不妊解消には食事が大切!?妊活成功のコツとおすすめレシピとは

2017/9/19 記事改定日: 2018/7/26
記事改定回数:2回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

最近、メディアなどでもよく取り上げられる言葉「妊活」。こうしたメディアの影響や、晩婚化、高齢出産の増加によって、ますます「妊活」に励む人は増えています。
ここでは、不妊解消のための食事の摂り方や運動方法について解説します。
妊活に励んでいる人やこれから始めようと思っている人は参考にしてください。

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不妊を解決するための食事 ― 妊娠を助ける栄養素

女性、そして妊婦にとって、いろいろな栄養素をバランスよく摂ることが重要ですが、ここでは、とくに妊活中に摂ったほうがよい栄養素を挙げてみます。

葉酸

ビタミンB群の一種で、妊活中の女性が摂取すべき栄養素としては最も重要でポピュラーな栄養素です。子宮内膜の環境を整え、受精卵の正常な着床を促す作用があり、血液を作る働きや、正常な細胞分裂をうながす働きもあります。また、胎児の健康リスクも減らしてくれる作用も期待できます。

厚生労働省が1日の推奨量としているのは、18歳以上の女性で240μg(マイクログラム)、妊活中の場合はサプリメントなどを使って「プラス400μg(計640μg)」の摂取が望ましいとしています。

また、葉酸は精子の質も高めてくれるため、パートナーとともに葉酸サプリメントの摂取を、食事のルーチンに取り入れてみるのもよいかもしれません。

たんぱく質、ビタミンE、亜鉛

女性ホルモンの分泌をうながしてくれる栄養素です。また、たんぱく質は、人間の体のあらゆる要素をつくってくれる栄養素なので、健康な母体と新しい命のためにも必須です。

ポリフェノール、ビタミンC、カロテン、リコピン

卵子の老化を促す活性酸素に対抗するための栄養素です。また、ビタミンCは葉酸の働きを活性化し、鉄分の吸収を助けます。

不妊解消のための食事のルール。NGなことは何?

妊活中の食事の摂り方としては、以下のことに気をつけるとよいでしょう。

添加物
インスタント食品やスナック類など、添加物の多い食事はひかえましょう。
朝食抜き
朝食は女性ホルモンの働きを正常に保つことに役立つといわれています。
不規則な食事
毎日3食を決まった時間に食べ、間食はひかえましょう。夕飯はなるべく遅くならないように摂り、油モノはひかえましょう。
お酒とカフェイン
酒(カフェイン)とカフェインは体を冷やす成分であり、生殖機能に悪影響があるといわれています。

不妊解消のための簡単レシピ ― 妊活成功のために試してみよう!

妊活中には多くの栄養素が必要になります。そのために栄養素を豊富に含んだ食事を摂ることが大切です。妊活や仕事、家事に忙しい人も、正しい食生活は妊活の第一歩です。
ここで、妊活のカップルにおすすめの簡単レシピをご紹介します。ぜひ試してみましょう。

① 真鯛のアクアパッツァ

真鯛の切り身に塩コショウで味付けし、オリーブオイルで香ばしく焼きます。次に刻んだニンニクを入れ、香り付けをします。十分に香りが出たら、アサリとミニトマトを投入し、適量の水と酒を入れて蓋をして、アサリが開くまで煮込んで完成です。
女性ホルモンの生成に必要なビタミンEと亜鉛を豊富に含んだ簡単メニューです。豪華なディナーのメイン料理にもおすすめ。

② 豆腐の洋風サラダ

よく水切りした豆腐を適当な大きさに千切ります。一口大に切ったトマトと共にオリーブオイルと適量のレモン汁で和え、塩コショウで味付けをしたら完成です。
良質なたんぱく質を多く含む豆腐と、ビタミンCが豊富なトマト、ポリフェノールたっぷりのオリーブオイル。妊活に必須の栄養素がたっぷり詰まったヘルシーレシピです。

③ 酢ショウガ

ショウガをみじん切りにして少量の水と一緒にレンジで2分程度加熱します。よく冷ましたら、はちみつ少々とショウガがひたひたになるくらいのお酢を入れ、冷蔵庫でよく冷やしたら完成です。
ショウガには体を温める効果があるので、妊活の大敵冷え性の改善につながります。また、ショウガは皮の部分に体を温める栄養素が多く含まれていますので、よく洗って皮ごと刻むのがおすすめです。

妊活成功のために、食事以外に何を気をつければいい?

妊活とは、妊娠する確率を上げるために必要な知識を増やし、その知識をもとに生活習慣を整えて健康状態を改善することです。
女性に推奨される対策の基本として、以下のものが挙げられます。

  • 基礎体温を測る
  • 妊娠しやすいような健康な体をつくるため、バランスのとれた食事を摂る
  • 適度な運動をする
  • 鉄分を摂る
  • 良質の睡眠をとる
  • ストレスを溜めない
  • 体を冷やさない。なるべくあたためる

男性についても健康状態を改善するという意味では、おおむね女性と変わりはありませんが、男性独自の対策として「睾丸を温めすぎない」というものが挙げられるでしょう。これは精子が熱に弱いという性質を持っているからです。

その他、精巣への圧迫を避けるため、バイクや自転車に乗りすぎないことも重要であり、精巣内の精子を常に新しいものに入れ替えるために、2から3日に1回のペースで射精するようにしましょう。

運動も取り入れよう!

不妊の原因には様々なものがありますが、卵巣や子宮の異常などがなく、原因がわからないことも多々あります。その中でも不妊の原因であろうと考えられているものに、体の冷えによる血流の低下とストレスによるものがあります。

血流の低下は子宮や卵巣の機能を低下させる可能性があり、ストレスはホルモンバランスの乱れにつながります。
このため、妊活中には運動を行って、基礎代謝を高め体温や血流を改善することが必要となります。また、運動はストレス解消効果もあるといわれており、妊活中の人にとっては一石二鳥です。

しかし、どのような運動でもよいわけではなく、体を過度に疲労させるような運動は筋肉への老廃物の蓄積や精神的な疲弊の原因となりますので逆効果になることもあります。ウォーキングやヨガ、ストレッチ、水泳などの体に負担がかからない有酸素運動がおすすめです。

それでも妊娠できないときは、早めに病院に相談しよう

これらの対策を行っても妊娠しない場合には早めに婦人科で相談するようにしましょう。不妊症の定義は、健康な男女が避妊をしていないにも関わらず一年以上妊娠が成立しないこととされています。もし何らかの原因があって不妊症になっている場合、なるべく早く治療を始めることが妊娠の成功につながります。妊娠を望んで半年から一年の間に妊娠できないときには適切な検査を受けることをおすすめします。

病院で行われる不妊治療には、タイミング療法、人工授精、体外受精、顕微授精などがあります。検査上、男女ともに大きな問題がない場合には第一にタイミング療法が行われます。タイミング療法とは、超音波検査などで排卵日を推定し、妊娠しやすい日に性行為を行うように指導を受ける治療です。体への負担も少なく、簡便に行える検査ですが、問題のないカップルでは半年の間に90%が妊娠に至るとされています。

一方、精子の運動率が悪い場合やタイミング療法でも妊娠に至らない場合には、採取した精子を子宮内に人工的に注入する人工授精が行われます。また、精子の数が極端に少ない場合や、運動率が悪い場合には採取した卵子と精子を人工的に受精させ、成熟した胚を子宮内に移植する治療が行われます。

おわりに:規則正しい生活リズムと適切な食事と運動が妊活成功のポイント

体の準備をしっかりと整えることが妊活です。そのためには、口から自分の体に摂り込むもの、つまり食事が一番重要と言っても過言ではないでしょう。必要な栄養素や食べ方、運動方法など、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてください。

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