品や魚介類、赤身の肉などを多く取り入れ、消化の悪い食物繊維は控えめにします。

回復後は、回復期ほど厳密に食事制限を行う必要はありませんが、油分の多い揚げ物や肉類を控えめにしてなるべく食化の良い食事を摂るようにしましょう。
また、回復期・回復後を通してアルコールは控えることが大切です。特に回復期はアルコールを摂取すると症状が悪化することもありますので、厳密に禁酒する必要があります。

急性膵炎は予防できる?

急性膵炎は生活習慣を改善することで発症や再発を予防することができます。
急性膵炎の最も多い発症原因は長期間にわたる過度な飲酒です。アルコールは一日純アルコール20gまでなら摂取しても健康に問題はないとされています。これはビールでは500ml缶一本、日本酒では一合に相当します。
急性膵炎の再発を繰り返す場合は禁酒する必要がありますが、発症したことがない人は適度な飲酒量を守るようにしましょう。

また、脂肪分の多い食生活を続けることも急性膵炎を発症するリスクとなります。タンパク質、炭水化物、脂肪とバランスの取れた食生活を心がけるようにしましょう。

おわりに:再発を防ぐためにも、回復後の飲酒は控えめに

急性膵炎は、慢性膵炎にもつながる恐ろしい病気です。再発を防ぐためにも、飲酒は控え、健康的な食生活を心がけましょう。

少しでも不安に思う症状がみられたら、すぐに病院を受診しましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

膵臓(14) 急性膵炎(16) 慢性膵炎(15) ショック症状(1)