生理(月経)に関わる鼻血について ― 原因と対処法

2017/10/6

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

生理(医学的には月経というのが一般的です)のときに、月経血だけでなく鼻血が出ることがありますが、それはどうしてでしょうか?
この記事で、生理に関わる鼻血の原因と対処法をご紹介します。

生理(月経)のときに鼻血が出やすい理由

月経時、女性の体内ではエストロゲンという卵胞ホルモン、プロゲステロンという黄体ホルモンの量がともに減少します。
生理(医学的には月経というのが一般的です)のときに鼻血が出やすいのは、上記のようなホルモンバランスの変化によって鼻の粘膜が弱くなってしまうからだと考えられています。

ほとんどの鼻血は、鼻の入り口から1~1.5cmほどのところに位置するキーゼルバッハ部位と呼ばれる部分の出血です。キーゼルバッハ部位は粘膜が薄く、毛細血管が多い繊細な箇所なので、生理時のホルモンバランスの崩れが重なることで鼻血が出やすいのではないかといわれています。

ただし、どのホルモンのどのような変化が鼻血を起こしやすくしているかについては意見がはっきりとしていません。
頻回の鼻血を認める場合はホルモンの変化だけを原因として考えるのではなく、まず耳鼻科を受診して他の原因がないかを調べてもらうのが大切です。

また、生理中に起こる鼻血については代償月経であるという説もあります。
代償月経については次の項目で説明します。

代償月経とは

代償月経とは、月経の時期に合わせて性器以外からの出血が起こる症状です。
出血する場所は人によって違いますが、鼻血が出る人の割合が多いといわれます。鼻の他には胃腸、肺、乳腺、外耳道、目、歯茎、のどからの出血が見られるケースもあります。
月経が来ない月がある、月経血の量が極端に少ないなど、月経で十分な出血量がない場合に症状が見られる傾向が高いとされます。

代償月経が生じる原因ははっきりとわかっていません。

日常生活で気をつけること

代償月経の大きな原因といわれるホルモンバランスの乱れは月経の生理現象だけではなく、ストレスがたまることや生活習慣の乱れによっても起こりやすくなります。

日頃からストレスをためない、栄養バランスの良い食事をする、睡眠を充分にとることなどを心がけ、ホルモンバランスが大きく乱れないようにしましょう。

頻繁なときや止まらないときは病院へ

鼻血が頻繁に出る」「出血量が多くてなかなか止まらない」というときには、まず耳鼻科を受診してください。
器質的な異常がなく、月経時に鼻血が出るという場合はホルモンバランスの乱れによるものを考え、婦人科または産婦人科での治療を試してみましょう。

代償月経は生理不順と深く関係しているので、ホルモン剤などを使って生理不順の改善をしていくことが多いですが、医師の判断によっては止血作用のある薬を処方されることもあります。

おわりに:病気が原因の鼻血もあるので、気になるときは検査しよう

今回は生理中に生じる鼻血について見てきましたが、いかがでしたか?
鼻血が出るとともに生理が不規則であったり月経血の量が極端に少ない場合はホルモンバランスの乱れによる代償月経の可能性もあるので、耳鼻科に加え、婦人科か産婦人科で治療を受けてみてください。

また、鼻血は他の病気の原因となっている可能性もあるので、気になる場合は病院で検査をしてもらいましょう。

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