記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
黒ウコン(黒しょうが)は植物の根で、催淫剤とグルコース支援剤であるとうたわれていますが、テストステロンと性欲に与える影響はまだ研究されていません。様々なメカニズムにより(僅かに)勃起作用をもたらすかもしれません。
黒ショウガ(Kaempferia Parviflora)はクラチャイダム、黒ウコンとも呼ばれますが、タイとその周辺地域のみにおいて、代謝に関連する病気の治療や活力を高める目的で、歴史的に医薬品として用いられてきました。加えて精力や活力を増強するという報告もあります。
現在、黒ショウガの研究は途上であり、臨床試験が始まっています。メトキシフラボンというフラボノイド(ポリフェノールの一種で様々な健康効果があります)がおもな薬効成分のようです。
マウスを検体として行われた催淫効果の研究の結果では、低用量では弱〜中程度の効果がありますが、高用量では催淫効果はまったく得られませんでした。
また、正常なマウスのテストステロンは増加しないようです(去勢されたりしてテストステロンの低いマウスでは異なる結果が出るかもしれません)。
勃起機能を促進する様々なメカニズムがあるようですが、その生体系における有効性の試験はされていません。勃起機能を促進する仕組みはかなり独特で興味深いものです。
シルデナフィルと同じようにホスホジエステラーゼ5(PDE5)を選択的に阻害することが可能かを検証する実験においては、選択的に阻害するという作用は確認できなかったようです。
健康な60歳を越えた人の心肺機能を改善するという研究結果が出ていますが、逆に若者を対象に行った研究では同じような結果は見られませんでした。
現段階では、黒ショウガに勃起機能を促進する効果はあまり期待できません。実質的に他のサプリメントよりも良い効果は報告されていません。
ケンフェロール(単離したフラボノイド)、ウコン(見た目は似ていますが、活性化合物が違います)
伝統的な黒ウコンの用量は小さじ0.5-1の粉末で、運動の1-2時間前に飲みます。これは、Thai traditional medicine instituteが推奨する1日1.2gに近い数値であり、ある臨床試験(この試験では、はっきりと効果を指摘するには至りませんでした)でも1.35gの黒ショウガが用いられました。
一般的な健康効果については、低用量で効果が発揮されると言われていますが、その至適用量を推奨するには裏づけが不十分です。