大人の鼻血はストレスが原因!?気をつけた方がいい鼻血の特徴は?

2017/9/4 記事改定日: 2019/9/17
記事改定回数:2回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

子供よりも少ないですが大人も鼻血を出すことがあり、ストレスが原因で鼻血が出ることもあります。
今回は、ストレスが原因の鼻血の対処法について解説します。

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ストレスで鼻血が出るのはなぜ?

ストレスは自律神経のなかの交感神経を刺激し、血管を収縮させる作用があります。
そのため、ストレスが長期間続くと血圧が上昇することがありますし、急激に大きなストレスがかかったときには血圧が急上昇することもあります。

鼻の中の血管の多くは非常に細い毛細血管のため、血圧が急激に上昇すると破れてしまい、その結果として鼻血がでることがあるのです。
また、ストレスは体の組織にダメージを与える活性酸素の放出を流し、血管組織へダメージを与えることがあります。すると血圧の上昇と相まって弱くなった毛細血管が破れやすくなります。

ストレスによる鼻血の対処方法は?

根本的な解決にはストレスの解消が必要です。
しかし、大人には会社など「避けられない人間関係」もありますので、即座に解消するのは難しいこともあるかもしれません。

もし、完璧にやり遂げないと気がすまない、物事を気にしすぎるなどのような「考え方のクセ」があるようなら、ストレスの解消はさらに難しくなることもあります。

まずは以下のように生活習慣を改善して、ストレスに強い体を作るように心がけてください。

  • 規則正しい生活をおくる
  • タバコやお酒をやめる。もしくはほどほどにする
  • 好きなことや、楽しめることに没頭する時間をつくる
  • ウォーキングやサイクリングなど、適度に運動を始める
  • 栄養バランスのとれた食事を、決まった時間に摂る

ストレスに強くなる栄養

ストレスに強い身体を作るには、第一に身体を作る上で重要なタンパク質を摂ることが重要です。
また、カルシウムやマグネシウムは気分を落ち着かせる作用があるとされており、イライラなどが原因となる自律神経の乱れを正す効果が期待できますので積極的に摂るようにしましょう。

そのほかにも、ビタミンB群やビタミンC、ビタミンEなども抗ストレス作用があるとされており、カルシウムの吸収を促進するビタミンDなどの摂取もおススメです。

このため、ストレスに強い身体を作るには、良質なたんぱく質やカルシウム、ビタミン類を多く含む乳製品や大豆製品、魚介類などを多く摂るようにしましょう。

大人は「病気が原因の鼻血」に注意!

子供の鼻血のほとんどはギーゼルバッハ部位の粘膜が大人と比べて弱いことが原因です。
キーゼルバッハ部位とは鼻の穴を仕切る鼻中隔の前方にある、さらに毛細血管が密集しているところで、子供では少しの刺激でも出血してしまうことがあります。

子供は鼻を強くかんだり、無意識に鼻の穴の中をいじることがありますから、どうしても鼻血を出す頻度が上がることも原因のひとつといえるでしょう。
また、風邪やアレルギー性鼻炎が原因で鼻血が出ることもあります。
いずれにしても、大半はそこまで心配するような鼻血ではありません。

ただ、大人は「疲れ」や「寝不足」「ストレス」のほかに、何らかの病気が原因で鼻血が出ることがあります。

  • 止血をしたのに30分以上鼻血が出続ける
  • 3日に1度は鼻血が出る

などの場合には、以下で説明するような病気が隠れている可能性があります。

鼻血の原因になる病気

鼻血の原因になる病気として最も多いのが、高血圧です。鼻の内部にある血管は脆い構造の毛細血管であるため、血圧が高い状態が続くと徐々に構造が破綻し、血管が破れるリスクが格段に高くなります。

また、高脂血症や糖尿病は、血管の内膜を傷つけ動脈硬化を引き起こします。鼻血が出やすい人は、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が隠されているかも知れませんので、早めに検査をしてもらいましょう。

また、白血病やがん、血友病などの「出血を起こしやすい病気」も鼻血の原因になることがあります。これらの病気が原因の鼻血は、止まりづらく、再出血しやすいのが特徴です。

このように鼻血には恐ろしい病気が隠されている可能性もありますので、鼻血を繰り返すようなときには必ず病院で検査を受けましょう。

鼻血と頭痛の両方があるときはとくに注意!

鼻血といっしょに頭痛が起こるという人はとくに注意が必要です。
頭痛はストレスでも生じますが、高血圧などの病気が関係していることもあります。

とくに問題なのは、鼻の中や鼻の周囲にできた「がん」が原因のときです。
鼻の中は「がん」が比較的できづらい部位ではありますが、頭や咽頭などにできたがんは鼻血を引き起こすことがあります。

これらの病気があるときは高い割合で頭痛も併発します。つまり、頭痛を伴う鼻血は重篤ながんが隠れている可能性があるということです。
頭痛と鼻血が頻繁に起こる場合は、なるべく早めに病院を受診しましょう。

鼻血の正しい止め方とは?

鼻血が出たときは、以下の順序で止血しましょう。

  1. まず静かに座り、指で鼻の両側をつまんで10分程度圧迫する
  2. 顔は下向きにし、つまんでいる手を離さないようにする

顔を仰向けにして横になる止血方法は、鼻血がのどに流れ込んで飲み込んでしまったりするうえに止血の効果もありません。
必ず上記の体勢をとるようにしてください。

ティッシュを使うときの注意点

鼻血が出ると、鼻の中にティッシュを詰める人もいますが、これは

  • ティッシュで鼻の粘膜を傷つける
  • 細かくなったティッシュの破片が鼻の奥に入り込んでしまう

ことがあるので、行わないようにしましょう。

鼻血で洋服などを汚さないようにするには、鼻の入り口を軽く押さえる程度にしましょう。

おわりに:鼻血が止まらない、頻繁に出る場合は病気の可能性が

大人の鼻血はストレスが原因のこともありますが

  • 鼻血が止まらない
  • 頻繁に鼻血が出る
  • 鼻血と頭痛が併発する

などの場合は、単なるストレスではなく「何かの病気」を患っている場合があります。早めに病院を受診しましょう。
また、ストレスが原因の鼻血と思われるときは、生活習慣を改善してストレスに強い体を作るように心がけてください。

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