記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
スケレティウムは、カンナとして知られているハーブです。カンナは、伝統的に精神活性ハーブとして知られています。幻覚を起こさせたり、習慣性があるということは知られていませんが、その認知効果のために、狩りなどのストレスのかかる事の前に摂取します。
限定された証拠では、応答時間の短縮や記憶などの認知能力の多くのパラメーターの向上などは示されていませんが、状態不安が弱まるかもしれません。状態不安とは、ストレスが強くかかる出来事(認知試験や身体試験など)の間に経験する不安の増加のことを指し、この出来事の前にカンナを投与することによって経験する不安の程度が軽減され、行動に対して不安が及ぼす有害な効果を減らすことができます。
なぜカンナがこのような効果を引き起こすのかというメカニズムは決定的には分かっていませんが、脳の扁桃体(感情形成の中枢となる部分)に影響を与えること、セロトニントランスポーターとホスホジエステラーゼ4(PDE4)という酵素の両方に抑制効果を与えることが知られています。この2つのタンパク質は、どちらも扁桃体の中に存在しています。
現時点ではカンナを推奨するための証拠は十分ではありませんが、状態不安を軽減するという主要な効果は期待できるようであり、試験されてはいないもののその他の主張(抗うつ作用など)もいくつかあります。
・カンナは幻覚を生じさせると言われていますが、単独で摂取した場合にはこの性質は現れないようです。
・セロトニントランスポーターに対して親和性があるため、カンナはSSRI調剤と相互に作用する可能性があります。
カンナは経口投与(カプセル)の形で研究されてきましたが、伝統的には葉を噛んで唾を飲み込むことで同じような効果を得ていました。
最適な摂取頻度(ストレスのかかる日にのみ摂取するのか毎日摂取するのか)は現在でははっきり分かっていません。