記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/8 記事改定日: 2019/1/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
中耳炎は、子供だけがかかるものだと思っていませんか?
実は大人も中耳炎になることがあり、重症化することが多いのです。
この記事では大人の中耳炎の特徴について解説しています。中耳炎を内耳炎や髄膜炎などに発展させないよう、大人のお中耳炎の治療の注意点と予防対策をチェックしておきましょう。
大人の中耳炎も、鼻や喉の奥から細菌が耳管を通じて感染することで発症することがほとんどであり、風邪や鼻のかみすぎ、飛行機での移動やダイビングなどが主な原因だといわれています。
大人の耳管は子供より長く、角度がついているため(子供は水平に近い)、大人は子供よりも中耳炎にはなりにくいとされています。
ただ、大人が中耳炎になると症状が重くなることが多く、治癒までに時間がかかることがあるので注意が必要です。
大人の中耳炎の症状は以下の通りです。
治療で改善がみられますが、かなりの激痛となることが多いといわれています。
大人の中耳炎の場合でも、治療の中心は内服(消炎鎮痛剤、抗生物質など)や注射(抗生物質が必要なとき)です。
耳だれが出ず、鼓膜に強い圧力がかかっている場合は、中耳の減圧を目的として鼓膜切開が行われます。
鼓膜切開はイオントフォレーゼという麻酔をしてから行いますが、鼓膜の痛みを感じる神経が麻痺していることも多く、麻酔を行わずに切開することもあります。
切開した傷は自然に治るので心配いりません。
何度も中耳炎を再発する場合は、アデノイドが原因による細菌感染や滲出性中耳炎などが疑われるため、より詳しい検査を行い、原因にあわせた治療が行われます。
大人の中耳炎は炎症が慢性化しやすいため、一般的に治療期間は長くなります。
治療は原因に合わせた抗生物質の服用が主体となりますが、1~2か月ほどの服用が必要になることも少なくありません。
また、治療期間はそれぞれの症状によって異なります。あくまで目安は1~2か月ですが、当然ながらそれ以上の治療が必要になるケースもあります。治療は医師の指示があるまで必ず継続するようにしましょう。
中耳炎は、鼻をすする癖のある人や鼻を強くかむ人に発症しやすくなります。中耳炎を予防するには、こまめに鼻をふき取るなど正しい鼻のかみ方を心がけるようにしましょう。
また、中耳炎は、鼻炎や咽頭炎、副鼻腔炎などの炎症が中耳内に波及することで発症することが多いです。中耳炎への進行を防ぐには、これら上気道症状がある場合、放置せずに適切な治療を行ってしっかり治すようにしましょう。
さらに、大人はストレスや疲れが溜まると、免疫力が低下しがちになります。免疫力を維持して中耳炎の発症を抑えるためにも、十分な睡眠や休息時間を確保するようにしましょう。
大人は子供にくらべ中耳炎になりにくいですが、なったときは痛みが強く、症状も長引く傾向があります。
症状が軽い中耳炎や仕事が忙しいときの中耳炎は放置されがちですが、中耳炎の症状がみられたらすぐに耳鼻科を受診し、医師の指示通りに最後まで治療を続けましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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