記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
サフランは、一般的に香辛料として用いられています。少量の補給は抗うつの作用があるようです。
サフラン(秋咲きクロッカス)は世界で最も高価な香辛料です。生産時の労働コストが高いことから供給量が限られています。
サフランは伝統的に料理の味付けに使用されてきましたが、ときに医薬としても用いられました。最近の研究においてサフランの持つ抗うつの性質が試験されています。
サフランの抗うつ効果はセロトニン代謝に関連しています。間食の減少や気分の高揚といったサフランの副作用は、体内のセロトニンの活動が増加した結果と考えられます。このメカニズムのはっきりとした機能の解明には、さらなる研究が必要です。
サフランのサプリメントは香辛料の抽出物を乾燥したものなので、食事からの摂取はサプリメントでの補給と同様の効果をもたらします。サフランの安全域は広くないため、補給時には注意が必要です。標準的な1日あたりの服用量は30mgで、8週間まで服用が続けられます。倍量の服用でも体にとって有害になることがあります。サフランの補給の安全性を断定するには、さらなる研究が必要です。より多くの情報が得られるまでは慎重に補給するのが良いでしょう。
ターメリック(ウコン)
・伝統的に妊娠中絶薬として使用されてきたことと、(滅多にありませんが)高用量(200-400mg)の服用による膣からの不正出血が報告されているため、妊娠中のサフランの補給は控えたほうが安全かもしれません。
・サフランの長期的な使用(継続して8週間を超える期間)は、推奨用量の倍量の服用と同様に体に有害になる可能性があるため、慎重に行いましょう。推奨用量の倍量は比較的少量(60mg)であり、香辛料として用いられた際にこの量を超えることがあるかもしれません。
長期投与の場合は、15mgのサフランを1日2回服用しましょう。定期的な投与においては、これが推奨用量の上限です。倍量を服用することで8週間を超えて継続的に服用すると、毒性の作用がもたらされることがあると予備的証拠が示しています。急性の単回投与ならば、200mgまでの服用が可能です。
サフランは、柱頭(赤い部分、香辛料として用いられる)を水で抽出したものを飲むことで、もしくは、乾燥した柱頭自体を使用することで補給できます。サフランの花弁にも効果があることがいくつかの研究結果が示唆しています。
サフランは、1日2回サプリメントで服用、もしくは食事の際にスパイスとして摂取できます。
1,200mg以上の服用は、吐き気と嘔吐を招くことがあります。