小耳症(しょうじしょう)とは ~ 生まれつき耳が小さい症状 ~

2017/9/14

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

小耳症は、生まれつき耳が小さいことが特徴の疾患です。小耳症は、治療ができるのでしょうか? 今回の記事では、小耳症の症状や治療法について解説します。

小耳症とは

小耳症とは、生まれつき耳が小さいあるいは、耳介に奇形(全部~1部分の欠損)がある状態の耳のことをいいます。小耳症の発生頻度は1万人に1人程度とされ、非常に稀な疾患です。外耳道閉鎖症(耳の穴がふさがっている状態)の合併が多くみられます。

小耳症の原因

小耳症は、母親が妊娠三ヶ月以内に、第1第2鰓弓(妊娠4週目頃に盛りあがってくる、耳のもとになるもの)に何かしらの異常が発生し、器官形成の発育不全が起こることが原因と考えられています。外的要因や遺伝との関係性が示唆されていますが、現在のところはっきりとわかっていません。

小耳症の4つの分類

小耳症は、その症状から4つに分類されます。

第1度

健常な耳介より少し小さいが、ほとんど差がみられません。外耳道が閉鎖している場合があります

第2度

耳たぶや耳珠がほぼ健常な耳介と同じ形をしていて、更に多少大きさに差はあっても耳甲介が存在しており、その上方に軟骨を含む残存耳介がみられるタイプです。

第3度

最も多い小耳症で、ピーナツタイプやソーセージタイプと呼ばれることもあります。耳の形は、耳たぶとなる部分の上方に軟骨を含む皮膚の小さな隆起があります。

第3度(無耳症)

残存耳介は、耳たぶとなる部分のみが残っているだけの小耳症です。頬の骨などの欠損がみられる場合もあります。

外耳道の閉鎖

小耳症は、外耳道(耳の穴)の閉鎖がみられることが多いです。そのため、耳が聞こえにくかったり、ほとんど聞こえなかったりといった状態になります。
また、両耳が小耳症の場合は、適切に音が入らないため、学習能力や言語発達に遅れがでる可能性があるため、骨導補聴器の使用が推奨されるケースもありが、片耳だけの場合であれば反対側の耳は健常者の耳と変わらないため、そのような心配は少ないといわれています。

顔の骨にも症状がみられることがある

小耳症の場合、顔骨の形成も不完全であることが多く、小耳症側の上下のあごの骨が小さく形成されてしまう場合もあります。また、顔の左右非対称が顕著になることもあるなど、症状は人によって異なります。

小耳症の治療法は手術のみ

小耳症を治療するためには、手術以外の方法はありません。耳介を形成するために、自身の肋軟骨を使用して移植されることが一般的であり、母親など血縁者の肋軟骨や、シリコンなどが使用される場合もあります。

手術の時期の決定は非常に難しい問題ですが、自身の肋軟骨を使用する際はある程度の大きさの軟骨の採取に耐えられる年齢でなければいけません。また、手術で作った耳は成長しないため、ある程度の大きさの耳をつけても耐えられるだけの体格も必要になります。これらの条件を満たさなくていけないということから、10歳前後に手術するケースが多いようです。
小耳症は手術を受けることで、本来の耳とかわらないようなものを再現できるといわれています。

おわりに:耳に違和感があったら、医師と相談して今後の方針を決めよう

小耳症は生まれつきの疾患ですが、慎重な計画と信頼できる医師のもとで手術をしてもらうことで改善が期待できます。もし子供に耳が小さいと場合は、まずは医師に相談しましょう。

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