慢性膵炎の特徴とは!?どんな痛みや症状が出るの?

2017/9/4 記事改定日: 2018/10/13
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

膵臓は消化やインスリンの分泌に関わる大切な臓器です。
この記事では、慢性膵炎の症状や原因治療法について解説していきます。日頃の健康管理の基礎知識として役立ててください。

慢性膵炎とは!?

膵炎とは膵臓に炎症が起きている状態をさし、急性膵炎と慢性膵炎、その他には自己免疫膵炎などがあります。

検査では、膵臓から分泌される消化酵素のアミラーゼ(炭水化物を消化する酵素)やリパーゼ(脂肪を消化する酵素)、トリプシン(たんぱく質を消化する酵素)などが血液や尿中に漏れ出ているかどうかを確認します。

慢性膵炎は文字通り膵臓に慢性的な炎症が起きている状態です。炎症が慢性的に起きていることで膵臓には線維化が起こり、それに従って外分泌能や内分泌能といった膵臓の大切な機能が失われていきます。

慢性膵炎の症状は、急性膵炎と違うの?

慢性膵炎の症状として、急性膵炎の症状のほか、外分泌機能の低下による体重減少、脂肪便、食欲低下、全身倦怠感などの症状がみられます。
また、インスリンの内分泌機能が低下したことにより糖尿病が発症する可能性があります。糖尿病の症状としての喉の渇き、多尿などが見られることもあります。

膵液の通り道の膵管が細くなること(膵管狭窄)や、膵管の中に膵石ができることで、膵液がうまく流れなくなり、痛みが起こるときがあります。
膵液が腸にうまく流れないと、膵臓やその周囲に膵液が漏れ出し、仮性嚢胞と呼ばれる膵液のたまりができます。
また、膵臓が痩せ、膵液の分泌が不足して、脂肪の消化・吸収が悪くなります。その結果、やや黄色みを帯びた白色の、量の多い、脂の浮いた脂肪便となります。

痛みが起こりやすい部位

慢性膵炎で痛みが起こりやすい部位は、みぞおちや背中です。発症初期には、食後や飲酒後に非常に強い痛みが発作のように襲います。それらの痛み発作を繰り返す中で、慢性膵炎は徐々に悪化していきます。そして、7年ほどの期間をかけて膵臓に不可逆的な変性を生じますが、この頃には強い痛みが生じることはほとんどなく、みぞおちや背中に違和感を覚えるのみであるケースが多いとされています。

膵臓は不可逆的な変性を生じると、元の状態に戻ることはできず、がん化や糖尿病など様々な合併症を引き起こします。そのような状態を防ぐためにも、早期発見・早期治療が非常に大切です。みぞおちや背中に定期的な痛みが生じる場合には、なるべく早めに病院を受診して検査を受けるようにしましょう。

慢性膵炎の原因は?

慢性膵炎の原因としては、飲酒によるもの(アルコール性)が最も多く(約65%)、喫煙も慢性膵炎になるリスクが高いといわれています。また、脂質異常症・副甲状腺機能亢進症なども原因になります。

その他にも、原因のわからない特発性膵炎も約20%近くの患者がいるとされ、ごくわずかですが遺伝子の異常によるものもあります。

男性ではアルコール性が最も多く70%を越え、女性では特発性が40%と最も多く、男女別での違いがあることが報告されています。

慢性膵炎の治療法

腹痛の治療には痛み止めと絶飲食によって膵臓を安静にする治療を、再発・進行予防にはたんぱく分解酵素阻害剤を、膵臓の外分泌機能の補充には消化酵素薬を投与、膵石に対しては手術や破砕術というように、慢性膵炎の治療法は症状により異なります。糖尿病に進行した場合には、インスリン治療が必要となります。

過剰な飲酒が原因の膵炎の場合は、適正な飲酒(1日に2ドリンク以下すなわち日本酒なら1合以下、あるいはビールなら中ビン1本以下、あるいは焼酎なら200mLのコップ半分以下)や、バランスの良い食事を腹八分目に摂取することが大切です。

慢性膵炎では、アルコール性肝炎と同様アルコール依存症になっている場合が多いといわれています。アルコール性慢性膵炎の診断を受けたら断酒が必要ですが、特に糖尿病になっている場合には断酒ができないと治療ができません。どうしてもお酒が止められないという人は、アルコールの専門病院への受診を検討しましょう。

おわりに:アルコールや食事などを見直して、症状が悪化しないようにしよう

今まで見てきたように、膵臓はとても大切な臓器ですが、悪くなってもあまり症状が現れないことが多いのです。アルコールや脂質の多い食事を見直し、アルコールを制限し、健康的な食生活を心がけましょう。

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