シックハウス症候群の症状と原因について

2026/5/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

シックハウス症候群とは、建材などに含まれる化学物質が原因でさまざまな不調をきたすことです。近年は認知度が高まり、規制が進むことで対策もしやすくなりましたが、現在も症状に悩んでいる人がいますし、シックハウス症候群という自覚がなく症状に悩まされている人もいるでしょう。この記事では、シックハウス症候群の症状と原因について解説していきます。

シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群とは、室内の建材や家具などから発生する有害な化学物質により健康被害が発生することをいいます。めまい・目の痛み・頭痛・発疹・呼吸器の症状・倦怠感などがおもな症状であり、具体的な症状の例として以下が挙げられます。ただし、目立った症状が現れない場合もあり、同じ室内にいても症状が出る人と出ない人がいたりするなど、症状の出方には個人差があります。なお、化学物質過敏症の人は、シックハウス症候群を発症しやすいといわれています。

  • めまい
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 蕁麻疹
  • 湿疹・肌荒れ
  • 目の痛みや充血、流涙
  • 鼻水・鼻づまり
  • せき
  • のど・鼻の乾燥 など

シックハウス症候群の原因物質

シックハウス症候群は、建材・家具などに用いられる塗料・接着剤などに含まれる揮発性の化学物質などが原因となることが多いといわれています。具体的には、ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド・トルエン・キシレンなどが挙げられ、現在では以下の13種の物質の室内濃度指針が定められています。

室内濃度指針が定められている化学物質
  • ホルムアルデヒド
  • アセトアルデヒド
  • トルエン
  • キシレン
  • エチルベンゼン
  • スチレン
  • パラジクロロベンゼン
  • テトラデカン
  • クロルピリホス
  • フェノブカルブ
  • ダイアジノン
  • フタル酸ジ-n-ブチル
  • フタル酸ジ-2-エチルヘキシル

しかし、シックハウス症候群は、これらの化学物質だけでなく、室内で異常増殖したダニやカビ、ストーブなどから排気される二酸化炭素・窒素酸化合物などが原因で発症することもあると考えられています。

シックハウス症候群の対策

シックハウス症候群の症状が現れたときは、こまめに窓を開けて換気をして、常に換気扇を回した状態にしましょう。窓を開けての換気と換気扇による換気を同時に行うことで、空気の循環がはやく進むようになり、症状も回復しやすくなります。また、こまめに掃除してシックハウス症候群の原因物質の量を減らすことも大切です。原因物質の発生源が分かる場合は、発生源を遠ざけるようにしてください。なお、軽く汗ばむ程度の運動をしたり、規則正しい睡眠をとったりするなど、生活習慣を見直すこともシックハウス症候群の症状緩和に役立つといわれています。

なお、国ではシックハウス症候群を防ぐため、建築基準法において有害物質の使用を制限し、24時間換気扇の設置などを義務づけています。ただし、規制は新築時の建築物に限られ、規制の対象となるのは建材であり、家具やカーテンなどの備品類には規制が及ばない点については注意する必要があるでしょう。また、シックハウス症候群は、省エネ対策のための室内の高気密化が原因になることもあります。新築後、約5年間は有害物質の発生が心配されるといわれているため、部屋の換気にはとくに注意することをおすすめします。

おわりに:原因物質の使用は制限されているが、シックハウス症候群になる可能性はある

現在、シックハウス症候群の原因になる化学物質の使用は制限されており、各メーカーもさまざまな配慮をしています。しかし、規制対象外のものも多く、化学物質以外が原因になることもあり、現在もシックハウス症候群になる可能性はあります。室内で目の痛み・頭痛・めまいといった不調に悩まされることがある場合は、こまめな換気・掃除を心がけましょう。また、生活習慣を見直すことで症状が緩和する可能性があります。もし不安がある場合は、一度医療機関を受診し、相談することをおすすめします。

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