記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/22 記事改定日: 2018/12/18
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
咽頭炎は、さまざまな要因で慢性化することがあります。
では、具体的にはどのような原因や症状があるのでしょうか?
慢性咽頭炎の原因と症状、治療で大切なことについて解説していきます。
おもに慢性的な炎症により、長期間にわたって喉の痛みなどの咽頭の症状が見られるのが慢性咽頭炎です。
よく見られる急性咽頭炎は、喉が痛くなったり、咳、痰、発熱、頭痛、倦怠感などの症状が起こります。原因としては細菌やウイルス感染が主体ですが、適切な治療によって通常速やかに軽快します。
ただ、まれにではありますが急性咽頭炎が治りきっていないまま放置することで、慢性化することがあるのです
また、不規則な生活や偏った食生活、暴飲暴食など、日頃の不摂生も咽頭炎慢性化の原因となります。
その他、以下のような「急性咽頭炎からの慢性化」以外の原因で発症することもあります。
前述のような日頃の乱れた生活もそうですが、喫煙、飲酒などの継続的な刺激を喉に与えている場合に慢性咽頭炎が発症することがあります。また、乾燥していたり、ほこりっぽい空間で長く過ごしている場合や、カラオケなどで喉を使いすぎる、生活圏内に大気汚染があることなども原因になることがあります。
鼻の疾患や風邪などを原因として鼻が詰まり、口呼吸が多くなると、喉が長時間、乾燥することになり、慢性咽頭炎の原因となります。その他、膠原病や糖尿病、虫歯、歯槽膿漏、内分泌障害、アレルギーといった病気も、慢性咽頭炎を引き起こすことがあります。
いずれにせよ、複数の原因が絡み合っていることが多いため、病歴や体質、生活習慣、住環境などを総合的に判断する必要があります。
急性咽頭炎の場合は咽頭痛や発熱、頭痛などを発症しますが、慢性咽頭炎の場合はそうした症状はほとんどありません。
喉の不快感や違和感、異物感などの軽い症状しか現れないことが多く、ひどくなったとしても不快感や異物感などで咳払いが増えたり、ものを飲み込みにくくなる、声がかれるなどが慢性的に起きる程度のことがほとんどです。
扁桃が正常時よりもやや赤くなったり、多少腫れていたり、微熱や多少の倦怠感を感じることもありますが、ほとんど気にならない程度でしょう。つまり、自覚症状をほとんど感じないのが特徴といえます。
ただし、ごくまれにではありますが、咽頭がんや咽頭部の悪性リンパ腫などで慢性咽頭炎に似た症状が現れる場合があるので、長期化した喉の不具合がみられる場合は、早めに病院で検査してもらいましょう。
咽頭炎は喉の奥が赤く腫れるというわかりやすい症状がみられるため、診断は比較的容易なことが多いです。検査で慢性咽頭炎と診断された場合は、体の抵抗力を上げるために規則正しい生活をおくるようにし、ストレスを避け、喉を大切にすることが大切です。
栄養バランスを考えた食事を3食きちんと食べ、睡眠時間を確保し、ストレスの要因から遠ざかるなど、生活全体の質を向上させましょう。
禁煙する、飲酒をひかえる、加湿器やマスク、こまめなうがいで喉を保湿しておくといった努力も必要です。
また、病院では、喉の炎症を抑えるための消炎剤、もしくは消炎作用があるうがい薬を処方され、必要に応じて抗生物質や鎮痛剤の内服を行なうこともあります。
なお、別の疾患から慢性咽頭炎を発症した場合は、その疾患の治療も必要です。
慢性咽頭炎は急性咽頭炎による咽頭粘膜の炎症が長引くことや、のどの乾燥、ほこりを吸い込む機会が多いことなど様々な原因が考えられます。
慢性咽頭炎を予防するには、その原因を除去することが大切です。
そのためには、咽頭炎を発症した場合は放置せずに病院を受診して適切な治療を続けてしっかり治すこと、マスクの着用・加湿器の使用などによってのどを保湿することが大切です。特に副鼻腔炎や鼻炎を発症している場合には、のどが乾燥しやすい状態となりますので、これらの治療もしっかり行いましょう。
また、室内はなるべく清潔な状態を維持し、ペットなどの毛が舞いやすい環境の場合は空気清浄機を使用するようにしてください。
慢性咽頭炎の症状は、普通の日常生活がおくれないようなものではありませんが、常に喉に違和感を抱えることになります。ふだんの生活を見直し、喫煙や飲酒など、喉に刺激を与えるものを控えましょう。
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