オオバコ(Psyllium)

2017/9/6

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

オオバコは、オオバコハーブという植物から得られる食物繊維です。食事で摂取した脂肪酸やコレステロールと結合することができ、便の水分と量を増やします。

概要


オオバコはプランタゴ・オバータ(Plantago ovata)として知られる植物から得られる繊維です。

オオバコの食物繊維は、水溶性食物繊維が多くゲル状になります。オオバコは水分を取り込んで便の量を増やす便秘薬として用いられています。センナなどの便秘薬に比べると腸への刺激は少ないです。

オオバコは便の大きさと水分を増やすことが証明されており、オオバコを摂取をしている場合の便は、より柔らかく、スムーズに出てくるようになります。

また、オオバコは血中の総コレステロールを減らしてLDLを減らしてくれます。

これは腸でオオバコが胆汁酸吸収するためと言われています。胆汁酸はコレステロールから作られますが、失われた胆汁酸を補うために血中の余分なコレステロールが新しく胆汁酸を作られるために使われるためです。これは全ての食物繊維に共通することなので、オオバコ特有の性質ではありません。

オオバコを摂取することで血糖を多少減らすことができるようです。これは糖尿病の方には役立つかもしれません。過度に効果的というわけではありませんが、オオバコを摂取していれば確実に効果が得られるようです。オオバコの摂取を止めることで血糖値が減るという効果もなくなりますが、これはオオバコだけというよりも全ての水溶性食物繊維に共通して言えることかもしれません。

オオバコは大量に摂取するとお腹を満たして食欲を抑える作用があると言われていますが、この効果はそこまで強力なものではないようです。オオバコを用いた長期的な研究では、オオバコによる体重減少効果は見られませんでした。これは、オオバコは体重管理のために使用することには向いていないということを示唆しています。

基礎知識

注意事項

オオバコは殻や粉末の形で摂取することができますが、最も一般的な目的で使用する際には、どちらの形状でも大きな違いはありません。

摂取方法


5gを食事の際に200mL以上の水と一緒に服用します。必要であればこれを毎食摂取することもできます。必ずしも食事と一緒にオオバコを摂取する必要はありませんが、水と一緒に摂取することは強くお勧めします。

十分な水を取るのであれば30gまでの量は摂取することができるようです。

便形成の目的でオオバコを使用する場合、毎日15g摂取する(5gを1日3回摂取する)ことから始めると良いでしょう。その後、その効果によって量を増やしたり減らしたりしましょう。

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