記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
テアニンは、食事の中ではあまり見られることのないアミノ酸です(必須アミノ酸でもありませんし、よく知られている非必須アミノ酸でもありません)。L-オルニチンやL-シトルリンと同じような非食餌性アミノ酸(nondietary amino acid)であると考えられています。テアニンにはグルタミンとそこから作られる神経伝達物質(γ-アミノ酪酸とグルタミン酸)と似たような構造を持っており、経口摂取によって脳まで届いて脳内で活動することが知られています。
テアニンの性質は、鎮静作用なしにリラックス作用因子となる(リラックス作用はあるものの鎮静作用もあるレモンバームなどのようなものと比較できる)ということにまとめることができますが、ストレスの認知を減らし、注意力を少し改善することとも関係があります。テアニンには睡眠誘発作用はないようですが、睡眠の助けとなる(効果は非常に弱い)かもしれません。ただし、睡眠ための第一線の治療法として使うことはできないかもしれません。
興味深いことには、テアニンの持つ鎮静作用を伴わないリラックス効果や注意力を促進する効果は、多くの刺激剤の「優位性」を弱めるという点において、最も大きな補充的役割を持っています。テアニンをカフェインと組み合わせる(どちらも200mg)ことによって、認知や注意を促進させる相乗作用が現れます。
緑茶や紅茶の摂取と関連して、緑茶カテキンやテアフラビンよりもテアニンの含有量をより反映していると考えられる健康上のメリットがあり、これは心血管の健康(テアニンは一酸化窒素を抑制するため)といくつかの認知効果に関係があると考えられています。
・テアニンにはリラックス効果がありますが、鎮静作用(睡眠誘発作用)は引き起こさないようです。
テアニンは、100~200mgの量を摂取することが多く、通常カフェインと一緒に摂取します。