記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/10/6 記事改定日: 2019/8/2
記事改定回数:2回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
生理(医学的には月経というのが一般的です)のときに、経血だけでなく鼻血が出ることがありますが、それはどうしてなのでしょうか?この記事で、生理に関わる鼻血の原因と対処法をご紹介します。
ほとんどの鼻血は、鼻の入口から1~1.5cmほどのところに位置するキーゼルバッハ部位と呼ばれる部分の出血です。キーゼルバッハ部位は粘膜が薄く、毛細血管が多い繊細な箇所です。
生理(月経)のとき、女性の体内ではエストロゲンという卵胞ホルモン、プロゲステロンという黄体ホルモンの量がともに減少します。生理のときに鼻血が出やすいのは、ホルモンバランスが崩れて鼻の粘膜が弱くなるため、鼻血が出やすくなるからではないかと考えられています。また、生理中の鼻血は代償月経であるという説もあります。
ただ、どのホルモンの、どのような変化が鼻血を起こしやすくしているのかはまだ明らかになっていません。頻繁に鼻血が出る場合は、ホルモンのせいと考えるのではなく、まず耳鼻科を受診して他の原因がないかを調べてもらうことが大切です。
代償月経の大きな原因といわれるホルモンバランスの乱れは、生理中だけでなく、ストレスがたまったり、生活習慣の乱れによっても起こりやすくなります。日頃からストレスをためない、栄養バランスの良い食事をする、睡眠を充分にとることなどを心がけ、ホルモンバランスが大きく乱れないようにしましょう。
「鼻血が頻繁に出る」「出血量が多くてなかなか止まらない」というときには、まず耳鼻科を受診してください。鼻自体に異常がみられず、生理のときに鼻血が出る場合はホルモンバランスの乱れが原因の可能性があります。婦人科または産婦人科で相談してみましょう。
なお、代償月経は生理不順と深く関係しているので、ホルモン剤などを使って生理不順を改善することが多いです。ただ、医師の判断によっては止血作用のある薬を処方されることもあります。
鼻血は生理不順だけでなく、他の病気の原因可能性もあるので、気になる場合は病院で検査してもらいましょう。