健康診断の前に食事を摂ってはいけないのはなぜ?

2017/10/18

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

健康診断の前日や当日は食事制限があるのが一般的ですが、そもそもなぜ健康診断のときには食事を摂ってはいけないのか、ご存知ですか?理由を詳しく解説していきます。

健康診断の前に食事を摂ってはいけないのはなぜ?


健康診断の前に食事を摂ってはいけない理由は、検査の結果が変動したり、患部が見えにくくなってしまうからです。具体的には血液検査で血糖値や中性脂肪の値が変動、尿検査で尿糖がでることがあります。また、食事を摂ってしまうと胃カメラの刺激で嘔吐が誘発されてしまう恐れがあります。

そして胃に食物があっても胃内の観察が十分に行うことができません。また、大腸内視鏡検査を行う場合も同様の理由から、当日は食事を摂らずに下剤を内服し、腸の中身を空っぽにして観察しやすくする必要があります。さらに、上腹部エコーの検査がある際も、食事を摂取してしまうことで消化菅ガスが発生し、観察しにくくなります。

健康診断の何時間前までなら、食事を摂っても大丈夫?


基本的には、午前の健康診断の場合は12時間前、午後の健康診断の場合は6時間前までであれば食事を摂っても大丈夫です。従って、午前の場合は前日の夕飯は早めに済ませ、当日は朝食を食べない形になります。午後の場合は、当日の朝食は早めに済ませる必要があります。

なお、どちらの場合も直前の食事は消化に良いものを軽めに食べるようにしましょう。また水であれば飲んでも大丈夫ですが、カフェインを多く含むお茶、カロリーのあるジュース、飴・ガムは控えてください。ただし、検査内容によって絶食時間は前後する場合があるので注意書きをきちんと確認し、何時からの検査か把握しておきましょう。健康診断が終わった後であれば食事は摂っても大丈夫ですが、長時間絶食しているので消化に良いものから摂取することをお勧めします。

健康診断の前に、なるべく控えたほうがよい食べ物は?


控えたほうがよいのは、お肉やピザなどの脂っこいものや甘いものやアルコール飲料です。脂っこいものを摂取することで中性脂肪の値が上昇しやすくなり、脂質異常症と結果が出てしまう場合があります。また、脂っこいものを糖質と一緒に摂取すると、脂質の分解を妨げてしまうので注意が必要です。

さらに、甘いものは血糖値を上昇させてしまいます。健康診断で血糖値を測定する場合は空腹時血糖が基本なので、食後10時間以上の絶食、水以外の飲み物を飲んでいないことが望ましいです。もし食事の影響で血糖値が上昇していると、糖尿病と診断されてしまうこともあります。

また、甘いものをたくさん食べることで尿中に糖分が排泄され、尿糖の結果が出ることもあります。アルコール摂取もNGです。尿検査や尿酸値などの採血結果に影響が出てしまいます。

うっかり食事を摂ってしまったときはどうすればよい?


健康診断時に、食事を摂ってしまったことを検査技師に必ず伝えましょう。その際は、何時に何をどれくらい食べたのかを正確に伝えるようにしてください。前日にアルコールを摂取してしまった場合も同様です。伝えないと、誤った検査結果から誤った診断をくだしてしまうことになります。

また、胃カメラ、大腸内視鏡検査、胃のバリウム検査の場合は、苦しい思いをして検査をしたのに十分に観察できずに再検査になってしまう可能性もあります。なお、一部の採血結果や尿検査の結果に関しては参考値という扱いになります。

おわりに:規定時間外の食事は誤診につながることも

健康診断前の食事は、誤った結果や誤診などにつながる恐れがあります。必ず決められた時間までに食事を済ませるようにしましょう。

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